役所暁

考えたこと、本の感想、詩などを書いていきます。

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マガジン

  • その年のおすすめコンテンツ

    各年に出会えてよかったコンテンツについての記事をまとめました。

  • 闇の自己啓発会

    • 27本

    Dark Self-Enlightenment parties.

  • 句のようなもの

    自作の自由律俳句や現代短歌などをまとめています。

  • 批評・思考の地図

    自分の書いたものの中で批評、思考の地図、ライフハックめいたものを収録しています。

  • 人間になれない詩

    書いた詩をまとめてみました

最近の記事

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『闇の自己啓発』まえがき全文公開+まえがきのあとがき

 「闇の自己啓発会」が『闇の自己啓発』として早川書房から書籍化されました。これも読者の皆様のご愛顧・ご注目などのおかげと思います。深く感謝いたします。  さて、1月21日の発売を記念して、ここでは書籍版の「まえがき」を全文掲載いたします。無論、出版社の許可を得てのものです。  本書のまえがきは、不肖、役所暁が執筆いたしました。拙い文章ではありますが、私(たち)がどんな思いで「闇の自己啓発会」という読書会をやってきて、どこに向かっているのか。そんな情念・願望が詰まったものに

    • 2023年に読んでよかった漫画まとめ

      ※noteによると規約違反があったとのことで元記事を非公開とされたため、DLsiteへのリンクを外して再掲しています。内容は以前のものと同じです。 2023年に読んでよかった漫画を紹介します。なお、2023年に観てよかった映画編も公開中です。 東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー 警察署で外国語を母語とする人たちの通訳を担当する、警察通訳人という仕事にフォーカスした作品。毎回難しい題材を丁寧に描き、技能実習生制度などの社会問題にも切り込むという作風で、こういう漫画がもっと

      • 君への執着が止められない

        君からのハートマークが愛のカタチだったらよかったのに 君の「いいね」欄を見るたびに 痛みと歓びが駆けめぐる いつか僕の枷が外れて 君への想いを全部ぶちまけてしまったらどうしよう 君なしでは生きられないと思うのに 食べて寝て起きてしまう僕の体 君が教えてくれた悦びが いつまでも残響して僕の脳を犯す 今日もまた実を結ばない種が流れていく 君との花が咲いたなら 世界中を埋め尽くす花畑になって地球を滅ぼす

        • 叶わなかった愛の歌

          「愛してる」の代わりに「いいね」を押す 通知きて「君からかな?」と胸躍る 君と駆けた 土砂降りの日に戻れたら 夢でなら君とデートができるのに 目の前の全てに 君の痕跡を見つけてしまう 君の所有物になれるなら 僕はきっと幸せなのに 君の前ではどうか「人間」でいられますように 1人になった僕は魔法がとけて ぐずぐずのスライムのできあがり

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        『闇の自己啓発』まえがき全文公開+まえがきのあとがき

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          6本
        • 闇の自己啓発会
          27本
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          7本
        • 批評・思考の地図
          2本
        • 人間になれない詩
          12本

        記事

          2023年に観てよかった映画まとめ

          もう2024年になってしまいましたが、2023年に観てよかった映画をまとめてみました。映画に詳しいわけではない人間のうろ覚え感想ですが、2023年の振り返りなどにご活用いただければ幸いです。 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス SF×カンフー×ADHDという個性的な要素が詰まった映画。主人公がアジア系かつADHDの女性で、様々な世界線の自分の力を使って世界の危機、そして家族の危機に立ち向かいます。 監督がADHDを主人公にしようと決めて調べた結果、自身も

          2023年に観てよかった映画まとめ

          憎悪の歌

          眠れぬ夜はあなたを思い出す5時間憎悪 幸せな家族写真アップする前に私にしたこと謝ってよ あなたに言われたこと全部忘れないから 死ねという言葉も 「○○だから」で馬鹿にする あなたの知性は無きに等しい 都合のいい時だけ使い捨てられるゴミ箱だった私 あなたのしたことずっと覚えているから覚悟しておけよ

          愛の歌

          鶯谷 無言で食べる朝の君 トマトソースが目に眩しい 好きって言ったのは演出上の都合だったんだね 君にとっての私は 私にとっての君じゃなかった 渡せなかった映画の半券 借りたままの本に挟んでしおれていく 温もりを思い出すほど心は凍って砕け散る 報われぬ 三千世界を滅ぼして お前の首に口づけしたい

          赤の歌

          自分だけ誘われてない祭り見て祝福の歌逆再生する 私より世間が好きな人たちに愛を説かれるここは地獄か 来ちゃったよ望みもしない赤い日々なれるはずないしあわせ素肌 子宮より生み出されし金魚たち掬う風呂場で己を呪う 血を分けた人も我を化生という サンタなしサタンは来る我が家の戸 白雪が降りて我が身も紅顔に 真夜中に目覚めた故の孤独かな ユニクロで無印の袋使いけり

          真っ赤な花

          私の心の中にある 実を結ばなかった種 あなたへの愛は咲かずに枯れた あなたに付けられた傷跡は深く 私の体の至るところに残ってる あなたの顔に咲いた真っ赤な花 私が咲かせた花だから 挿して蒔いて育てていく 私が触れるたびに花が咲き あなたの顔は美しい 満開の花畑になっていく

          真っ赤な花

          繭の中で眠る

          温かい繭に包まれて私は眠る 眠り続けるほどに 繭はぶ厚く硬くなっていく 私は全てに目を瞑り 繭はどんどん大きくなる あなたが繭を切り裂いて 私を助け出してくれる日まで 繭の中の楽園で 私は眠り続ける

          繭の中で眠る

          青の句

          澄み渡る青空の中に私はいない 干からびたミミズの姿私と同じ 青春は真っ暗闇の中にいた ブルべ夏青いロープで首を吊る 海の底ともに溺れて果てましょう

          私に死ねと言ったあなたへ

          私に死ねと言ったあなたへ 元気に過ごされていますか? 私はいまだにあなたの言葉に苦しんでいます 私のことなんて忘れてしまったでしょうが 私はあなたを恨み続けます 弱っている生き物にトドメをさして みんなで嘲笑って さぞかし楽しかったことでしょう あなたのご冥福をお祈りします

          私に死ねと言ったあなたへ

          どこか遠くへ

          どこか遠くへ行きたいけれど この体ではどこへも行けはしない だから私は夢の中で 今日もあなたに会いに行く あなたは10年前の姿のまま 光さす教室で私にほほえみかける 私があなたに触れようとすると あなたはすっと消えてしまう あなたはどこで何をしていますか? きっともう会うことはないけれど どうか幸せでいてほしいと願っています

          どこか遠くへ

          夏の句

          水槽の脳も干上がる暑さかな 便所飯ハエは友達怖くない 夏休み親の呪いに縛られる 君の背の汗の匂いも愛おしい 君と僕世界が終わり花開く 君といたあの夏はもう戻らない 明らかに夏の句ではないものもありますが、思いつくままに書き下ろしてみました。

          海の底

          波の下にも都がある、というけれど 海の底には何もない 地上から追放された私はただひとり 海の闇の中で溺れている 空気が欲しいと叫んでも 誰にも私の声が届くことはない 地上では皆が祝祭の歌をうたう その輪の中に私はいない 水底で死にゆく私を 顧みる人はどこにもいない

          私の体は傷だらけ 血まみれになりながら生きている 私の心は傷だらけ いつも血の涙を流してる 体の血を全部入れ替えれば 私は人間になれますか? 血の雨を降らせたら あなたは私を見てくれますか?