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ヤンバルトサカヤスデ

ここ最近、平野で「ヤンバルトサカヤスデが出たので駆除剤をください」という依頼が続きました。
本州ではあまり馴染みのない、この生き物は、農作物に被害を及ぼしたり、噛んで毒を出したりすることはありません。敢えて言うなら、「沢山で群れて気持ち悪い」んです。
おびただしい数で集団移動したり、壁や塀によじ登って家屋の中に侵入したりすることから、非常に不快感を与えるために「不快害虫」とされています。敢えて、不快なので、写真掲載をしませんので、興味のある方は検索してみてください。鹿児島県も通知を出しています。


屋久島でヤンバルトサカヤスデが発生しるのは春(5月頃)と秋(10月頃)だそうで、発生している地域は以下マップにされています。

ヤンバルマップ

湿度の高い雨上がりの夜によく集団移動し、繁殖力が強く、広域に定着すると根絶は困難といわれており、見つけ次第駆除することになります。
屋久島町ではヤスデの家屋侵入防止対策として駆除薬剤を配布しているほか、発生地域の駆除清掃作業などに取り組んでいます。平野区でも駆除剤を常時完備しており、区民からの依頼があれば無料で配布(1袋/1世帯X2週間)しています。

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この駆除剤はコイレットといいます。
「細粒タイプなので散布時や散布後に粉たち・飛散がなく、安心して扱えます。 臭いの少ない製剤です。 雨に流れにくいので効果が長持ちします。 人や環境に影響が少ない安全性の高い製剤です。」
と説明されますが、要するに農薬です。
コイレットの成分はフェノブカルブです。農薬で言う BPMC(バッサ)と同一成分で、製剤毒性は、人畜毒性が普通物(「毒物」「劇物」に該当しない)、魚毒性が A 類相当(通常の使用方法では魚介類に影響はない)とされています。
一方で、以下の表記もされています。
「乱用すると環境を汚染します。畑や井戸、地下水、河川等の水質を汚染するおそれのある場所、蜜蜂、蚕、魚や水棲動物等に被害を及ぼすおそれのある場所では使用できません」
「病人、特異体質の人、妊婦、幼児等がいる場合では使用しないでください」
出来ることなら使いたくないものですね。

薬剤以外でヤンバルトサカヤスデをやっつける方法は
・7%程度の塩水(洗濯洗剤も2%程度入れたほうが良い)をかける。
・落ち葉の溜まりやすい角や、湿気の多い床下などに定期的に石灰を撒いておく。
というのがあるらしいですが、外界から刺激を受ける(焼いたり、熱湯をかける)とシアン化合物を含むガスを発生します。
シアン化合物とはビワの種子や梅の種子など、自然界に含まれる成分ですが、毒性が強く、意識障害を起こす場合もあります。