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2017旅行記その8:大地の歴史を感じた後、負傷

スナイフェルネス半島ツアー2日目。この日は溶岩が流れた後にできたヴァッツへトリルの洞窟へ。細い階段を降っていくので、地下へ進んでいるのに高いところと同じように足がすくむ、という不思議な感覚を味わいつつ洞窟の床までたどり着くと、予想以上に広い空間が横たわっていた。

洞窟自体は、火山活動でできたもの。地球の長い歴史の中で、偶然が重なって生まれた空間だ。何千年もの間変わらずあり続けるものに包まれるなんて、そうそうできる体験ではない。ガイドさんの指示に従って全員のライトを消すと、洞窟は悠久の姿を取り戻す。千年単位で姿を変える地球と、長くても100年が寿命の人間ではスケールが違う。アイスランドに来て、自分という存在の小ささに何度も気付かされている気がする。ちなみに、ここでガイドさんの鉄板アイスランドジョーク(?)があるので、今後行こうと思っている方はそちらも楽しみにしておいて欲しい。

いい天気で気温が上がるのはありがたいのだが、その分足元が以前より不安定になってきた。今回の旅にあたり、よく歩くことになるだろうと思った私は、思い切ってダナーのマウンテンライトを購入。丈夫なブーツなので不安はないと思っていたのだが、雪山に登るような靴ではないし、アイゼンを用意していたわけでもない。それでも次から次へ雪が降っていれば、新雪を踏み締めて移動できたが、晴れて雪が踏み締められ、ましてやちょっと溶け出したりするとツルツル滑って登るのがとても難しくなる。実際、この日はツアーの参加者でも尻餅を突いている方がチラホラ。

私も気をつけないと、とボルガルフィヨルズル地方の滝に近づこうとした時。ちょっとした下り坂でツルッと滑って左肘から地面に激突。全体重がかかってしまったことで、しばらく腕が動かせない位の怪我になってしまった。ツアー自体は素晴らしい景色ばかりで最後まで参加したものの、夜になっても左手に力が入らない。こういう時はむしろお尻から行った方がいいんだな。どうせ観光なのだから、多少不便でも大きな問題はないのだが、まだまだ先に行きたい国がたくさんある。予め黄熱病や狂犬病の予防接種は受けてきたが、海外で怪我することをあんまり想定していなかった。日本にいれば病院に行けばいいのだが、海外にいれば勝手が違う。帰りのバスから今日のホテルまで、色んなことが頭をグルグル回ったが、全て後の祭り。

とりあえずアイスランドにいる間は毎日ツアーが組まれているので、その先の国に着いたときどうするか考えよう。疲れていたせいか、痛みの割にあっさり眠りに入ることができた。

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