2017旅行記その10:グッゲンハイムを知らない男、ニューヨークへ

約一週間過ごしたアイスランドともお別れ。来た時はすごい吹雪だったよな、と思い出しながらケプラヴィーク国際空港行きの送迎バスに乗り込む。次この地へ来れるのはいつになるだろう。そもそも、また来る機会なんてあるのかな。カナダを出国した時とは違う感傷が、妙に新鮮だった。

例によってSkyscannerで格安航空のチケットを手配したので、荷物が規定から少しはみ出してしまった。元々機内持ち込みできるサイズのバックパックのはずだが、利用した会社はもう一回り小さいバックまでしか持ち込めないとのこと。こればっかりはちゃんと調べていない自分が悪いので、チェックインカウンターで追加料金を払ってセキュリティチェックへ。

ここまではカナダまでと同じだったのだが、搭乗ゲートに行こうとすると呼び止められ、さらに詳しくチェックされることに。後で調べてわかったのだが、アメリカに飛行機で向かう際、チケットに「SSSS」と印刷されていると、要注意人物として詳しく調べられるとのこと。FBIがテロ対策としてチェックしてるリストに入っていれば毎回選ばれるらしいが、私の場合はアジア人でかつ片道航空券での入国だったから選ばれたのだと思う。ていうか、そう信じたい。

ちょっとびっくりはしたものの、やましいことは何もないので、荷物を改めて係員がチェックし、いくつか質問に答えて終了。それ以降は特に何事もなく、飛行機は無事ニューヨークのニューアーク国際空港へ到着。JFKの方じゃないのは、チケット代と関係があるのだろう。

トロントへのトランジットの際、シアトルで一度入国審査を経験しているが、ちゃんとアメリカに入国するのはこれが初めて。アメリカは入国審査が厳しい国だということは聞いていたので、ちょっと緊張しながら理由を考え、自分の番に。

審査官:入国の目的は?
私:観光です。
審査官:観光の目的地は?
私:美術館に行きたいんですよ。メトロポリタンとか、MoMAとか。
審査官:なるほど。じゃあグッゲンハイムも?
私:グッゲンハイム?
審査官:知らないの?有名な美術館だよ。建物が特徴的な。
私:そうなんですか。じゃあ行ってみます。
審査官:楽しんで来てね。

正確ではないが、大体こんな感じの会話で通してもらえた。本当にこの時点まで、ニューヨークにグッゲンハイム美術館という観光名所があることを知らなかったので、このタイミングで教えてもらえたのはとてもありがたかった。思ったよりスムーズだったのは、日本のパスポートのおかげだろう。今考えると、入国審査官はちょっとびっくりしてたかもしれない。こいつニューヨークへ観光で来て、グッゲンハイムも知らないのかよ、と。

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