この10年間、ReBitを応援いただいたあなたに、心から御礼を申し上げます。
ReBitは今月1日をもって設立11周年目に突入することができました。これまでの10年間のことを振り返りつつ、今私が感じていることをお伝えしたいと思います。
10年前には「夢」だったことが多く実現できた10年
この10年間、教育現場でも様々な変化がありました。
設立当初は「そんな子はうちにはいません」と100校連続でLGBTに関する授業を断られたけれど、現在は小学校〜大学、そして行政の皆さんに向けて年間150回の授業や研修を届けられていること。
2015年、文部科学省からの通知で、小中高校で性的マイノリティの子どもたちに対しての支援や理解向上の必要性が明記され、LGBTの子どもも「学校にいる」ことが前提となったこと。
今年度から一部の中学校教科書、来年度から一部の小学校教科書でLGBTが記載されることになったこと(うち1社はReBitがともに製作!)。
10年前には「夢」だったことが多く実現できた10年だったと思います。
しかし、「あの頃の自分」に、届けられているだろうか?と疑問が残ります。
「女の子らしくしなさい」と先生から指導を受けた、あの小4のクラスには届いているのだろうか。
「バレンタインデーは〇〇くんにあげようかな」と嘘をついた、あの小6のクラスには届いているのだろうか。
「バレたら生きていけない」そう思って自分を押し殺した、あの中学3年間のクラスには届いているのだろうか。
ReBitの調査で「授業や学校で多様な性について習ったことがある」と答えた中学生は11.9%のみでした。子どもが日々通う学校にはまだまだ多様な性に関する正しい情報が届けきれていません。
また、学校に出前授業に行くと、「あの頃の自分」と同じ経験をしている児童生徒がこっそり私たちに打ち明けてくれることも少なくありません。
社会が変わることは素晴らしいけど、いくら社会が変わっても、子どもの半径5mが変わらないと、子どもの命には届きません。そして、それは子どもの半径5mにいる大人が変わることでしか、変わることができません。
そんな想いから"Ally Teacher's Tool Kit"が誕生
このキットは、LGBTの子どもにとっても過ごしやすい学校をつくる「アライ先生」を増やすための教材キットです。
【①先生が知る】ための冊子、【②相談しやすい環境をつくる】ためのブックリストやステッカー、【③生徒に授業をする】ための映像教材や学習指導案、配布プリントなど、12種教材が詰まっています。
最初にこの教材を展開したいと考えたのは、なんと2013年度でした。
米国GLSENの"Safe Space Kit"を見て「ぜひ日本でも展開したい」と意気込むも、そこから教材開発のための資金を集め、教職員や映像編集の仲間たちを集う道のりは長く、やっとの想いで教材が発行できたのは、中学校版が4年後、そして小学校高学年版が5年後でした。
そして、2019年、同封している調査紙を分析し、中学校での多様な性への授業効果を測る調査報告を作成し、義務教育で多様な性について教えることの意義について明らかにすることができました。
LGBTの子どもにも安全な学校を増やす「グッドデザイン」
ありがたいことに、構想から6年越しの今年10月、この教材キットがグッドデザイン賞をいただきました。
みなさまのご寄付で教材キットを1000校以上に無料で届け、日本中の学校をLGBTの子どもにとっても安全な場所に変えるというその社会変革モデルが「グッドデザイン」と称されたことは、とても感慨深いです。
あなたの「想い」とともに教材を届けてください。
グッドデザイン賞の受賞を機に、お声がけをいただく学校も増え、今こそ広く学校にこのキットを届ける千載一遇のチャンスが到来している今、ReBitは200校へ届けるためのご寄付を募るキャンペーンを実施しています。
現在ありがたい事に100万を達成することができ、ネクストゴールとして120万円を集めてさらにプラス40校に届けたいと思っています。
毎晩布団の中で生きていけないのではと泣いていた私の学校に、このキットが届いていたら。
「あなたのままで大丈夫」と言ってくれるアライ先生が身近にいたら。
LGBTを含めた全ての子どもがありのままで大人になれたら。
ぜひ、あなたの「想い」を教材キットにのせ、ともに子どもたちの学校へ届けていただけましたら幸いです。
学校に届けるにはこちらをご覧ください。ぜひ、最後まで応援をよろしくお願いします。
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