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雑記帖

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日々思い浮かぶよしなしごとを書いた雑文をまとめる雑記帖です。
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2020年8月の記事一覧

数学用語のできるまで 第4回 Unitをどうすべきか

 日本語の数学用語は、どのようにつくられてきたのか。

 明治期に、欧米からの文物の移入がそれまで以上に増える。そうしたなかで、学術の各方面についての知識ももたらされた。その際、英語、ドイツ語、フランス語をはじめとする異言語の用語や概念を、日本語でどう受け止めるのかという翻訳の課題も改めて生じる。
(「生じる」といっても、江戸期にオランダを経由して摂取されていた蘭学や洋学でも、すでに検討されていた

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小説のゴミ捨て#001 谷崎潤一郎「蘆刈」

わたしは、まだいくらか残っていた酒に未練をおぼえて一と口飲んでは書き一と口飲んでは書きしたが最後の雫(しずく)をしぼってしまうと罎を川面(かわも)へほうり投げた。

というのは、谷崎潤一郎の小説「蘆刈」の一場面。
(引用は『昭和文学全集 第1巻』、小学館、1987、p. 43)

語り手である「わたし」がふらりと散歩に出る。目にする景色に『増鏡』に記された歴史の光景を重ねて楽しむ様子が描かれる(こ

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すわ、誤記か誤植かフレイザー

J. G. フレイザー『金枝篇』のある箇所につけられた注に、こんな表記があらわれる。

Festus, ed. C. O. Müller, p. 325

これは、カール・オトフリート・ミュラー(1797-1840)というドイツの古典学者が編集した、フェストゥスという2世紀ころのローマの文法家の本を指している。

などと書けばややこしくて、すでに読む気力をくじかれそうになっているかもしれない。大丈

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アクセス拒否は突然に。

不如意なことは続くもので、先日ウェブカメラのことを書いた直後に、今度は講読中のオンラインジャーナルを読めなくなるというトラブルに見舞われた。

nature human behaviourといって、科学雑誌で有名なnatureの姉妹誌だ。「人間行動」というテーマだけに、自然科学、社会科学、人文学が交差するような面白い論文が多い。なにしろ人間の行動といったら、それは多様で、いろいろなものに関わりがあ

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まずは自分を疑う

パソコン用にウェブカメラを買った。

logicool社のC920nという機種を選んでみた。

手元に届いたので、さっそくPCに接続してみる。昔とちがって、USBケーブルをPCにつなげばあとは勝手にセッティングしてくれるのは、本当に楽ちんだ。

かつてはどうしていたかというと、ハードを接続するだけではダメで、そのハードを制御するためのドライバというソフトを、パソコンにインストールして、そのドライバ

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