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旅路

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儘ならぬ生活と旅
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#ことば

夜のための灯火として

夜のための灯火として

 ほんの少しの風通しの旅を終えて、そしてこれからの活動について。

旅のこと 自分の内側にお入りなさい、と好きな詩人が言っていたこと。どこにも居場所がない気がしてと泣いたら、おりたいとこに居ればいい、ともだちが言ってくれたこと。行き帰りの高速バスで、ひとりの部屋で、すこし賑やかなファミレスで、雑踏の中で、考えたこと。握りしめてきたことばのこと。温かくて柔らかい、手渡されたことばのこと。死にたいこと

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帰路

帰路

 いつからカメラが重たくなったのか。見えてる景色の色彩が少し薄くなったのか。手を伸ばせば届くあちこちに散乱する言葉に手を伸ばせなくなったのか。なんでだっけって思いながら、なぜか洗濯機の上にある鏡に問いかける。誰しもその人だけの心の領分があるということ、踏み荒らされたくない場所。痩せた地と狭くて暗い部屋。臆病で、想像の中でさえ自分に刃を突き立てられないで、消え入りそうな細い息をしていた。

 ただい

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