シェア
文雲てん
2022年4月22日 16:38
いつからカメラが重たくなったのか。見えてる景色の色彩が少し薄くなったのか。手を伸ばせば届くあちこちに散乱する言葉に手を伸ばせなくなったのか。なんでだっけって思いながら、なぜか洗濯機の上にある鏡に問いかける。誰しもその人だけの心の領分があるということ、踏み荒らされたくない場所。痩せた地と狭くて暗い部屋。臆病で、想像の中でさえ自分に刃を突き立てられないで、消え入りそうな細い息をしていた。 ただい