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ごっつぁんが我が家にくれたもの

先日元モー娘。のゴマキの不倫が報道された。
旦那さんが不倫相手の間男かつ元カレを訴えているという内容で裁判についての詳細が事細かに文春に掲載された。
その記事を受けて当の本人ゴマキは不倫の事実を認めて世間に対して謝罪をし、夫婦関係の修復に努めていることを報告した。(そもそも謝る必要はあるのだろうか)
ネット上では子供がいるのに不倫なんて最低というありがちな批判は極僅かな少数意見のようだ。
一方、謝罪文や記事から漂ってくる旦那の建設作業員にありがちなDQNな振る舞いとDVによってゴマキは追い詰められていたので同情の余地はある、また事の仔細が細かく艶めかしいため「俺もゴマキと不倫したい」、旦那と間男の推測される収入や社会的地位が思いの外低いために「何故俺じゃなかった」となどという意見が大多数を占めているようにみえた。
それを目にすると「これがセックスシンボルって奴なんだな」という感想を抱かずにはいられなかった。
僕が小学校低学年の頃、モー娘。とゴマキは世の中を席巻していた。
僕はまだ幼く辻ちゃん派でブームの落ち着きと共にフェードアウトしていったが、兄は小4時に校外学習でNHKに向かうバスの車窓から見た渋谷の街頭ビジョンに映る当時13歳の金髪ゴマキに一目惚れしてしまったらしく20年間、数回の短い中断を挟んでファンを続けている。ヴェルディといい島袋寛子といいゴマキといい高橋由伸といい幼い頃に憧れたものを30手前になっても変わらず当時の熱量のまま好きな事に尊敬を覚えると同時にめちゃくちゃ呆れる。そしてちょっぴり羨ましい。
その兄の熱狂は凄まじいものでヤンチャな同級生にモー娘。のシールがベタベタに貼られた遊戯王のデッキケースを揶揄されて馬乗りになってぶん殴ったり、うたばんを録画して自由研究の題材にしたり、中学のノートをゴマキのシールだらけにして中1の時の家庭訪問で注意され目をつけられたりしていた。
おかげで数年後に入学した僕まで最初から最後まで目をつけられたまま中学生活を送るハメに。
しかし、兄のゴマキ熱が当の本人と家族にもたらしたものは悪いものばかりではない。
ゴマキと結婚するには→テレビ局で働くorジャニーズになるしかない→その為には勉強を頑張り容姿を整えなくてはならない。
という思考に至った兄は小学校高学年になった途端、進研ゼミ以外にも勉強をするようになり、その努力する姿勢はスポーツや遊びの面にまで及んだ。そしてそこで得たノウハウは4つ下の僕に受け継がれ幾ばくかの恩恵を享受させてもらった。
兄は目をつけられた為内申点が低く県立トップ高こそ受験出来なかったものの、そのワンランク下の県立高校に進み、僕の母校W大と並ぶ難関大学に進学した。そこでも就活は失敗したが優秀な成績だった為に交換留学をして大学院に進み研究者の卵になるかならないかという人生を歩んでいる。
真っ当な企業に就職は出来なかったが、ゴマキによって培われた突き詰めて研究する癖によって収入は同世代のサラリーマンと比較しても劣らない程度にあるようで僕も金銭面で数度助けてもらった。
また彼は容姿に関しての意識がそれ以来高くなり美容面でのケアと節制を欠かさず、28なのにサラサラの髪ツルツルの肌に贅肉の一切ないブルースリーのような身体で逆に「真っ当な企業に勤める立派なサラリーマン」としては違和感のある風貌をしている。
ごっつぁん(我が家ではうたばんに倣いそう呼ばれている)は兄という1人の男の人生を変えてしまった。ノストラダムスの大予言が杞憂に終わったあの頃、兄とゴマキが渋谷の街頭ビジョンで出会わなければ兄も僕も両親も今とは違った人生を歩んでいただろう。兄の指南がなければ僕も早稲田に通えていたかどうかわからない。人としてはゴマキのいない人生の方が兄も僕もまともな人生が送れてた気がしないでもないけど。
そのように時代を彩るスター、セックスシンボルは画面越しに日本の何処かの少年少女の人生を変えてしまう力を持っている。
この春就職を迎える大学四年生の中にもあっちゃんや大島優子に会う為にマスコミを志し、勉強に励んだ子もいるのではないか。
大谷に取材がしたくて記者になる為必死に勉強してる高校生もどこかにいるだろう、自分の小説をドラマ化する際に橋本環奈に演じてもらいたくて頑張っている小説家志望の子もいるだろう。
世代的な物なのか、世代でも人によるのか、94年早生まれの僕は小学校の時に世代直撃の大スターみたいな存在がいないまま大人になってしまった。(青木宣親はいるけど、あくまで彼はローカルスター)
だから兄が未だにごっつぁんをあのように愛でられるというのが羨ましい。少年時代を照らしてくれた女神は大人になっても辛い時勇気と元気を与えてくれる存在なのだろう。だから簡単に嫌いになったり叩いたり出来ない。故にみんなゴマキを擁護するのだ。
というわけでごっつぁんの早期復帰、待ってます。もし叶うならこの記事が本人に届きますように。
うたばんの特番やんねぇかなぁ。
そしてかつて僕らがごっつぁんにもらった素敵な歌詞を今彼女に返したい。

人生って素晴らしい
ほらいつもと
同じ道だってなんか見つけよう

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