見出し画像

FIREケアラー

FIRE(Financial Independence, Retire Early)と言う言葉がある。FIREとは若くして資産を作ってリタイアする自由な生活のことだという。たまたま話していた人の弟がそんな生活らしい。現在50代だが、40代でFIRE生活に入って、偉いことにその後は両親の介護をしているらしい。ご両親もさぞかしご自慢の息子なのだろう。

FIREなのだから、自分で介護をしなくてもお金で解決することも多いと思うが、他者に頼らず出来る範囲で自分で両親の介護をしているらしい。ますます立派なことだと、無条件に尊敬してしまう。話をしていた人の弟FIREさんは今でも仕事はしていないようだが、親の介護という責任感を持って日々過ごしているので、生きがいになっているのだろう。FIREケアラーという選択肢も面白いと思った。

しかしFIREの中には、FIREになって仕事を辞めた人が再び就職活動をして仕事に戻るFIREもいるらしい。自由になり過ぎると人間は退屈になって、寂しくなり、また社会に戻ってくるという感じなのだろう。

彼らはFIREだから収入にはこだわらない、嫌な事、無理な事はしない。安月給でも構わないという強さを持っている。そのようなFIREさんには是非とも社会課題を解決するためのボランティアや、プロボノをやって欲しいものだと思う。まさに社会貢献で喜びを与え、自分の喜びも得るというものだ。

私がプロボノという言葉を知ったのは、2008年くらいだったのでかなり前の話だが、やっと最近は世の中でもプロボノという言葉が聞かれるようになってきたのは良いことである。

もちろんFIREではなく、普通の一介のサラリーマンなので、お金にも時間にも余裕はないが社会的責任感と業界倫理観で行う人々がプロボノである。そしてプロボノもボランティアなので、専門家と言えど大切なのは低姿勢で、一緒にやるメンバーとして参画して行くのが重要である。その意味では誰でもプロボノ活動はやれると思う。

話は変わるが、介護人材が大幅に不足している現在であるにも関わらず、介護福祉の専門学校が定員割れで募集終了までに追い込まれている養成機関もあるそうだ。介護の仕事でも専門家としてプロボノが出てきても良いのではないだろうか。社会で必要とされているのに養成機関に人が集まらないのは業界の崩壊に繋がる危険性がある。

プロボノは社会的な倫理観の高い人々が行う傾向にある。それだけの人だから本業でも多忙を極めている人々であるが、そんな中で時間を意識的に作ってボランティアで社会貢献を行おうと思っている方々である。少なくとも私が以前にいた業界では多く居る。その意味ではプロボノが積極的に行われているか否かで、その業界の社会的倫理性が垣間見れるのかもしれない。

ボランティアやプロボノは退職したとか暇になったから行うような活動ではなく、むしろ現役ど真ん中の忙しく脂がのっているときにこそ、その倫理性で行われる活動であるから尊くもあるし、活性化にも繋がるものであろう。

介護や福祉の業界にも、プロボノを行う人々が自立的に出て来ると良いのではないだろうか。そういえば処遇改善の功を成して、介護人材の給与は鰻登りで、ケアマネの収入を超えたとのこと。これからはその専門性を社会に還元する段階ではないだろうか。
#note   #エッセイ   #高齢者   #フリーター   #役立たず
【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?