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ホームレスの住所

ホームレスにも住所はある。
行政上の理由で、仮に住民票上の住所に居なくなり、移動届も出されておらず、行政の職権消除などで住民票上から消されてしまったとしても、その人が存在していて認識できるのであれば、行政は新しい住所で住民票を作る。

ただし行政は正確な何丁目何番地何号といった住所が必要だ。
民間での取引でも住所が必要な場合が多くあるが、その場合も特定の住所を設定する。それはそれほど明確でなくても良い。例えばそれが「代々木公園内の小屋」であっても、「山谷(台東区清川)の玉姫公園内公衆トイレ横」であっても、取引や契約でその人を特定する何処かしらの住所を設定する。これは住民票とはリンクしなくても何ら問題はない。

大昔に何かのTV番組で見たことがあるが、「駅のホームに宅配ピザを頼めるか?」というので実際にやってみたら、注文が成立して駅のホームでも、公園の池の畔でも、宅配ピザの配達は可能であった。つまり契約は成立し、実行されるのである。

私がフリーターの仕事でやっている相談業務でも、相談者の名前、生年月日、住所などを書いて貰うことになり、空白は許されない。登録者の中に、住所が代々木公園内の小屋となっている人がいたので、おっ!と思ってしまった。結果的にホームレスでもちゃんと相談に乗って貰えるということになる。

まだ出会ったことはないが、例えば記憶喪失の人がいて自分の生年月日が分からない場合は、おそらく〇年その他不詳などと設定して、手続やサービスは滞りなく行われるのだろう。

宅配弁当なども、充分にホームレスの人でも契約はできる。配達場所があり、そこに発注者がいるならそれで契約は成立するからだ。公的資料は不要で、住所に「西成区三角公園内」と書いてあっても大丈夫だろう。
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【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))

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