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独立遊軍の将テスト2「心技体」

前回の記事に続き、独立遊軍の将となるための条件とそれを見破る隠しテストについて説明していく。

前回の記事(独立遊軍の将テスト1「自力新規開拓」)では「自力で手繰り寄せた新規開拓」の大切さを述べた。
この「新規」、売上金額・数量はあまり問題ではない。
もちろんこれらの数字が大きいのは良いことではある。
しかし選抜の段階においては規模それ自体ではなくプロセスと思考回路がチェックされる。
そしてこれをめでたく達成できたする。
しかしそれで合格ではなく、独立遊軍の将にするにはまだ足りない部分がある。
今回の記事ではそれを説明していく。

幹部にしても大丈夫か?

「独立遊軍の将」は営業活動の最先端を担う幹部の一員である。
幹部扱いだからこそ、独立遊軍としての存在が許され、様々な制約から解放される。
そのため「幹部にして良いか」という部分が問われる。
これに対する隠しテストをクリアできなければ
「キミは優秀ではあるが、幹部にはできないな。ただ新規は開拓できるようだから兵隊の中で頑張ってほしい」
という程度の扱いとなり、兵隊からは脱却できない。
よってEX勤め人になれない。
そもそも自力で新規開拓を手繰り寄せることができる営業マンは10人に1人くらいだ。その10%の実力があるのに、他の部分が足りないばかりに兵隊から抜け出ることができない人がその中で半数ほど居る。
とても勿体無いことである。しかし実際に居る。
そう考えるとEX勤め人ルートに入れるのは20人に1人ほどであろう。

狭き門なのか?

20人に1人。
これは一見すると上位5%という相対評価に見える。椅子が少ない、狭き門と見えるが、実態はそうではない。
厳しい水準に達することができる人が少ないから、結果として狭き門になってしまっている。
実は相対評価ではなく絶対評価なのだ。
※兵隊の隊長(=普通の部長)の椅子は、相対評価である。
経営者の側からしたら、優秀な将は多ければ多いほど良い。
有能な大将軍がいて、彼にその担当方面の戦いを安心して任せることができたなら、君主は新たな戦場を探せる。背後を気にせず新たな戦場に全力で取り組んでいくことができる。
取締役(大将軍)の席は、実は増やそうと思えば増やせる。
事業部制にしたり、特別な部や課、室を増やすなど、組織編成はいくらでもできる。部署ごと分離して新たな会社にすることだってできる。
ただそれに見合う人材(大将軍)が少ないから、結果として椅子の数が増えないように見える。

話を戻そう。
数多くの新規を開拓して、数字も抜群の営業部エースの先輩。
しかしなぜ平社員のままなのか。
こういった事例を見た人もいると思う。この人は昇進こそしないがプロフェッショナル的な営業マンとして定年まで活躍できる。
それは実力があるからだ。
一匹狼的な働き方が許される。
この働き方になればマイクロマネジメントはされないので、悪い働き方ではないかもしれない。
とはいえ兵隊に組み込まれているので割り振られる「雑魚狩り」と「低賃金」からは免れられない。
特に「雑魚狩り」をさせられると時間を食われるので、ここからは脱したいところだ。

幹部になるために必要な要件

幹部になるために必要な条件や資質について列挙していく。

大きくステージは3つに分かれる。
ステージ1:個人技として「心技体」
ステージ2:組織人としての「将器」
ステージ3:君主とのシンクロ率「忠」

この3ステージを合算して得られるスコアが一定以上の者は幹部への道が開かれる。順に説明していこう。

隠しテスト2

個人技としての心技体
まずステージ1は、その人がひとりのビジネスマンとして優秀かどうかの指標である。これを心技体の3分野に分ける。

「心」

まず「心」は「モラル」と「モラール」で構成される。
モラルとは、いわゆる規範意識、コンプライアンスのことだ。
幹部には様々な不正への誘惑がつきまとう。会社のお金を横領したり、不正な取引に手を出した企業幹部のニュースは度々取り上げられるが、こういうことがあっては大変だ。
そのため幹部には高いモラルが求められる。

続いて「モラール」だが、これは先述の「モラル」と響きは似ているが、異なる。
モラールとは、

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