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飲み過ぎ食べ過ぎからの~胸やけ!~薬剤師が本音でオススメする市販薬㉒

暮れも押しせまり今年もあと残すところ数日。
今年からは忘年会・新年会が開催される機会も増えているのではないでしょうか。
もうすぐクリスマス。お正月もあるし、新年会はどういうプラン?
飲食機会の増えるシーズンです。
いい感じでお酒を楽しむ時間を過ごしたいものですが、ついつい・・
飲み過ぎ食べ過ぎ、そうなるとつらいのが胸やけ。
今回は「胸やけ」にオススメの市販薬を薬剤師さんにセレクトして頂きました。
では、どうぞ!

◎今回推薦してくれた5名の薬剤師(小豆田くら子/宇野さらら/日陰ましう/ふらんすぴあの/ゆきつばめ ※五十音順)


第一三共胃腸薬プラス(第一三共ヘルスケア)

脂肪を分解する「リパーゼAP12」と、タンパク質・糖質を分解する「タカヂアスターゼN1」の働きにより胃にたまった食物の消化を助け、「6つの健胃成分」が弱った胃の働きを高め、植物性乳酸菌「ラクボン」が、腸内環境を改善し、腸の状態を正常に近づける。胸焼け以外に、食べ過ぎ、飲みすぎ、消化不良、吐き気、軟便、便秘などの効能も。細粒と錠剤があり、細粒は3歳以上、錠剤は11歳以上、1日3回食後服用、調子が悪い時のみの服用も可。(税込価格)細粒12包990円、30包1,980円、48包2,640円、錠剤50錠990円、180錠1,980円、270錠2,640円

胸やけで使われるOTC薬として有名なものに、同じ第一三共ヘルスケアのガスター10も挙げられますが、元々薬剤師に馴染みの深い薬である事も考慮し、違う観点から今回は第一三共胃腸薬プラスを挙げてみました。商品のリニューアルもあり、現在の第一三共胃腸薬および第一三共胃腸薬プラスにはロートエキスが入っておらず、妊婦授乳婦でも使用可能な薬剤となりました。細粒は3歳以上、錠剤は11歳以上での服用が可能なため、家庭の常備薬としても置いておく事ができます。
(ゆきつばめ)

(※錠剤をオススメ)2種類の消化酵素に加えて健胃成分も配合されているため、食べ過ぎ・飲み過ぎによって弱った胃に効果的に作用します。複数の生薬成分が配合されていますが、錠剤タイプは飲みやすいのもおすすめポイントです。また、植物性乳酸菌「ラクボン」が、腸内環境を改善し、胃だけでなく腸にも効果があります。
(小豆田くら子)

スクラートG(ライオン)

主成分のスクラルファートが胃粘膜を保護することで症状を抑えます。今回お勧めしているのは液体タイプでどこでも気になるときに飲めること。症状として胃酸が逆流するような強い胸やけがある方には良いと思います。12包入り¥2,000(税込み)6包入りもあります。
(宇野さらら)

太田胃散チュアブルNEO(太田胃散)

抗コリン成分を含まず、制酸成分と消泡成分のみで構成。レモンライム味のチュアブル錠で、胃腸薬特有の生薬成分の味がせず、水なしですぐ服用できる。
(ふらんすぴあの)

ガスター10(第一三共ヘルスケア)

医療用でも使われる成分で、錠剤、口腔内崩壊錠、散剤があるのが特徴。
それぞれ6回分、12回分があり症状があるときにだけ飲む薬なので毎日飲むわけではない。
1日最大2回まで服用可能。
散剤はメントールが入っており、飲んだあとスッキリするのでオススメ。80歳以上は服用できないので注意。
(日陰ましう)

胸やけでお困りのかたへのアドバイス

薬以外での胸焼け対応方法としては、刺激物を食べない、空腹での飲酒は避ける、就寝2時間前には食事を済ませる、食べてすぐ横にならない、喫煙習慣があれば禁煙、ストレスを溜めない、適度な運動をする、衣類で身体を締め付けない、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かってリラックスする、などの方法も良いでしょう。
(ゆきつばめ)

胸やけの原因は、暴飲暴食、喫煙、刺激物や脂肪分などの多い食事、過度のストレス、肥満など様々なものがあります。胸やけを予防するために、規則正しい生活、バランスの取れた食事をこころがけることも大切です。
市販薬を一定期間服用しても症状が改善しない場合には、逆流性食道炎や消化性潰瘍など病気が潜んでいる可能性もありますので、受診するようにしてください。
(小豆田くら子)

お酒の飲みすぎや食べ過ぎなどで一時的に胸やけの症状が出る場合はあまり心配はいりません。その場合は、胃を休めたり、休息を取ることでよくなる場合が多いです。過剰なストレスなどで胃酸が逆流するような胸やけを起こしている場合は、薬でよくなる場合を除いて専門医を受診した方がよいでしょう。
(宇野さらら)

早食いは空気を一緒に飲み込んでしまうため、胃の内圧が上がって胃酸の逆流が起きやすくなります。美味しいものを目の前にしても、よく噛んでゆっくり食べる習慣は忘れないようにしましょう
(ふらんすぴあの)

揚げ物や、脂肪分、糖分が多すぎる食品を避けるほうがよい。
(日陰ましう)

監修者コメント

「抗コリン成分を含まず」と複数の薬剤師が書いています。
ロートエキスなどの抗コリン成分は、使用により目のかすみや異常なまぶしさなどが起こることがあります。また、排尿困難の症状のある人、うっ血性心不全、不整脈、緑内障、前立腺肥大、麻痺性イレウス、潰瘍性大腸炎、甲状腺機能亢進症の人、妊娠中または授乳中の人は、使用前に薬剤師に相談することをお勧めします。

<本稿の監修>
坂口眞弓
博士(薬学)。みどり薬局、みすじ薬局、ゆうま薬局代表(東京都台東区)著書に「ここが知りたかったOTC医薬品の選び方と勧め方(南江堂)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」など多数。