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今話題のワーケーションの本当の価値とは

 ワーケーション(ワークとバケーションを組み合わせた造語)というワードが最近話題になっています。JTB総研のコラムでは、ワーケーションは「従業員が本人の意思において雇用主の承認のもとに、通常指定された勤務先や自宅以外の場所でテレワーク等を活用して仕事と休暇を平行して行うことができる制度」と言うことができる、とその定義について語っています。

ワーケーションは個人と企業のスタイルが存在する。

 私の考えとしては、JTB総研のコラムのように個人がその意志において仕事と休暇をバランス良く取るワーケーションスタイルと企業のチームメンバーが研修として利用するワーケーションスタイルが存在すると思っています。

 前者の個人でのワーケーションの場合、その一番の目的はストレスを発散し生産性を高めることであると考えており、後者の企業研修型のワーケーションの場合は、チームの目的を明確にし、チームの結束力を高めることがワーケーションを実施する意義であると捉えています。

個人でのワーケーションの価値はストレス発散と生産性の向上。

 ではまず個人でのワーケーションの場合を考えてみましょう。日常のストレスってどんなものがあるのでしょうか? わかり易い例で言えば、お客さんとのトラブルであったり、プロジェクトの進行がうまくいかない、人間関係がギクシャクしている、満員電車にうんざりしているなど仕事にまつわる理由が主な原因だと思いますが、花粉症なども一種のストレスですし、コロナとか、インフルエンザとか、タイムリーな感染症も気になります。

 例えば仕事で抱えるストレスが多い場合は、普段の環境を変えて仕事をしてみることで一種のストレス発散になりますよね。ノマドワーカーのようにカフェやコワーキングスペースで働くことでストレスと感じていた会社のルールや人間関係、通勤時間などから開放されます。また、花粉症や感染症など季節に関係するものがストレスと感じる場合は、花粉の影響のない避粉地と呼ばれるエリア(海外や花粉症のもとになる植物が存在しない北海道・沖縄、花粉が飛び始めていない地域など)で一時的に生活したり、多くの人と接触しないで済むような田舎で生活することで感染症を防ぐこともできます。

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 ストレスを減らすことで自然と生産性は上がるので、これだけでも十分効果はありそうですが、さらに生産性を高める上で、環境の心地よさであったり、気分が上がるようなことをすることも効果的です。そのために、美しい自然を見渡せるロケーションであったり、アロマやマッサージ、温泉など、リラックスできて心地よい環境に浸ることがさらなる生産性を高める要素だと思うのです。

 気分が良くなるとエネルギーも満ちてきて、新しいことに挑戦したり、短時間に集中して何かを仕上げたりということができてくるようになるので、仕事に対するモチベーションも自ずと上がってくるわけですね。

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企業としてのワーケーションの価値は考え方の可視化と結束力の強化。

 一方、企業研修としてのワーケーションはチーム間の課題であったり、プロジェクトに対する考え方を可視化することが重要になると思います。それによって個々が考えているギャップも見えてきますし、そのギャップを埋めるだけでなく、個々の考えによって役割を変えることもできますよね。

 面白い例で言うと、経営者と従業員、チームリーダーとメンバーで企業内に対する課題を可視化してみると、立場が違うので考え方がそもそも違ったりするんです。経営者やチームリーダーは会社の成長であったり、プロジェクトの成功というものを目標として据えているんですが、従業員やメンバーは社内環境の整備を期待していたり、自分の役割を全うすることが目標だったりするんですよね。

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 そうやって可視化することによって、お互いの考えにギャップがあることに気づくので、そのギャップを調整したり業務や役割を変えてあげることで、全体的な目標や目的をひとつにできる。これが企業やチームといった組織では成果を得るための重要なファクターであると思います。

 そして企業研修のワーケーションで一番効果を発揮するのが、チームビルディングのプログラムです。参加者同士で協力しないと勝てないゲームや、心理を読み解かないと勝てないゲームなどがあるので、単純に結束力が高まるだけでなく、誰が普段どんなことを考えているのか、どんな性格なのか、心理的に追い込まれたらどういう態度になるのか、その人自身を知ることができ、実際に業務を進めていく上でどういうコミュニケーションが必要か理解することができます。

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ワーケーションの価値を感じるイベントを蓼科で開催。

 今まで、個人や企業でどういったことがワーケーションの効果として得られるかを説明してきましたが、先日、これらを網羅するワーケーションイベントを開催しました。

 場所は八ヶ岳の麓、蓼科湖畔に建つ HYTTER LODGE & CABINS (ヒュッター ロッジ&キャビンズ)という宿泊施設。個人向け、企業向け、双方の良さを体験してワーケーションの価値を感じてもらおうというもの。

 個人向けプログラムとしては、環境を変えて作業をするということはもとより、ヨガ、ヘッドスパ、温泉、サウナなど、とにかくストレスを開放するリラクゼーションやトリートメントのプログラムを充実させました。

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 一方企業向けの体験としては、課題や目的を可視化するためのプ譜*、デザイン思考ビジネス設計などチーム感での目的意識の向上を促すワークショップを中心に、チームの結束力を高めるカードゲームなどチームビルディングのプログラムを提供しました。

* 音楽に楽譜があるようにプロジェクトにも譜面をというコンセプトから成り立つ思考やプロジェクトの可視・構造化技術

 今回のプログラムはあくまでも体験型のプログラムでしたが、参加者の満足度も高く、ワーケーションの価値を感じていただくには十分な内容だと思います。

 今後も同様の体験イベント、企業研修といったワーケーションを企画していきますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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