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一流シェフを自宅に呼べる時代が来る? 〜ニューノーマル時代の革命を起こす可能性を考える〜

 先日、イギリスのテック系企業 Moley Robotics(モーレイロボティクス)という会社が開発した Moley Kitchen(モーレイキッチン)というお掃除ロボットならぬお料理ロボット(自動調理ロボット)の記事を目にしました。

 この自動調理ロボットは人間と同じ形状の腕二本がキッチンの上部から吊り下げられていて、料理はもちろん、料理前後の汚れまで拭き取ってくれるスグレモノ。また、レシピも当初30種類だったものを5,000種類くらいに増やす予定のようです。Moley Robotics としては、この技術を健康管理等に活用したいとのこと。

 と、ここまで聞くと「便利そう」という発想で終わってしまうと思うのですが、私が着目したのが、レシピのシェアリング機能です。

 このロボットはユーザーがレシピをシェアできるようなので、今までクックパッドなどレシピ共有サイトのレシピを見ながらなんとなくこんな感じ?と正解かどうか不安なまま料理していたものが、全く同じ味や見た目として他の人と共有できるようになるのではないでしょうか。

 これってビジネスを大きく変えると思うんですよね。しかもこのニューノーマル時代にぴったりのビジネスに生まれ変わる気がしています。

 例えば、先程例に上げたクックパッドなどのレシピ共有サイトはレシピを見るのは無料、ダウンロードは有料といったようなビジネスが考えられます。また、レストランとしてもテイクアウトではなく、店と同じ味をレシピとして共有し、有料ダウンロード販売ができるようになると思うんです。

 こうなってくると、オンラインで家族や友人とつなぎながら、「今日は三ツ星イタリアンレストランの料理を一緒に食べよう」なんてことができてくるわけです。気になる食材もレストランが指定する業者からデリバリーできるしくみを取り入れたりすることでパッケージ化も可能だと思いますので、Amazon Fresh などの生鮮品デリバリーが増えるだけでなく、食材を Uber Eats でオーダーする時代も来るやもしれません。

 現状は、335,000ドル(約3500万)というスーパーカー並みの価格ですが、Moley Robotics も価格を引き下げる意思があるようですので、量産化できれば国産自動車くらいの価格になってくるのではないかと思います。それでもまだ一般化するには道のりが長いと思われますが、普及のためにぜひやって欲しいのは健康食品やダイエット業者とのタイアップです。

 例えば、毎日健康維持に必要な食材とレシピの提供をする代わりに導入費用を分割するような方法です。今でいうとスマホの購入代金が月々の利用料に含まれるのと同じイメージですね。他にも良いアイデアはたくさんあると思うのですが、こういった徐々にでもハードルを下げていくことが普及を進める一歩になってくると思います。

最後に

 昔から「料理は愛情」と言われていて、多くの方がこのようなしくみはなんとなく味気なく感じてしまうかもしれませんよね。こういったものが普及してしまうと「おふくろの味」の本当の意味もそのうち消えてしまうでしょう。ですが、洗濯を手でしていた時代もあり、おふくろに苦労をさせたくないと洗濯機を買ってあげた時代もあったと思います。それと同じで夫婦で料理をどちらがするかで揉めるくらいなら、ロボットを導入して家族と話をする時間を増やしたほうが良いと考える人も増えているのではないでしょうか。テクノロジーはあくまで手段のひとつなので、本質を曲げてでも導入する必要はありません。大事なのは「何が自分の人生にとって大切か」、そのお手伝いをしてくれるのがテクノロジーだと私は考えています。

Photo by Jason Briscoe on Unsplash

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