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初めての同人イベントは、売り上げゼロだった

初めてイベントに出た日のことに興味を持ってくださった方がいたので!長くてすみませんが懐かしみを込めて振り返ってみました。

ちなみに、画像のような焼肉をアフターで食べられるようになったのはイベント参加を数年くらいしてからのことです。


初めてのイベントは、まだ同人誌印刷が高価であり、
代わりに「同人グッズ」と呼ばれる紙製のグッズが栄えていた時代に参加しました。
私も例に漏れず、その紙製のグッズをこさえてイベントに参加しました。

まだ制服のスカートを翻していた時代です。

当時流行していた時代物ゲームの二次創作(あとサブで週刊少年漫画作品も)の紙製の同人グッズを友人と作り参加しました。

インテックス大阪の夏のイベント(いわゆる夏インテ)でした。
グッズ系で参加する人は、ある程度絵柄が確立していないと厳しいスペースだということを熟慮できなかった私は(とういうか全く知らなかった)、いつも会っている友人といつもと違う場所で(会議机とパイプ椅子 笑)駄弁っているだけで何が起きるわけでも無くイベントは終わりました。

イベントに行く前はドキドキ、ちょっと楽しみ…という感じでした。
今思えば、「いやなぜ売れると思った!?!?!」という気持ちでしかないのですが…笑
いや本当、どうして「何がしかは売れるじゃろ〜」とか思ったんだろう…無鉄砲ってすごい。そしてその結果、"何も売れなかった"のです!(当然では?)
売れなかった虚しさよりも”実力不足”と”今の自分に不相応な場所”ということの気づきの方が大きく、「次からは参加費が6000円(当時)を超えるイベントに出るときはBL同人誌を描きあげてからだ!」と反省したのを鮮明に覚えています。

そこからは、地域の小さなイベント(おでライとか、コミワとかコミコンとかそういう類のもの)に参加していきました。消費者層の違いからか、お小遣い程度で買える紙製グッズはこちらではチラチラ売れるようになりました。
そこでようやくコピー本を作ろうと思い立って漫画を描き出しました。

漫画を描くと一言に言っても、
私は幼少期にペン先で描く遊びをしていた程度だったので、まずは鉛筆書きのコピー本からスタート。鉛筆ならコンビニコピー機の地図モードで印刷すれば、それなりに綺麗に出るしそれでいいでしょ!と安易な発想でスタートし、16pくらいの短い漫画ができました。普通のB5のコピー用紙に描いてコンビニで印刷しました。

余談ですが、
凝り性なところがあるので、片綴じコピー本だとホッチキス部分が丸見えなことが気に入らず、本文のみを片綴じで作成して、その上から両面テープを貼って表紙をくるんで製本していました。さらにPPと呼ばれる同人誌表紙の加工に似せたくてわざわざOPP袋(透明の袋)に入れて頒布していました。
こういう凝った装丁を自由に行えるのもコピー本の魅力だなぁと感じながら、楽しく地域イベント参加を繰り返していました。

頭が悪いので中綴じコピーの面つけができず、片綴じです。笑


その後、順々に友人と合同誌で初めてオフセット同人誌を作ったり、冬コミで委託してもらうことになり(そこで150部と言われ手製本を諦めて)オフセット個人誌を初めて出す…といった具合で、初めは8冊(10冊のつもりで印刷したのに失敗したので8冊になってしまった)の同人誌からスタートし、今でもありがたいことにこうして見てくださる方がいます。


同人活動の開始時期は人によってさまざまで、年齢に縛られず自由に創作活動を行えるのも同人の魅力だと思っています。
二次創作であれば既にファンの中で同じ土台が構築されているので交流も比較的行いやすく、賑やかで楽しいところだと思います。


苦しかったことは昨今話題の同人女子漫画に通ずるところがあり、私も共感を寄せている読書のひとりです。なにかを創ることは、とてつもないエネルギーが必要なので非常に疲れます。モンエナ飲みまくってました(今はやめています)

でも、イベントに出た瞬間の「同じ作品を好きな人たちがこんなにもいる!そして自分もその愛を本にしてこの場を共有できる!」という強烈な熱風にあてられてしまい、疲労や苦痛は消し飛び楽しみ尽くしてしまう…!!
(寿命の前借りをしすぎて多分5年くらいは寿命が縮んでいると思う)

楽しいんだよな〜イベント……。
時には疲れすぎて、ビッグサイトの下のスタバで2時間以上死んだ日や
徹夜明けで参加した大阪のイベントの帰りに寄った海遊館の、隅っこにあるアシナガカニの水槽の前の椅子で友人と座ったままガチ寝してしまったり
アフターで行った店がうさんくさすぎてどうしよう!?とフォロワーと困惑した歌舞伎町の夜だったり、時にはオフ会の4次会明けに橋桁の下で寝てたり…。
人生のヘンテコエピソードも同人活動の中で結構生まれた気がします。

あ、イベントでは学生時代の友人が色々とスペースに来てくれるので毎年大阪の大イベントはプチ同窓会状態です。オタク最高ーー!


本が売れないことよりも、
あの素敵な作家さんも、この尊敬している作家さんも本を出している同じ空間で自分も本を頒布している。その空気に同席できるだけでいつだって気持ちは新鮮で嬉しくなります。

なので、売れているスペースを妬ましく思うよりは、
「あの人は自分の時間をたくさん注いで頑張って自分の気持ちを形にしたんだなぁ」と素直に尊敬しています。本当にすごい!
私はいつも締め切りデスレースのケツカッチンなので……!!
フォロワーや皆さん、ちゃんと人間をしていてとても偉い!!


本を出す勇気がない。
本を出しても誰も見てもらえない。

きっと誰もが思うことだと思うのですが、
まずはやってみる、ファンがいないなら周りをよく見て、どうすれば良くなっていくのかを思案(時には画策)して行けばいつか楽しさに変わっていくのでは、と思います。
その点、コピー本は安価で部数の調整もしやすく凝って作れるので楽しめますよ!(今はオンデマンド印刷で作る同人誌も1部から作れて安価で楽しめるのでこっちの方がいいかも)

同人活動のハードルを下げるポイントは、一歩を一歩と構えすぎないことだと思います。

私はハードルとかは特に感じず、「へ〜!あれってお金払えば出られるんだ!フリマ的な?出てみよ〜!」という感じでした。まさかこんなに長い間この趣味を続けることになるとは…笑

今は当時と違い情報発信が安易になったので、交流の入り口としてはワンドロやワンライなどで見てもらえる場を増やしていくのも有効かな?と感じます。

マロ主さん、こんな奴にお優しい言葉をありがとうございました。
同人活動は正直苦しいことだと思うのですが、それをはるかに凌駕する楽しい体験が待っているのでその楽しさが一片でも伝われば幸いです。

コロナ禍でイベントなどもなかなか思うように参加ができない日々が続いていますが、いつかまたあの楽しいシャブ…もとい、空気を吸える日を心待ちにしています。

長ったらしい拙筆にお付き合いくださりありがとうございました!


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