見出し画像

ぼっち旅2019 〜11.本物の持つ凄み〜

既に年を跨ぎ3月が目前に迫ってまいりましたが、あれ?昨年の旅の記憶とか忘れちゃったらもったいない、と思ったことからまとめて記録として残すことにしました。ただ人に読んでほしいというよりは自身の備忘の観点が多くなるのはご容赦ください。

ワシントンNo.1スポットはここでした

国立航空宇宙博物館を跡にした私が徒歩でナショナルモールを縦断してたどり着いた先は、NEWSEUM(ニュージアム)、その名の通りNEWSに特化した博物館です。

画像1

壁に書かれているのは、合衆国憲法修正第1条、平たく言えば思想・表現の自由を守る条文です。

画像2

まずはソ連崩壊をテーマにしたコーナーです。

画像3

ベルリンの壁の実物、はじめて見ましたが、思ったより薄いんですね。

画像4

こんな壁がベルリン市内に建てられ、人々を分断していたのが1989年、まだ30年前という最近の話だなんて信じられませんね。30年前を最近と感じてしまうほど歳をとってしまったのかと思うとそれも切ないですが。

(注:Kikoはまだ20代です)

画像5

ソ連崩壊時にゴルバチョフがサインに使用したペンもありました。彼もまだ88歳ですよ、明日(3月2日)で89歳みたいです、お誕生日おめでとうございます。

画像6

倒されたレーニン像、その政治権力を象徴する石像が倒されるのは、ひとつの帝国滅亡を意味する、といった感じでしょうか。

画像7

次にFBIの活動に焦点を当てた展示コーナーへ。タイムズスクエアの爆破未遂事件、日本人には馴染みがありませんが、2010年にあったようです。

画像8

こちらは9/11同時多発テロの際に使用された旅客機のエンジンのパーツでしたかね。

画像9

倒壊した世界貿易センタービルの先端部、思いがけずこの片割れを後に見ることになるとはこの時はつゆ知らず。

画像10

同時多発テロを報じる各国の新聞。

2001年9月11日、私がアメリカに行く前の年。遠い日本でも、幼い身ながら悲惨なことが起きたことはわかりましたし、そんな国に行くのかと怯えて過ごしたものです。

この事件からはまだ20年も経ってないんです。この件についてはまた次なる目的地でもさらに勉強していきます。

新聞は次の世代へ送る史料

少ししんみりとしたあとにたどり着いた、どことなく図書館のような空間、“News History Gallery”。こちらは新聞、ニュースの歴史を実物で表現するすごい企画、歴史好きとしては見逃せません。

画像11

宗教革命で有名なマルティン・ルターを風刺した宗教冊子。「七つの首を持つルター」として揶揄するその絵は、500年経った今でもどこか滑稽です。

画像12

16世記のフランスでおこった、カトリックとプロテスタントの宗教内戦、ユグノー戦争。その中でも特徴的な事件である、サン・バルテルミの虐殺の様子を市民に伝える書面です。高校時代に世界史で勉強した内容ですが、当時のこういった実物を見ると身近に感じられますね。

画像13

1588年、英西戦争中、スペインの無敵艦隊と評されたアルマダをイギリス・オランダの連合軍が破ったかの有名な海戦です。世界一周を成し遂げたドレークも参加したことで有名ですね。一つ面白いのがこちらの記事はドイツで制作され、ラテン語とドイツ語を併記されているということです。活版印刷がグーテンベルグによって15世紀にドイツで発明され、宗教的側面で広がったことは有名ですが、16世紀になっても印刷の世界ではドイツがトップランナーだったのでしょう。

画像14

そんなドイツを中心として1618年から始まった三十年戦争、こちらはプロテスタントとカトリックの戦争に終止符を打った、ウェストファリア条約で幕を閉じることで有名ですね。この記事は、ハプスブルク家のフェルディナンド2世によってベーメンのリーダー27人が処刑されたことを報じています。写真を見ると、この時代はまだフランス革命時に使用されていたギロチンはなく、剣や斧で直接手を下していたようですね。

画像15

大西洋を渡ってお隣のアメリカ大陸では、アメリカとイギリスの対立が激化し、有名なボストン茶会事件が勃発しましたね。ちなみに同じく1774年には江戸時代の日本で杉田玄白、前田良沢らによって「解体新書」が刊行されてます。

画像16

次の年、アメリカ独立戦争が勃発、それをイギリスのロンドン・ガゼット(日本でいう官報)が報じています。情報が海を渡るのに時間がかかるのか、火蓋を切った6週間後に報じられてるので、戦況はだいぶ進んでしまってるはずですが(しかもイギリス側の敗北)、『今の私たちの見えてる空の星の内何個かは既になくなってしまってるのよ』というのと同じような話ですね。

画像17

時代は少し飛んで、100年ちょっと前に起こったタイタニック号の沈没事件。だいぶ今の新聞に体裁が近くなってきましたし、生存者のリストが載せられるなど、かなり新聞としての機能面を整ってきているようです。沈没にウィルス蔓延、大型船は怖いです。

画像18

第一次世界大戦勃発、サラエボ事件ですね。オーストラリア皇太子と皇太子妃の画像(写真?絵?)は大きく表示されてますが、気になるのが、意外と一面のうちにそのニュースが占めるスペースが小さく、中央下段なんかには天気予報が載っていたり、その右にはフィラデルフィアで2名が心臓発作により水中で死亡といった一般ニュースも紛れています。アメリカ人から見たらヨーロッパでの戦争勃発は対岸の火事みたいです。

画像19

こちらは真珠湾攻撃を報じるホノルルの新聞ですが、第一次大戦のものとは打って変わって大々的な報道です。一説では国民の戦争意欲を高めるために国がマスコミをコントロールしてという話もあるとかないとか。死亡・負傷者のリストが載っていたり、学校が休校になったり、意外と気になったのは同日に日本軍がマニラを攻撃しているとのことですね、日本人の私も初耳です。調べてみると開戦と同時に同じく米軍の拠点であるフィリピンに攻撃を仕掛けていたようです。

画像20

そして核兵器の使用に関するこちらの記事、その破壊力から、アメリカの高官の間でも躊躇する声があがっていたとのことです。まあいろいろな意見があるとは思いますが、結局はタイミングの問題かもしれません。ifの話をしてもあまり意味はありませんが、もし日本に落ちていなかったら別のどこかには落ちてたのでしょう。

画像21

ちょうど最近広島を訪れることがあったのですが、忘れないことが重要です。

画像22

忘れないと言えばこちらも。

画像23

これはほんとにリアルタイムで見たものですね。

画像24

NEWSEUM、夢中で回ってしまいました。

いろいろな気持ちが膨らむ空間、入場料はワシントンにしては珍しくかかり、二日間入場できて26.45ドルでした。

画像25

ただ残念なことになんと、このNEWSEUM、2019年の年末で閉館してしまったのです。

現在は移動展示の形を取り、次にオープンする地を検討中とのこと、日本でもぜひやってもらいたいものです。

画像26

まだまだ1日は終わりません!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?