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NEWS「2023年の展望〜諸外国編」

l  中国

 先日、習近平総書記が異例の3期目続投が決定し、最高指導部(チャイナセブン)が習総書記の再側近で固められたことは周知である。これにより意思決定が以前よりもスムーズになり習総書記の意向を最大限反映させた政策が実行されるだろう。その中でもホットの話題として考えられるのは台湾情勢であろう。
 アメリカが台湾に対する関与を深めれば深めるほど、中国の不快感は増長していく。ペロシ下院議長が台湾を訪問したのを機に台湾周辺で中国は大規模な軍事演習を実行した。日本のEEZ内にもミサイルが着弾し日中の緊張感が一気に増した。戦争が起こりやすい時期として国内が不安定な時が多い。国内では習総書記の政策に対して不満を抱いている人が多くなっている。この不満を解消するために台湾侵攻を行う可能性が高まる。勿論これは来年の可能性ではないが、遠くない将来の可能性は憂慮するに値する。

l  アメリカ

アメリカは先月、中間選挙を終えて下院が共和党で上院は民主党がとり事実上引き分けで終焉した。バイデン大統領にとっては恐らく望外の結果であろう。選挙以前のバイデン大統領の評判は芳しくなかったが、選挙後は一部世論調査で持ち直しの傾向も見られた。しかし、ねじれ状態に陥った事実は変わりない。レームダック状態は避けられたものの今後2年間は厳しい政権運営になると予想される。
 アメリカの最大の焦点はインフレがいつ治るかにある。この点に関しては、最近のCPIを見る限り下落傾向にある。さらにFRBによる前代未聞の利上げやQT(量的引き締め)によりインフレの沈静化よりもむしろ不況が訪れるのではないかという観測がアナリストの大勢になりつつある。

l  ロシア・ウクライナ

2022年の2月24日に突如ロシアがウクライナに侵攻して始まった戦争はまもなく一年を迎える。当初は、ロシアが一気にウクライナを攻め落とすと想定されていたが、NATOを中心とした支援により一進一退の攻防を繰り返し最近ではウクライナが優勢な状況が生まれている。ゼレンスキー大統領はプーチン大統領を交渉相手として見ておらず、この戦争は長期化の様相を呈している。プーチン大統領としても、仮に敗戦となれば自身の権力基盤を揺るがす事態であり引くに引けない状態である。
 この戦争は表面上ウクライナ対ロシアであるが、事実上NATO対ロシアとなっている。プーチン大統領の認識が今以上に歪めばこの戦争は一線を超えてしまう。そして、そうなってしまった時アメリカは自国の軍事資源をどこに割くのか?太平洋が手薄になった時、中国は動くのか?この戦争の終結を終結させる方法を間違えれば最悪の事態も想定しなければいけなくなる。

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