見出し画像

1冊まるごと木原音瀬のムック本!『ergo』ってなに?

この記事では、BLコミック雑誌『ergo』について紹介していきます。

『ergo』とは、蒼竜社から出版されているムック本で、木原音瀬先生がホリーノベルズから出した小説を漫画化したものを全5巻にわたって収録しています。

その他にも書き下ろし小説や寄稿イラストも満載。

今回はそんな『ergo』の魅力に詳しく迫っていきます。


『ergo』は全5巻

『ergo』は全部で5巻あります。

木原音瀬作品ばかりを集めた雑誌のようなもので、5巻で完結する小説のコミカライズが5編入っています。

そのため、5巻まとめ買いして一気読みがオススメ。

5巻全て、表紙は『箱の中』『檻の外』の喜多川と堂野です。

収録作品はこちら。

  • 「ROSE GARDEN」作画/禾田みちる

  • 「さようなら、と君は手を振った」 作画/深井結巳

  • 「The end of you」~あいの、うた~ 作画/宮本佳野

  • 「恋について」作画/大竹とも

  • 「リベット」その後~オリジナルストーリー!~ 作画/天野瑰

  • 「12hours」木原音瀬書き下ろし新連載

  • 「はしやすめ寸劇」草間さかえ from『箱の中』『檻の外』

さらに5巻には、日高ショーコ先生による『美しいこと』のショート漫画も収録されています。

「ROSE GARDEN」作画/禾田みちる

ここからは、それぞれの作品を詳しく紹介していきます。

「ROSE GARDEN」は、悪魔×天使という禁断の関係を描いた作品です。

原作はかなりファンタジー色の強い物語なんですが、禾田みちる先生の少女漫画チックな絵柄が世界観にぴったりで、この2人の恋を描けるのは禾田先生しかいない!と思いました。

小説の方は2巻構成になっていて、コミカライズされていないストーリーもあります。

これがまた最高なので、漫画だけでなく小説もぜひ読んでみてくださいね。

kindleでは、2巻をまとめて1冊にした完全版も配信されているので、電子書籍派の人はこちらもチェックしてみてください。

「さようなら、と君は手を振った」 作画/深井結巳

都会っ子の誠一と田舎から出てきた啓介の従兄弟同士の恋を描いた「さようなら、と君は手を振った」は、切なくて悲しい物語です。

漫画では2人のその後を匂わせる終わり方になっていますが、原作小説ではその後もしっかり描かれています。

こちらもkindleで完全版が配信されています。

「The end of you」~あいの、うた~ 作画/宮本佳野

「The end of you」は、『あいの、うた』という本に収録されている作品で、表題作とは違うカップルの話になっています。

「あいの、うた」で登場した小菅の職場の上司にあたる田頭が主人公で、友達の弟との恋模様を描いています。

年下×年上、バーテンダー×落ちぶれたミュージシャン、関西弁攻めなどが好きな人にはグサグサ刺さるストーリーだと思います。

原作小説では2人のその後が読めます。

表題作の「あいのうた」も名作です。

「恋について」作画/大竹とも

「恋について」は、ウェディングプランナーと元お客様のピュアな恋を描いたサラリーマンもの。

ノンケ同士が、友人から恋人になっていく様子にキュンキュンドキドキ必至です。

お仕事小説としてもおもしろいので、ウェディング業界に興味がある人はさらに楽しめると思います。

漫画『恋について』は、2023年5月に単行本も発売されました。

また、コミカライズの作画を担当した大竹とも先生は、原作小説にも4ページの漫画を描き下ろしています。

「リベット」その後~オリジナルストーリー!~ 作画/天野瑰

「リベット」は、唯一コミカライズではなく原作小説のその後を描いたオリジナルストーリーになっています。

そのため、先に小説を読んだ方が楽しめるのは間違いありません。

後輩教師×先輩教師の切なくて美しいラブストーリーです。

「12hours」木原音瀬書き下ろし連載

『ergo』のすごいところは、なんといっても木原先生の書き下ろし連載が読めることです。

これは他では読めません。

とある総合病院を舞台に、夜勤の12時間で起こる恋模様を描いています。

5話全て主人公が違っていて、みんな違う科の医者というのがおもしろいんです。

ラブシーンあり、複雑な人間関係ありのドタバタ劇です。

今のところ単行本化などはされていないみたいなので、「12hours」が読めるのは『ergo』だけ。

かなり貴重な作品です。

イラストは松尾マアタ先生。

「はしやすめ寸劇」草間さかえ from『箱の中』『檻の外』

『箱の中』『檻の外』でイラストを担当した草間さかえ先生もショート漫画で参加されています。

毎巻2ページ程度の漫画ですが、崇文と圭のほのぼのした日常が覗けるのが最高です……。

『箱の中』『檻の外』を読んで2人の関係性を知った上で読むと感動が倍増します。

『箱の中』『檻の外』は講談社文庫から一般書としても出版されていますが、講談社文庫版には一部収録されていない作品があります。

『箱の中』『檻の外』シリーズについては、こちらの記事に詳しくまとめているので、何から読んだらいいのかわからないという人はチェックしてみてください。

「美しいこと」日高ショーコ

5巻限定で、日高ショーコ先生による『美しいこと』のショート漫画が収録されています。

『美しいこと』の漫画が入っているのは5巻だけで、1~4巻までには収録されていません。

内容は『美しいこと』の展開に触れるものになっているので、原作小説を読んでいないとちょっと話が分からないかもしれません。

原作小説は『美しいこと』『愛しいこと』『愛すること』と3巻構成になっていて、電子書籍ではこれらが1~3巻となっているので1番わかりやすいと思います。

どうしても紙で読みたいんだ!という人は、オススメの読む順番をまとめたこちらの記事が参考になるかと思います。

まとめ

『ergo』は、木原音瀬が原案を担当した作品ばかりを集めたコミカライズムック本で、「木原音瀬セレクション」の名にふさわしいファン必見の書になっています。

2022年12月現在は絶版になっていて、古本でしか入手できない状態なので、もし『ergo』に出会う機会があったら買っておくことをオススメします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?