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もしも2024年野球殿堂の投票権を持っていたら誰に投票する?

2024年の野球殿堂入りが1/18(木)に発表されます。
先日、その展望をまとめたnoteを投稿しました。

そちらのnoteでお知らせしましたが「みんなで選ぶ野球殿堂 2024」という、野球殿堂の投票を野球ファンでやったらどうなるかというアンケートを実施しました。
(アンケートの回答は締め切りました、ご回答していただいた皆様ありがとうございました。アンケートの結果は実際の野球殿堂の結果が発表された際に、総評と合わせてnoteで投稿する予定です。)

今回はそのアンケートにちなんで、私に2024年野球殿堂プレーヤー表彰の投票権があったら誰に投票するか?を考えていきたいと思います。
(以下、敬称略)

JAWS(野球殿堂入り評価指数)

誰に投票するかを考えるにあたって、アメリカで野球殿堂入りを評価する際に使用されている、JAWSという指標を参考にしました。JAWSについては過去記事で詳しく紹介してますので、そちらをご覧ください。

簡単に紹介すると、JAWSではセイバーメトリクス指標のWAR(Wins Above Replacement)を用いて殿堂入りを評価します。
「通算WAR」と「キャリアハイ7年間の合計WAR(7WAR)」の平均がその選手のJAWSとなります。
殿堂入り選手をポジション別に分け、各ポジションの平均JAWSと比較することで、殿堂入り候補の選手達が殿堂入りにふさわしいかを判断します。

誰に投票するか決めよう

それでは、今回の候補者たちのJAWSを見ていきましょう。
今回は、殿堂入り選手の各ポジション平均JAWSとの差(Margin)で評価をしていきます。
プレーヤー表彰候補者全27名の中のトップ15がこちらになります。

2024年プレーヤー表彰候補者のJAWS Marginトップ15

こちらの上位から投票可能な最大数である7名を選ぼう…と思ったのですが、こちらの表はNPBでのJAWSとなっております。
野球殿堂では当然MLBでの活躍も評価に入りますので、そこも考慮しなければなりません。
その方法を考えた結果、今回はNPBでのJAWSとMLBでのJAWSを足すという方法にしました。
(MLBでのWAR及びJAWSはBaseball Referenceを参照しています。)

それでは改めて、NPBとMLBのJAWSを足した値(NM-JAWS)で今回の候補者を見ていきましょう。
(各ポジションの平均JAWSもNM-JAWSで計算し直しているため、NPB一筋の選手のMarginの値も若干変化しています。)
NM-JAWS Marginトップ15がこちらになります。

2024年プレーヤー表彰候補者のNM-JAWS Marginトップ15

この表を基準に投票する選手を7名選びましたので、1人ずつ紹介していきます。

1.松井稼頭央(遊撃手NM-JAWS3位 初候補入り)

NPBのみでのJAWS Marginでもトップだった松井稼が、MLBのJAWSを加えてさらに数字を伸ばしました。
日米通算2705安打(歴代6位)、465盗塁(歴代7位)、2543試合(歴代12位)、パリーグMVP(1998年)、ベストナイン7回(遊撃手歴代2位タイ)など多くの記録を残しています。
何より凄いのは、これらの記録を遊撃手として残している点です。
歴代ベストナインの筆頭候補でもあり、候補入り1年目での殿堂入りも期待したいところです。

2.黒田博樹(先発NM-JAWS14位 2023年得票率69.0%)

黒田のMLBでのJAWSは、ダルビッシュ有、野茂英雄に次ぐ日本人投手3位となっています。
日米通算成績を見ると、203勝(歴代22位タイ、黒田より上位で殿堂入りしていないのは江夏豊のみ)、3340.2投球回(歴代16位、黒田より上位は全員殿堂入り)を記録しています。
もうすでに殿堂入りしていてもおかしくない存在ですが、候補入り3年目の今回で得票率75%に到達なるでしょうか。

3.岩瀬仁紀(救援NM-JAWS8位 初候補入り)

松井稼と同じく候補入り1年目の岩瀬は、今回の殿堂入り最有力です。
通算1002登板407セーブ最多セーブ5回最優秀中継ぎ3回はいずれも日本記録となっています。
リリーフの殿堂入りは過去3名(津田恒実、佐々木主浩、高津臣吾)しかいないためMarginは参考記録なところもありますが、一般的な評価でも殿堂入り確定ですので、ぜひとも史上7人目の一発殿堂入りを達成してほしいです。

4.小笠原道大(一塁手NM-JAWS6位 2023年得票率10.7%)

一塁手のNM-JAWS Marginがプラスの選手で殿堂入りしていないのは、この小笠原と清原和博のみとなっています。
JAWS以外で見ても、通算3割300本1000打点(史上7人、殿堂入りしていないのは小笠原と和田一浩のみ)、2度のシーズンMVP(野手史上16人、殿堂入りしていないのはまだ資格のない選手を除くと小笠原と松中信彦のみ)などの成績を残しています。
しかし2021年の候補入り以降、得票率はあまり伸びておらず、殿堂入りにはまだまだ時間がかかりそうです。

5.城島健司(捕手NM-JAWS5位 2023年得票率9.3%)

NM-JAWSの高さに加えて、2023年時点で日本人捕手唯一のメジャーリーガーであり、レギュラーとしてしっかり結果を残している希少性で城島を選出しました。
捕手のNM-JAWSでは5位につけており、城島より上位で殿堂入りしていないのは、2025年に候補入りする阿部慎之助のみです。
得票率を見てみると、2018年に候補入りして以降、2020年の17.2%をピークにあまり伸びていません。

6.井口資仁(二塁手NM-JAWS3位 2023年得票率16.6%)

井口も内野手としてMLBで活躍した数少ない選手です。
MLBでの通算WAR6.4は日本人内野手としての最高値となっています。
二塁手のNM-JAWSでは千葉茂と山田哲人に次ぐ3位で、殿堂入りしている高木守道や立浪和義を上回っています。
候補入り1年目の昨年はまずまずの得票率となりましたが、ここからどれほど伸ばしていけるでしょうか。

7.タフィ・ローズ(左翼手NM-JAWS5位 2023年得票率20.0%)

最後の一枠はMarginでいくと稲葉篤紀となるのですが、次点のローズを推します。(理由はのちほど説明します。)
ローズは左翼手のNM-JAWS5位につけており、JAWS以外で見てもNPB歴代14位の464本塁打を放っています。
通算本塁打トップ15のうち殿堂入りしていないのは、前科を理由に候補に入っていない清原和博・土井正博と現役の中村剛也のみです。
2023年の投票で助っ人外国人として初めてラミレスとバースが殿堂入りを果たしましたが、プロ野球を彩ってきた助っ人外国人たちにさらに光が当たってほしいです。

次点.稲葉篤紀(右翼手NM-JAWS 2023年得票率17.7%)

通算2000本安打を達成した打撃とトップクラスの守備力で、右翼手のNM-JAWS5位につけている稲葉ですが、その右翼手では2025年にイチローが殿堂入り候補となります。
候補入り1年目での殿堂入りが確実なイチローは、全選手中2位となるNM-JAWS 103.7を記録しており、イチローが殿堂入りしたと仮定すると、稲葉のMarginは+0.6 → -4.3へと大幅に下がります。
そういった点も考慮して今回は次点としましたが、投票できる人数がもっと多ければ投票したい選手です。
(もっと早くに殿堂入りするべき選手が多すぎて上が詰まっている…)

まとめ

というわけで、もし私に2024年野球殿堂プレーヤー表彰の投票権があったら、以下の7名に投票します。

・松井稼頭央
・黒田博樹
・岩瀬仁紀
・小笠原道大
・城島健司
・井口資仁
・T.ローズ

実際に投票する記者の方々もこのnoteのように投票内容を公開してくれたら、野球殿堂がもっと盛り上がるかもしれないのになぁ…なんて思ったりします。
と、ちょっと愚痴が出始めたところで今回のnoteは終わりたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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