野球殿堂好きによる2024年野球殿堂大展望
本日12月5日、2024年の野球殿堂候補者が発表されました。
ここから1か月後の結果発表まで、野球殿堂好きの自分にとってワクワクの時期が今年もやってきました。
そんなわけで今回のnoteでは、2024年の野球殿堂の展望や注目ポイントを紹介していきたいと思います。
(以下、敬称略)
野球殿堂の表彰
まず、野球殿堂について簡単に紹介します。
野球殿堂には以下の3つの表彰があります。
競技者表彰【プレーヤー表彰】
プロ野球の現役を引退し5年以上経過した人物が対象、その後15年間が選考対象となります。
2023年はA.ラミレスがプレーヤー表彰で殿堂入りしました。
競技者表彰【エキスパート表彰】
プロ野球の現役を引退して21年以上経過した選手、または監督・コーチを退任後6ヶ月経過している人物が選考対象となります。
2023年はR.バースがエキスパート表彰で殿堂入りしました。
特別表彰
審判員や、アマチュアで活躍した選手・監督、野球に関する文芸や音楽の著作物を有する人物などが選考対象となります。
2023年は作曲家の古関裕而が特別表彰で殿堂入りしました。
それぞれの表彰で野球殿堂幹事会により候補者が選出され、有識者による投票によって得票率75%を超えると殿堂入りとなります。
ここからは、それぞれの表彰の2024年の展望を紹介していきます。
2024年野球殿堂展望
競技者表彰【プレーヤー表彰】
プレーヤー表彰の注目ポイントは現候補vs新候補の争いです。
現候補の中で特に有力なのが、2023年得票率2位の谷繫元信です。
野村克也、古田敦也(共に殿堂入り)に次いで捕手史上3人目の通算2000本安打を達成し、ゴールデングラブ賞も6度受賞、横浜・中日を日本一に導いた名捕手です。
さらに通算3021試合出場のNPB記録という、それだけでも投票理由として十分な大記録も持っています。
候補入りした2021年以降、38.5%→46.3%→71.3%と着実に得票率を伸ばしており、今回の殿堂入り最有力です。
現候補でもう1人有力なのが、2023年得票率3位の黒田博樹です。
日米で活躍し通算203勝、現時点で最後の200勝投手となっています。
通算200勝した投手は歴代で26人いますが、そのうち殿堂入りしていないのは黒田と江夏豊(前科により殿堂入り資格喪失)の二人しかいません。
個人的には殿堂入りに3年もかかっているのがおかしいくらいだと思っているので、今回で殿堂入りできることに期待です。
そんな現候補の二人に待ったをかけるのが新候補たちです。
量・質ともに豊作と言える今年の新候補ですが、その中でも特に有力な選手が2人います。
1人目は中日のクローザーとして活躍した岩瀬仁紀です。
通算1002登板・401セーブのNPB記録を持つ歴代最高クローザーの1人です。
殿堂入りをすることは確実、あとはいつするかという問題ですが、個人的には1年目での殿堂入りもあるのではと思っています。
もし1年目での殿堂入りとなれば史上7人目の快挙となります。
中日黄金期をともに築いた谷繁との同時殿堂入りという、中日ファン歓喜の展開があるでしょうか。
2人目は現西武監督の松井稼頭央です。
西武・MLB・楽天で活躍し歴代5位の日米通算2705安打を記録した、歴代最高ショートの1人です。
松井稼で殿堂入りできないなら、今後ショートで殿堂入りできるのは坂本勇人しかいないというレベルで、岩瀬同様1年目での殿堂入りもあり得ると思います。
強いて言えば、同時期のパリーグでプレーした松中、ローズ、井口、小笠原、城島、小久保といった面々があまり得票率が伸びていないのが懸念点でしょうか。
そんな懸念を吹き飛ばすくらいの得票率を期待したいです。
彼ら有力候補の他に、少しコアな部分で注目しているのが、浅尾拓也と山口鉄也の得票率です。
これまでリリーフで殿堂入り候補となった選手は数名いますが、そのほとんどがクローザーとして活躍した選手でした。
浅尾と山口鉄のように中継ぎ専門で活躍した投手の候補入りはおそらく初めてのため、2人がどれだけ票を集めるかは今後の中継ぎの殿堂入りを考える上での基準となりそうです。
競技者表彰【エキスパート表彰】
エキスパート表彰での注目ポイントは2点あります。
1つ目は掛布雅之が殿堂入りできるかです。
2023年の投票では、ともに1985年の阪神日本一に貢献したバースが殿堂入り、順当にいけば得票率2位だった掛布が殿堂入りとなりそうです。
今年は阪神がその1985年以来の日本一となったこともあり、当時が振り返られることも多く、掛布に対しての注目度も増しているかもしれません。
懸念点を挙げるとすれば、2023年にバースに投票していた人はすでに掛布にも投票していそうなので、バース票の流入がそこまで見込めないところでしょうか。
注目ポイント2つ目が栗山英樹の得票率です。
監督として侍ジャパンを14年ぶりのWBC優勝に導いた功績は、大きく評価されること間違いなしでしょう。
候補入り1年目となった前回は得票率15.6%とまずまずでしたが、今年どこまで跳ね上がるか注目です。
ちなみに、野球殿堂候補入り中に日本代表の監督として優勝したのは、2009WBCの原辰徳と2021東京五輪の稲葉篤紀の2名がいます。
2人の大会前後での得票率の推移は以下の通りで約2〜3倍の増加となっています。(ともにプレーヤー表彰)
原辰徳 2009:11.8% → 2010:29.9%
稲葉篤紀 2021: 7.8% → 2022:14.4%
ただ、2023WBCの盛り上がりは過去にないものだったので、栗山監督については得票率3倍超の50%程度までいくのではと予想します。
特別表彰
数年にわたり有力候補とされてきた古関裕而が、前回ついに殿堂入りしました。
古関氏に続きそうなのは谷村友一・富澤宏哉の二人の元審判員です。
谷村氏は通算3026試合に出場しており、巨人のV9達成や翌年の中日によるV10阻止の試合などで球審を務めています。
富澤氏は選手経験のないプロ野球審判員第1号でありながら、歴代2位の3775試合出場や日本シリーズ史上最年少出場(29歳)などの記録を持っています。
近年、審判員の殿堂入りがなかなか出なかった中で、この2名が久々の選出となるでしょうか。
アンケートのお知らせ
以上が2024年野球殿堂の注目ポイントとなりますが、最後にお知らせです。
今年も「みんなで選ぶ野球殿堂 2024」と題して、アンケートを作成しました。
実際の野球殿堂と同じ形式で、野球ファンの皆さんに投票していただくアンケートとなっています。
昨年まではプレーヤー表彰のみでしたが、今回新たにエキスパート表彰のアンケートを作成しました。
以下のフォームよりご参加よろしくお願いいたします。
【2023/1/6追記】
アンケートの回答は締め切りました、ご回答ありがとうございました。
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