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JAWS(野球殿堂入り評価指数)のNPB版を作成してみた

JAWSとは

JAWS(Jaffe WAR Score system)とは、Jay Jaffe氏が開発した、アメリカ野球殿堂入りに関する指標です。
すでに殿堂入りしている同ポジションの選手と比較して、その選手の殿堂入りの価値を測定する指標になります。
その目的は、そのポジションの平均的な殿堂入り選手と同程度の実力を持つ選手を認めることによって、殿堂入りの基準を改善し、少なくともそれを損なわずに維持することです。
その特徴として、長期の活躍と短期の活躍の両方が評価される点があります。

今回はそんなJAWSのNPB版を作成してみました。

選手のJAWSは、通算WARキャリアハイ7年間のWAR(必ずしも連続した年でなくてもよい)の合計を平均したものです。

坂本勇人を例にJAWSを計算してみます。
坂本の通算WARは89.1、WARキャリアハイ7年間の合計は以下となります。
2012 9.1
2016 8.6
2019 7.6
2018 7.1
2011 6.5
2015 6.4
2020 6.4
合計 51.7
よって、89.1と51.7の平均=70.4が坂本勇人のJAWSとなります。
なお選手のWARおよびポジションの指定はNPB STATS(http://npbstats.com/)より引用しています。

現在殿堂入りしている選手は、ポジションごとにグループ分けされ、ポジション平均のJAWSが計算されます。
ポジションによっては、そのポジションに殿堂入りした選手が少ないために平均値に偏りが生じるため、実際の選手数と平均選手数の合計が最も殿堂入りしたポジション(中堅、現在は12人)が一致するまで、殿堂入り野手全体の平均JAWSをそのポジションの平均値に追加しています。
例えば遊撃手の殿堂入りは過去5人であるため、その5人のJAWSと野手全体の平均JAWS(50.9)7人分から殿堂入り遊撃手の平均JAWSが算出されます。

今回NPB版を作成するにあたり、本家との違いとして、平均JAWSを計算する際の規定打席、規定投球回を設けています。
アメリカ野球殿堂と違い、日本の野球殿堂では選手としての実績と監督としての実績の合わせ技で殿堂入りするケースが多くみられます。
そのようなケースで監督としての実績の配分が高い選手を除外するため、野手なら2000打席、先発投手なら1000投球回に満たない選手は、そのポジションの平均JAWSの計算に含めていません。

NPB JAWSランキング

それでは、NPB版JAWSランキングを見ていきましょう。
(数値は2022年終了時点)

捕手

野村克也が圧倒的な数値を叩き出す中、2位には阿部慎之助がランクイン。
2025年より候補入りとなるが、候補1年目での殿堂入りなるか。

一塁手

王貞治が全選手の中でトップとなるJAWS128.9を記録。
現在候補入りしている小笠原道大は2023年時点で得票率10.7%、もっと評価されてもいいはず。

二塁手

30歳にして歴代2位に位置する山田哲人、千葉茂を超えての1位にも期待がかかる。
浅村栄斗も2023年シーズンには二塁手の平均を超えてきそう。

三塁手

長嶋茂雄が全選手中2位のJAWSを記録。
現在エキスパート表彰で候補入り中の掛布雅之は、2023年時点で得票率66.2%と殿堂入り間近まで来ている。

遊撃手

1位の豊田泰光に肉薄する坂本勇人はすでにレジェンドの領域。
2024年候補入りの松井稼頭央、2027年候補入りの鳥谷敬の殿堂入りにも期待。

左翼手

平均越えで唯一殿堂入りしていない和田一浩は、2022年の投票で得票率3%未満となりプレーヤー表彰での資格をすでに失っている。
候補入り中のローズとともにもっともっと評価されていい選手。

中堅手

柳田悠岐、丸佳浩、青木宣親と平均越えの現役選手が3人もいる中堅。
特に柳田のWAR7は王、長嶋、山内に次ぐ野手歴代4位であり、今すぐ引退しても余裕で殿堂入りできるレベル。

右翼手

2023年時点で殿堂入りが4人と少ない右翼手だが、現在候補入り中&今後候補入りとなる選手で平均越えが3人もいる。
福留孝介、イチローはおそらく殿堂入りするだろうが、稲葉篤紀、糸井嘉男も評価されてほしい。

先発投手

歴代名投手がズラリと並ぶ先発投手。
江夏豊は前科のために資格なし、高橋直樹は知名度や従来の指標に比べて、セイバー指標での評価が高い。
田中将大はMLB時代のJAWSを加えればすでに平均越え。

救援投手

リリーフで殿堂入りした選手はまだ3名しかおらず、野手のような補正もないため参考程度に。
2024年に候補入りとなる岩瀬仁紀は間違いなく殿堂入りするだろうが、それ以外だと藤川球児くらいか…?

以上がNPB版JAWSランキングでした。
今後も、新たな殿堂入りが発表されるたびに更新できればと思ってます。

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