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守護霊

守護霊は信じますか?
正直、私はあまり信じてはいませんでした。

子供の頃から、たびたび不思議な体験はしたことがあったのですが、実際に亡くなった身内や先祖などは見たことがなく、その存在すら感じた事がなかったので、私にも守護霊がいるんだろうか?その程度の感覚であまり考えた事はありませんでした。

18歳になり自動車の免許を取りました。
高校を卒業後、少しした頃少し地元からは離れた友人に会いに行った帰りの事でした。

夜中の1時は過ぎていたと思います。
時間が遅い事もあり、かなりの睡魔に襲われながら運転していました。とにかく早く家に帰って寝たい!そう思い近道をしようと思い、夜はあまり車も通らないような峠道を帰る事にしました。

周りは木々が生い茂り街灯もないとても暗い道です。少し気味が悪いとは思いつつ車をとばして帰路を急ぎました。
そんな時でした、何故か凄く後ろが気になりバックミラーを恐る恐る見た時です。
走ってきた道なのでそのような人とはすれ違ってはいないはずなのに、道の脇に傘を被り杖の様なものを持った修行僧の様な物が数人一列に並んで歩いてるのが見えました。

街灯もなく暗闇の中だったので確信は持てず恐怖心もあり見間違いだと自分に言い聞かせて、車を止める事なく更に急いで家に帰りました。

家に着く頃にはあまりの眠気にさっき見た気味の悪い人影の事も忘れ、すぐ布団に入り眠りにつきました。
今でもはっきりその日見た夢を覚えています。

気がつくと私は見た事も行った事もない街に1人立っていました。
街に色はなく、全てが灰色で人気はなく誰もいないまるで世界に自分1人しかいないかのような暗い雰囲気の町でした。

しばらく歩いていると、シャーン シャーンと遠くから鈴の様な音が聞こえてきます。
自分以外に誰かいたんだと思い急いで音の方に向かいました。
シャーン シャーン
シャーン シャーン
だんだん音に近づいていって気が付きました。
その音は、家に帰る途中にバックミラー越しに見えた修行僧が鈴のついた杖をついて歩く音だったのです。
正確な人数は覚えてはいませんが4〜5人くらいだったと思います。
笠をかぶっていて顔は見えませんがお経の様なものを呟きながら杖をつきシャーン シャーンと自分に迫ってきました。

何故か捕まってはいけないととっさに思い、必死に逃げましたが、逃げても逃げても引き離す事はできず次第に距離がつまってきました。

もうだめだ!捕まる!

そう思った時、灰色だった街に何故か一軒だけ色と灯りのついた家を見つけました。
とっさにその家に逃げ込むとそこには自分の亡くなったはずの祖父母や写真でしか見た事がなかったが多分先祖だと思われる方達がかなりの人数で自分を迎えてくれました。

祖母が自分に寄ってきて『良く来たね!もう心配いらないよ』
そう言って、その家の奥の部屋に自分を連れて行ってここでじっとしている様に私に言いました。

その時、その家の玄関前まで修行僧らしいもの達は来ていたと思います。お経の様なものをしばらく玄関先で唱えていました。次第にどんどんお経の様なものは大きく聞こえ耳を塞いでいても耳元で言われているかの様な感じになりました。もしかしたら私はもうだめかもしれないとずっと目を閉じて耳を塞いで絶えていると、スッとお経の様なものが止みました。

その瞬間、祖母の声で『もう大丈夫、頑張ったね』そう言って祖母が自分の頭を撫でてくれた時、目が覚めました。

ただの夢だと言ったらそれまでかもしれませんが、自分が見たあの修行僧の様な物はあまり良くない物でそれを先祖が守護霊となり私を守ってくれたんだと今では思っています。

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