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SSSS.GRIDMANに俺は伏して感謝をするばかりだ(全話感想+α)

 2018年秋アニメとして放送されたグリッドマンが先日最終回を迎えた。放送前にまとめた文章があるので気が向いたら読んでほしい。今回は、最終回を経て俺が何を思ったかを書き記そうと思う。

 グリッドマンがアニメとして蘇り、そして世代のファンや特撮クラスタを超えて多くの人たちに好評をもって受け入れられたのが、俺はとても嬉しい。最新話の配信は毎週の楽しみだったし、放送後の感想やイラストが流れてくるのもとてもワクワクした。ちょっと予想外の範囲の人々にまで話題が広がっていてびっくりしたし、何よりTwitterの自分の周りの人たちの間でもとても評判がよかったのがとても嬉しかった。

各話感想

1話 今作のグリッドマンは人の住む街で戦う。アスファルトを踏み砕きビルをなぎ倒し車が宙を舞う。これはいったいどういうことか。主人公響裕太は記憶喪失だし霧に覆われた街には怪獣が浮かんでいるしで謎だらけだ。導入として素晴らしいと思う。そして何より、グリッドマンの初戦闘に至る流れが最高にアツいのだ。

2話 今作がおおよそどういう話なのかがだんだんと明らかになっていくのだが、アカネちゃんがああなのにはとても驚いた。属性モリモリサイコ美少女がインターネット邪悪生命体と戯れる!!このあたりのアカネchang&アレクシスのイチャコラ具合が俺はとても好きだ。(もちろん後の方もとても好きだ)そしてもう一人登場してきたのがキャリバーだ。こいつも最高だ。店の入り口でガッチャーンするのがカワイイすぎるし、何よりお前が剣になるんかい!という新鮮な驚きがあった。アシストウェポン勢が人格を持っててワイワイするという発想は、どこから出て来たものかは分からないが今作の大発明の一つだろう。

3話 いきなりタイトルが「敗北」なのでずいぶんと性急だなと感じた。話の方は正直なところチグハグな感じがしてイマイチピンとこなかったのだが戦闘が超最高にカッコよくとても興奮した。特撮を意識した巨大感の演出なんかがとても素晴らしい。そして何より初合体マックスグリッドマンの登場だ。デカイ腕でバカスカ殴り合う!最高に決まってるじゃないか天才かよ。CGを駆使した戦闘シーケンスが完全に上手くいっているということが証明された形だ。

4話 この辺の話のネタの選び方のバランス感覚が素晴らしいと思う。人が死んでいなかったことになるというシリアス度合いにYoutuberお兄さんたちを突っ込んでくるのは、そいういえばグリッドマンってこんな感じだったよな・・・という懐かしさが湧いてくる。早速アンチくんは問題児属性を拗らせ始めるしマックスグリッドマンはクソ強い。デカイ腕して蹴り技でフィニッシュかよ!って全国の視聴者のツッコミが聞こえてくる。俺はこの回の決めポーズが最高に気に入っているので貼り付けることにしよう。映像の素材が公式から供給されるとはいい時代になったものだ。

5話 水着回だ。あざとすぎて個人的にはあまり嬉しくない。規格外の怪獣をぶち込んでくるという、既存の怪獣モノに対するメタな発想を持ち込んでくる点は新鮮でよかった。バスターグリッドマンがカッコいい。デカイ怪獣から表面を削り取って殺す感じだったのはあまり気に入ってないがまあそれはそれだ。新世紀中学生の野郎どもがタノシイすぎる。

6話 怪獣は出てこないのだが話的には最高に面白い。面白かった回で順番を付けるとかなり上に来る。裕太-アノシラス-マックス、内海-アカネ-ボラー、六花-アンチ-キャリバー、の3組で話が進行するのがとてもよくできていた。とにかくアノシラスchangがカワイイすぎる。お前誰やねんって思ったが、最終的にブッたまげてひっくり返り、製作陣の愛とリスペクトの前に天を仰ぎ地に平伏すことになった。そんなところからキャラクターを拾ってくるとは!!最高かよ!!この辺りから話は核心に到達し始める。話の展開の仕方が見事だと感心するばかりだ。

7話 アカネchangのお誘いをアッサリとお断りする裕太くんお前はなんなんだとか思ったが今なら納得するほかない。中華屋に普通に入ってくるアレクシス、面白すぎか。アンチくんが作った怪獣が登場する。アカネちゃんが作った怪獣とは違う異形感があり、怪獣とか詳しくないヤツがグリッドマンを倒すべく作ったらこうなるという表現がよくできていると思う。スカイグリッドマン登場回だ。やはり戦闘シーンが最高だ。ヴィット、お前とっとと行けや!って思わせといて「悪い、遅くなったグリッドマン!!」ってなるギャップがとても好きだ。やるときはやる男だ。この世界はコンピューターワールドの中に作られたものである、という事実を明かすのに空の天井という形をとるのは見事な発想だと思う。おおよそ想像はついていてもマジかよ・・・ってなった。上手い。

8話 フルパワーグリッドマン登場回だ。正直あんまり激アツ展開って感じでもなくて、むしろアカネちゃんの自信作がフルボッコにされてかわいそう・・・って思った。この辺からアカネちゃんの鬱傾向が加速する。かわいそう・・・

9話 この辺で「番組間違えたかな?」みたいな回がブッ込まれるんだろうなみたいなじんわりした予想があったので順当な展開だと思った。幻想的でフワフワしたような時間と空間に放り込まれたような演出の回、というのはウルトラシリーズなんかを見てると結構あったりする。その感じが出ていてポイントが高い。普段はあんまり何もしないグリッドマンが頑張る展開なのでとても好きだ。アカネちゃんが何を願って世界を作ったのかという答え合わせみたいな内容で、話は完全に核心を貫いた形だ。

10話 グリッドナイト登場回だ。アンチくんのアイデンティティー問題はひとまずの決着を迎える。願わくばここからさらに1クールぐらいかけて、グリッドマンを倒す存在としての真の決着(それがどんな形になるかはわからない)まで行き着いて欲しかったところだ。戦闘シーンが超絶クールだ。話が終着点に向けて加速する感じが非常に素晴らしい。

11話 いろんな話が最終決戦に向かって収束する。壊れた世界は修復されない。グリッドマンと裕太、裕太と内海、六花とアカネ、アカネとアレクシス、いろいろな関係が行き着くところまで行きつく。薄暗い雰囲気が悲壮を煽り最終回への期待が最高潮となった形だ。

12話 どうやってこの話を畳むのか?という期待と不安が入り混じるこの感じは久しく味わってこなかったものだ。TRIGGERを信じろ。W主題歌最終決戦がメチャクチャアツい。やってくれたぜ。最後はもうほんと切なくて仕方がなかった。ああなんて素晴らしいんだ。実写!?実写ナンデ!?と思ったがすべてが元に戻った形であり何もおかしなところはない。

全体的な話

キャラクター
 六花 全体的にものすごく「リアル」な女子高生の感じがする。ボイスドラマなんかの演技が全体的にもうもの凄いことになっておりゾワゾワが止まらない。
 内海 ウルトラシリーズ発言で自分で凹まれるとこっちまで死にたくなってくるのでやめるんだ。彼はいったい何をしたと訝しむ向きもあるかもしれないが彼がいたおかげで回避された詰みポイントはたくさんあった(気がする)のでやはりかけがえのない存在だ。とても共感できる。
 アカネ 特撮ガチ勢サイコ割れメガネ美少女とか天才の発想では。だんだんと心が苦しくなっていく過程があまりにも辛く、救われてよかったと心の底から思うばかりだ。

新世紀中学生
 キャリバー カワイイに加えてカッコいいを持ち合わせており強い。アンチくんが実質舎弟みたいな関係になったのがツボだった。
 マックス 一番頼りになるのがこの人だというのはまあまあ驚きがあった。使用武器の殺意がとても高いのもかなりポイントが高い。
 ボラー 面白すぎか。見た目よりはるかに大人キャラなのもグッとくる。
 ヴィット ダメ人間でしょこの人とか思わせてかっこいいところを見せるので好きだ。

 アレクシス・ケリヴ アカネチャンとイチャコラするところのアレクシスを悪いドラえもんとか言われるのはツボだった。結構後半の方まで感じのいいキャラだったので気さくな感じから本性を露わにするところのギャップがイマイチだった気がしないでもない。もっと邪悪ムーブをブチかまして欲しかったところはある。トータルのキャラクターはとても好きだ。
 アンチ アカネが作ったと言われても最初はまるで意味わからんぞ・・・となった。シノビラーに似てるのもどうやら偶然ということらしい。全体的な話になるが、グリッドマンサイドはたいがい一方的に強く、相手方にドラマの中心があるという話の作りが見えてきたあたりから、こいつ最高かよ・・・となった形だ。彼の先にいかなる決着が待ち受けるのかは気になって仕方がない。
 アノシラス またもや属性モリモリ美少女でありカワイイがすぎる。21世紀のインターネットで話題をかっさらっていくとは恐れ入るばかりだ。

 六花ママ ボイスドラマは必聴だ。
 なみこ はっす その女子高生ムーブは俺が死ぬ。

作品について
 途中でも書いたが、CGを駆使した戦闘シーンは大成功だったと言っていい。メチャクチャかっこいい。勇者シリーズリスペクトは個人的にいまいちピンとこなかったが、作りたい人間と見て嬉しく思う人間がマッチングしたのだから幸せなことなのだろう。
 あらゆる部分に伏線やらオマージュが散りばめられた結果とても楽しいことになっている。気づかなくてもなんということはないのだが、例えばTwitterなんかで情報を漁るのはとても楽しかった。
 アニメ版の設定はかつてお蔵入りした続編の設定がいろいろと流用されているらしい。20年以上の時を経て日の目を見ることになったというその事実に俺は打ち震えている。
 たったの12話で話を畳むことになった結果、かなり急いだなという感じがするところもある。1話より前の話を奥ゆかしく語らないというのは潔いと思うし、うまくいっていると感じるが、物足りなさがないわけでもない。
 例えばグリッドマンとアレクシスの対決だが、ラストバトルで唐突に「限りある命」みたいな話がブッ込まれるのは、それで面白さが損なわれたとは少しも思わないのだが、思うところがないでもない。
 最終的によくわからないままになった部分もある。新世紀中学生とはいったいどどういう存在なのかとか、街を管理していた怪獣が特撮板の毒煙怪獣ベノラまさにそのものだったのはどういうことかとか、そいういうところだ。あるいはもっとぶっちゃけたことをいうとハイパーエージェントとかハイパーワールドって一体何なんだとか、そういった部分には結局ノータッチだったし、そういう広がりを描く余地はまだまだ残っていそうだと思う。これはやはり続編に期待するしかないのでは???

 設定資料や映像素材、さらには特撮板の裏話みたいなものまでが飛び交う2018年のTwitterという環境はとてもエキサイティングだった。あるいはYoutubeに公開されたボイスドラマも、本編で消化不良になりそうな部分を扱ってくれたのがとても嬉しい。そういうアニメ本編以外の部分でもメチャクチャに楽しかった3ヶ月だ。

最後になるが、SSSS.GRIDMANが素晴らしいアニメになり、そして多くの人々に高い評価でもって受け入れられたということがとても嬉しい。円谷と TRIGGERに、俺はただただ伏して感謝をするばかりだ。ありがとう。

以上だ。

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