攻めダルマ
〝打って打って打ちまくれ〟の徳島が誇る池田高校・蔦文也監督の代名詞が、タイトルにある、攻めダルマである。
甲本ヘッドコーチのラストマッチになった今節のセレッソ大阪戦は、この攻めダルマの戦いを彷彿とさせた。
とにかく攻めて攻めて攻めまくる、という気持ちが選手全員から伝わってきた。
シュートを狙う、ドリブルを仕掛けるの攻撃面はもちろん、プレスをかけ続けるの守備面においても、それは感じられた。
前半の早い時間に、宮代の見事なシュートが決まったのも大きいかもしれない。その後河田の積極的なシュート、藤原の前半40分頃の相手に囲まれながらゴールに向かう圧巻のドリブル、鈴木大誠の体をはったブロックなど、甲本ヘッドコーチに有終の美を飾るために、選手たちが戦い続けたように思う。
そして、その思いが試合終了間際に結実する。岸本のクロスから、相手のオウンゴールを誘発したのだ。試合後に「苦しくて中を見ずにクロスを上げた」というコメントもあったように、中2日の影響は終盤になれば大きくなっているようだった。それでも、〝攻めて攻めて攻めまくる〟この気持ちが生んだ勝利だったように思う。2試合続けてのセットプレーからの失点は、対策を立てていきたいところだが。
それにしても、甲本ヘッドコーチをはじめとしたコーチ陣、スタッフ、選手たちがひとつになり、いい流れをつくってくれた。次節から指揮を執ることになるダニエルポヤトス監督へ、最高のバトンタッチとなったことだろう。シーズン前は、徳島ヴォルティスサポーター以外は誰も予想もしていなかった展開だ。
そして徳島ヴォルティスの戦いは、ここから始まっていく。ダニエルポヤトス監督が、新たな力を与えて、さらに攻める徳島ヴォルティスを、強い徳島ヴォルティスを、つくりあげていくに違いない。
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