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1年間休学して、東京のスタートアップでエンジニアとして戦って学んだこと

はじめに

短いような長いような1年間の休学期間がもうすぐ終わりを告げようとしている。なんのとりえもないただの大学生だったボクは、昨年の4月から身一つで単身東京に出てきて、POL(ポル)というスタートアップ企業で、現在までエンジニアとして働いている。

スタートアップでインターンをするという経験は、ボクの人生においても一番と言っていいぐらい刺激的な毎日を与えてくれた。たくさんの人たちとふれ合って、たくさんの困難に向き合って、たくさんの学びを得て、たくさん笑って、たくさんの感謝を受け取った。こんな素晴らしい毎日を送ることができたのも、ひとえに今いるPOLという会社に出会うことができたからだと思う。

そんなボクも、今年の3月に1年間の休学期間を終えて、大学のある大阪に戻ることを決意した。多くの時間を共有し、たくさんの壁を共に乗り越えてきた人たちと離れるのはとてもさみしいことだけど、自分でもやりたいことやなりたい像が明確にイメージできるようになってきたので、その夢に向かって成長していくために、勇気を持って一歩踏み出すことにした。

最後に、POLで働く中で学んだことを忘れないために、また、POLで働く中で関わってくれた方々に感謝の気持ちを伝えるためにもこの記事を書いている。タイトル詐欺かもしれないが、この記事の中でエンジニアとして成長するためのtipsや方法論は微塵も含まれていないことに注意していただきたい。

この記事のまとめ

この記事は以下の内容を綴っている。

・「学び」とは何か
・「必要に駆られること」を学んだ
・「高い山に挑むこと」を学んだ
・「仲間と共に成長すること」を学んだ

あくまでもボク自身が学んだことだったり、これからの決意の表れだったりを書き連ねた内容になると思う。

これまでお世話になったPOLに関わる全ての方々はもちろん、これから休学しようとしている学生や、スタートアップで働こうと思っている人に対して何か少しでもプラスになるものがあればいいなと思う。

「学び」とは何か

まず本題に入る前に、タイトルに「1年間休学して、東京のスタートアップでエンジニアとして戦って学んだこと」とあるけれど、そもそも「学び」とは何かという問いについて触れておきたい。

というのも、POLは、スタートアップには珍しく(他のスタートアップを詳しく知っている訳ではないが)学びや学習を促進する文化が醸成されている(ような気がする。少なくともその基盤はあると思う)。日々の気づきや学びをslackなどで共有したり、毎朝の朝会でその学びに基づくディスカッションやコミュニケーションが生まれたりしている。これも、ボクが大好きなPOLの文化であり、ぜひずっと継続していってほしいと思っている。

ボクは、「学ぶこと」とは以下のようなプロセスおよびサイクルであると考えている。

1. 具体的体験・経験
・具体的な行動によって引き起こされた結果を、体験・経験として培い、気づきや仮説を蓄積する。
2. 抽象化・概念化
・様々な状況に対して汎用的に使えるように概念化・モデル化したり、共通点やアーキテクチャを見出したりする。
3. 転用・実践・検証
・体験から得られた仮説や抽象化された概念を基に、実際に取り組むことにより検証する。

・1.に戻る。

今回の記事では、そんなことを少し頭に置いて、一つ一つの学びについて
1. 具体的に体験したエピソード
2. そこからボクが感じた・思った・考えたこと
3. これから実践していきたいこと
を意識しながら振り返ってみようと思う。

「必要に駆られること」を学んだ

ボクがPOLに最初に関わり始めたときは、エンジニアとしてジョインしたわけではなかった。当初はユーザーである理系学生のもとに直接足を運んでサービスに対するヒアリングを行ったり、大学の学生課やキャリアセンターと連絡を取ったりといった、ビジネスサイドの仕事を担当していた。

それから今までは、エンジニアとしてだけでなく、コーポレートグッズの作成や、全国の研究室に届けるフリーペーパーの配送、LTイベントの開催、エンジニア/デザイナーの採用など、とりあえず頼まれたことや自分がやりたいと思ったことは何でもやってきた。

今となっては、ユーザーヒアリングを通して、テクノロジードリブンでなく、ユーザーファーストでものづくりに向き合えるようになったし、デザイナーとのコミュニケーションが円滑にできるようになり、デザインが(ちょっとだけ)わかるフロントエンドエンジニアとして技術の幅も広がっていった。

無駄な仕事や雑用なんてなく、仕事におけるすべての瞬間が自分のキャリアにつながっているという考え方ができるようになったことは、自分の中でも大きな成長だと思う。

仕事をしている中で、常に意識していたのdelyのCTO大竹さん「必要に駆られろ」という言葉だった。一度、POLのオフィスに来ていただいて、社内のエンジニアに向けて勉強会を開いてくださったこともある。その中で

「スタートアップで一番成長できる人は、自分の限界や壁を決めずになんでも越境的にできる人。ある意味で少しバグっている人。必要に駆られることこそが成長への近道」

と大竹さんは語っていた。

事あるごとに、このスライドを見ては勇気をもらっている。振り返ったときに、将来の選択肢がエンジニアだけでなく人事やマーケターやデザイナーなど多方面に広がり、自分自身の可能性が大きくなっていくのを実感できた。

これからスタートアップに挑戦する人はぜひ、そこが自分の領域外のことに飛びつける環境だということを認識して、自らの壁を定めずにどこまでも挑戦していってほしい。

ボク自身もこれから壁を定めず、いろいろなことに挑戦していきたいと思っている。直近では、ユーザーにさらなる価値を届けるためにレコメンドエンジンやデータ分析や機械学習、マッチングアルゴリズムなどを学んでいきたいし、さらに大きなチームを創っていくために組織論やマネジメントなども学んでいきたい。

「高い山に挑むこと」を学んだ

POLはとてもビジョナリー(visionary)な会社である。POLは「研究者の可能性を最大化するプラットフォームを創造する」という壮大なビジョンを掲げている。

そんなPOLで働く毎日の中で、高い目標を掲げたり大きな志を抱いたりすることの大切さを学んだ。

ゴミみたいな大学生だったころのボクは、「せっかくいい大学に入れたし、そこそこ良さそうな大企業に行って、それなりに給与がもらえれば人生楽しそうだな」と思っていた。

そんなボクも、自分たちが思い描いた世界やビジョンを本気で実現させようとしているPOLの人たちと出会って、自分の価値観や人生観を大きく変えられた。

彼らは、壮大なビジョンを実現しようと、中長期のロードマップを策定し、月ごとにチーム全員が知恵を絞りながらOKRと呼ばれる目標を立てて、一人ひとりが何のために働いているのか、目標とやりがいを持って働いていた。

また週の終わりには全社員が一同に会して、その週にできたことを各部署で褒め称え合う(OKRにおけるWin Session)。目標を達成できなかったときには、他チームも含めて自責で原因や課題を特定しようとし次の行動に繋げようとし、目標を達成したときはチームも関係なく社内の全員で喜ぶ。

POL社内で毎週金曜夕方から行われる「BUMP FRIDAY」の様子

当時、なんの志も抱いていなかったボクも「仕事をする上では、給料とか役職なんかよりも、本気で思い描いた世界を実現していく人たちと一緒に働くことが幸せだ」と思った。

このエピソードを表すように、POLのバリューの一つに「BHAG Driven」という言葉がある。これは、『ビジョナリー・カンパニー』という本に出てくる「BHAG(びーはぐ):Big Hairy Audacious Goals(達成困難なほど大胆な目標)」という言葉に由来するが、

「ワクワクする高い目標(BHAG)を立て、それを達成する方法を脳がちぎれるほど考えよう。目標達成にこだわり、困難な状況でもがむしゃらにやり続けよう」

というような意味合いであり、まさに高い目標がチームや組織のモチベーションの源泉となり、組織を鼓舞して勇気づけるようなバリューになっている。

孫正義は「人生は、どの山を登るかを決めることで半分が決まる」と言っていたし、坂本龍馬も「世に生を得るは事を成すにあり」と言っていたらしい。その言葉の意味は一度聞いたときはよくわからなかったけれど、今になると身に沁みたようにわかる。

例えば、中学生のときに医学部を目指して必死に勉強していた子の100点と適当に遊び呆けていたがちょっと勉強できる子の100点は、中学の時点では同じ価値しかないかもしれない。けれど一方は無事医学部に合格し、もう一方は平凡な大学でくすぶっているということはよく見る光景だと思う。その時点での成長角度により、未来に実現できることが変わってくるということを学んだ。

そんな現在のボクの目標は「メルカリやサイバーエージェントに負けない日本一のプロダクトチームを創り、チームメンバー全員に生き生きと働いてもらうこと」である。ただし、いくら大きい夢を抱えても、どんな偉業も小さなことの積み重ねでしか実現されない。長い道のりになるかもしれないが、自分にとっての志を大切に毎日を生きていたい。

「仲間と共に成長すること」を学んだ

スタートアップで働いている間は自分の野球部時代の感覚に近いものがある。目標に向かって朝から晩まで仲間たちと時間を共にし、苦楽や困難を共に乗り越えていきながら成長し、目標を達成していく。

特にPOLは、事業と同じかそれ以上に組織やカルチャーを大事にする風土があるので、より一層そういった気持ちを持って働くことができた。

自分はこの一年の中でエンジニアとしてだけではなく、プロダクトチームの採用担当者としてエンジニアやデザイナーの採用をしていた。以下のスライドに、採用活動に携わり始めてからのボクのモチベーションの変化がまとめられているので、やることがなさすぎてYouTubeで無限に時間を溶かしているぐらい暇な人はよかったら見ていってほしい。

採用を推し進めていく中で、チーム全体が「どういう人と働きたいのか」や「どういう組織にしていきたいのか」を考える機会となった。ボク自身も今のチームのEX(Employee eXperience)を深く考えるようになっていった。

先程ちらっと紹介した『ビジョナリー・カンパニー』という本には、ヒューレッド・パッカードの事例が載っているが、工学部出身のビル・ヒューレッドとデーブ・パッカードは製品を世に出していく中で、優秀なエンジニアとして目標を追究することもできたが、それを選ばなかった。製品を設計していく仕事から、素晴らしい製品を次々と生み出せる組織を設計する仕事にすばやく方向転換した、と書かれている。これは、すばらしい製品やサービスを生み出しているからすばらしい組織になったのではなく、組織として卓越しているからこそすばらしい製品やサービスを次々と生み出し続けることができるという考え方に基づくものであり、ボク自身もそのように理解している。

繰り返しになるが、現在のボクの目標は「メルカリやサイバーエージェントに負けない日本一のプロダクトチームを創り、チームメンバー全員に生き生きと働いてもらうこと」である。真にユーザーに価値を届けるプロダクトを次々と生み出していくためにも、ボクはこれまで以上にチームメンバーと、組織と共に成長していきたいと思った。

終わりに

POLに関わる全ての方々へ、また研究から戻って、同じ目標を追い続けられる毎日を待ち望んでおります!より多くの価値を、ユーザーであったりチームメンバーに届けていくためにこれからも精進して行く所存でございますので、末永くよろしくお願いいたします🙇‍♂️

最後に、POLはインターン生、中途社員問わずWantedlyを中心に採用活動を行っておりますので、ちょっとだけ話を聞いてみたくなった・どんなオフィスか覗いてみたくなった人はこちらからお気軽にどうぞ!


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