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新しい働き方に合わせた柔軟なオフィスづくりに必要なことは? ヤフーの「実験オフィス」

新型コロナウイルス大感染症対策として、2020年から急激に浸透したリモートワークなど、私たちの働き方が大きく変化したことに伴い、働く場である「オフィス」も変化しています。
リモートワークは1人で集中して行う業務に適している一方で、リアルなコミュニケーションも大事だと改めて感じた方も多いのではないでしょうか? アイデア出しやブレーンストーミングなどは、対面でのコミュニケーションの方がスムーズな場合もあります。また、社内外の人との「ちょっとした会話」が、業務によい効果をもたらすことも。

ヤフーでは、同年10月からは「新しい働き方」として取得可能な日数に制限のないリモートワークに踏み切りましたが、家庭の事情や、業務内容的にオフィスに出社して集中したい、チームメンバーと顔を合わせてブレストをしたい、などの理由があれば出社することも可能です。
ヤフーの東京・紀尾井町オフィスでは、「1人で集中」「みんなで会議やコミュニケーション」などさまざまな目的で利用できるエリアを用意した「実験オフィス」を2021年から開始しました。

オフィスについてのこれまでのアンケート結果では、
「集中したいのに、周囲でミーティングをされると集中できない」
「周りが静かだと、ミーティングする際に気兼ねをしてしまう」
など、違う業務を行う社員同士が近くにいることがストレスだという声が多く寄せられていたそうです。

社員数が多い会社では、同じ配置のフロアが複数あってどのフロアも同じように使えることは非常に効率的です。その一方で、1フロアの中にさまざまな要素を入れる必要があり、それぞれのスペースに十分な距離を保ちつつ配置する難しさがあり、上記のような声が上がるのは自然なこと。
この課題を解決するため、ヤフーの実験オフィスでは「集中フロア」と「コミュニケーションフロア」に完全に切り分け、それぞれのフロアのテーマや用途を明確にしました。

集中フロア

集中フロアでは、半分はオンライン会議以外の会話は基本的に禁止、残り半分はオンライン会議も禁止されています。そのため、「1人でとにかく集中したい!」というときに働きやすいフロアです。一言で「集中」と言ってもさまざまな集中の形があるので、集中の度合いに応じたデスク、椅子、ソファー、テーブルなどを用意しています。

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(予備校や図書館のような程よく遮られたエリア)

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(体勢を変えられる椅子のエリア)

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(周囲の環境から遮断されて業務に没頭したい人向けのブース)

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(机の高さを変えられ、立って仕事することも可能な昇降デスク)

コミュニケーションフロア

コミュニケーションフロアは、仲間と顔を合わせて情報交換をしたり、ホワイトボードも使ってリアルな場で議論を白熱させたりといった、オンラインコミュニケーションでは物足りない要素を補完する、リアルコミュニケーションに特化したフロアです。現状はface to faceを重視した構成としていますが、今後はオンラインコミュニケーションとの融合も図っていきたいと考えています。

チームビルディングエリア

チームでコミュニケーションを取りながら業務を進めたり 後輩育成など教育を行ったりするのに向いています。少し区切られたスペースで、いろいろなスタイルでみんなで一緒に働けます。

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クリエイティブエリア

アイデアを出したり長時間膝を突き合わせながら議論をする場所です。フレキシブルに動かせる家具などで、人数・用途に合わせて自由に空間を作ることが可能です。可動式の家具を使いこなして最適な空間を作り、クリエイティブな時間を過ごせます。

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ブラッシュアップエリア

アイデアを詰めたり複雑な内容の認識合わせをしたり、共同作業を行うエリアです。
みんなでアイデアをまとめられるように、一つのモニターをみながら腰を据えて話ができます。少し囲まれているので集中して作業に取り組めます。OJT(On the Job Training)などで長時間一緒に過ごす場所としてもオススメです。 

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変化する働き方に合わせた、柔軟なオフィスづくり

ヤフーでは、今回のリモートワークへの移行で、オフィス以外でも問題なく仕事ができるということに気づいた社員が多くいました。その一方で、リモートワークだけに限定するのではなく、柔軟な働き方を可能にするオフィスという選択肢があることで、社員がより充実した働き方ができるのではないかと考えています。
久しぶりにオフィスを使ってみたら、「スタックしていた業務が進んだ!」「良い気分転換になって家での生産性が上がった!」など、今だからこそわかる新たなメリットを発見できるかもしれません。たとえば、午前中は家で集中して業務を行い、午後はオフィスで同僚と対面でブレスト、というような使い方も。

このコロナ禍で、
「自宅で働くときに何か工夫してる?」
「やっぱりオフィスは必要だった?」
など、働く環境や働き方についての会話が自然に交わされるようになったのではないでしょうか。
これからは、業務内容に適した場所を都度選択する働き方が主流になっていくのかもしれません。
また、今後も当面の間はオンラインコミュニケーションを活用したり、3密を避けたりしながら業務を行う必要があります。変化していく働き方に合わせて、ヤフーは柔軟なオフィスづくりにこれからも取り組んでいきます。

ヤフーのどこでもオフィスについて

ヤフーでは2014年にオフィス以外の好きな場所で働ける「どこでもオフィス」というリモートワークの制度を設けました。2020年、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、2月より段階的に、月5回を上限としていたリモートワークの制限を解除し原則在宅勤務の導入、および社内外における会議や採用活動、社内研修などすべてをオンラインで実施するなど、従業員や関係者の安全を最優先とする取り組みを行ってきました。さらに2020年10月からは、リモートワークの回数制限を解除し、「無限リモートワーク」としています。
※1:個人情報などを扱う高度セキュリティレベルの業務はオフィスにて実施 ※2:働く場所は自宅の他にも個人の創造性が発揮される場所とし、制限は設けない

文・写真/Yahoo! JAPANコーポレートブログ編集部