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初めての打ち合わせ デザイナーに必要な5つの心得

こんにちは。デザイナーの若林です。
初めてのクライアント提案で、何を言えばいいのか分からず縮こまってしまうデザイナーは多いのではないでしょうか。
また、良いクリエイティブが制作できても提案が通らず、苦い思いをしているデザイナーも多いと思います。マーケティング観点も求められるような打ち合わせで、その後の進行にも配慮しながら我々が意識すべき5つの心得をご紹介します。


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まず「デザインを提案する」ことは、ゴールへ向かう道のりのほんの一部だと考えてください。考え方としては、提案を通して達成したいゴールが大まかに3つあることをイメージすると理解しやすいと思います。

認識を合わせる
制作に必要な情報を得る
次回までの宿題を決める

それぞれについてはこのあと追って説明していきますが、上記の目的を意識して話を進めるとその後の進行がぐっと楽になります。

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打ち合わせ前の時点で、クライアントとこちら側の認識がピッタリ合っていることはまずありません。
過去事例や提案のため用意したラフなど「見る資料」があれば、それを中心に説明することで大きな認識のズレを防ぐことができます。ここでいう「見る資料」とは、テキストで概要を説明した「読む資料」にしない、ということです。あらかじめクライアントに理解してもらわねばならない情報(スケジュール、費用、素材手配など)はその「見る資料」と併せて説明することで、クライアントもイメージが楽になります。ホワイトボードなどがあればその場でイメージを描き出すことで「これはできる」「これはできない」など判断材料を得ることもできます。

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インサイトというと難しく聞こえる場合は「クライアントの課題」ととらえましょう。
例えば「今までとは違う何か面白い広告を作ってみたい」というオーダーがあったとします。これはかなり不明瞭ですね。クライアントにとって「今までの広告」とはどんなものを指しているのか、「面白い」とはどの方向を指すのか聞き出す必要があります。抽象的な話が続いてしまうときは「最近流行っている〇〇のようなイメージですか?」「思いつきですが、こんな案はどうですか?」など具体例を挙げるのもよいでしょう。仮にここで好感触が得られなくとも、目的は「反応を見ること」なので、少なくともクライアントの好みを知ることができます。

しかしながら、課題を解決してさえいれば必ずクライアントがうなずくというわけでもありません。インサイトを探るということは、プロジェクト全体の流れをくむことでもあります。今目の前にいる担当者がクライアント側でどんな役割を担っているのか、決断のプロセスや最終決定に必要な要素は何なのか。ここを押さえずデザインの魅力だけで戦おうとすると、せっかく作った力作でさえ徒労に終わってしまうことがあります。

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クライアントの判断基準は大まかに2種あります。
一つ目は企業戦略・ブランドイメージとの整合性、または担当者の好みに合うデザインかどうか。
二つ目は費用対効果など、そのデザインがKPIを達成するために有効か否かという観点です。
インサイトを探る段では、このどちらが重要視されているかも気にしておきたいところです。一つ目に関してはデザイナーとして話せることは多くあると思いますが、対して二つ目は悩みどころではないでしょうか。
定量的な観点を重視するクライアントの場合、二つ目の説明が何も得られないと判断に困ってしまうことがあります。
例えば打ち合わせで2案提示したとき「どちらの方が効果が見込めますか」という質問に対して、定性/定量どちらの観点でも答えられるように数値や実績などまとめておけると心強いです。どうしても用意できない場合、自分のデザインに対して「なぜそうしたか」の理由をはっきりと答えられるようにします。クライアントの「なぜ」に対し、感覚では答えず「効果的である理由」を説明することで、定量的な観点での期待値が上がります。

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ここまでの流れがうまくたどれていれば、クライアントとの認識のズレやインサイトが理解できていると思います。
それらを合わせて次回提案時に何を見せるか、最後に改めてクライアントと認識合わせをします。
逆に、こちらが必要としている素材をいつまでに用意してもらうかなど、「次回」に向けた話を必ずしておきましょう。
今回の打ち合わせがうまくいかなかった場合でも、どの部分の補填が必要かをお互いにすり合わせスケジュールを引き直します。これは初回だけでなくその後の打ち合わせでも意識するとよいでしょう。


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5つの心得、いかがでしたでしょうか。
デザイン提案に限らず、どんな打ち合わせでも基本となるルールかもしれません。しかしデザイナーだからこそ「課題を見つける力」や「目で見て理解してもらう力」が生かせるチャンスの場でもあります。
打ち合わせの場でも積極的にデザイナーの力を発揮していきたいですね。

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