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トップページカスタマイズ企画の提案時に行っていること

こんにちは。ディレクターの桑原です。
いつもWeb広告クリエイティブについてデザイナー視点で記事を作成していますが、今回はディレクター視点で、Yahoo! JAPANの動画広告「トップページカスタマイズ企画」を一例に、日頃Web広告クリエイティブを考える時に行っていることについて、ご紹介します。

「トップページカスタマイズ企画(以下TPC)」とは、Yahoo! JAPANのトップページに掲載される動画広告です。通常のバナー広告とは異なり、バナーをタップすると、崩れる、倒れるなどのアクションが加わるなど、の工夫を凝らしたオリジナルの動画が流れる、インパクト重視、話題性喚起を目的としたプロモーションに最適な広告商品です。具体的な内容は、Yahoo! JAPAN最新マーケティング情報の記事をご確認ください。

このTPCの広告クリエイティブを考える際に、これまで私たちが蓄積してきた過去の知見を集結させ、毎回最高のパフォーマンスを発揮できるよう、取り組んでいることがあります。

勝ちクリエイティブ・負けクリエイティブから学ぶ

運用型広告では最適なクリエイティブを見つけ出すために高速でPDCAを回すことが多いかと思います。しかし、運用型広告ではない場合、特に単発で広告を出稿いただく場合、改善を繰り返すことが難しいです。しかし、私たちは案件が発生した際に、ただ見栄えがするクリエイティブ提案をするだけでなく、しっかりと数値結果を残せるように、過去データを活用した分析を行っております。

ただやみくもに目立つクリエイティブを作成するだけでは、CTRやその先のCV、態度変容には効いてきません。
過去の実績を基に、好成績クリエイティブの共通項をあらゆる角度から分析し、勝ちクリエイティブを見つけ出しています。そして残念ながら成績の振るわなかったクリエイティブについても「何が悪かったのか」を徹底的に深堀しています。

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詳細の分析内容については、別の機会でまたご紹介したいと思います。

広告主/ユーザーになりきる

代理店や広告主から案件のご相談が来て、ただクリエイティブを制作するだけでは、質・結果共に良い成績を残すことは難しいと考えています。私たちが日頃心がけていることとして、徹底的に自分事化し、あたかも自分が出稿を決断した広告主か、広告を見たユーザーにまでなりきり、実際に広告が配信された際のシミュレーションを行います。
・自分が宣伝担当だったら、何を一番伝えたいのか
・制作担当者に伝えきれていない潜在的な課題はないか
・他媒体、他メディアでのプロモーションとのバランスは取れているか
・自分がこの会社のファンで、この広告を見たらどう反応するか
・自分が、その広告に関して、興味がない分野だったらどう思うか

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広告主の立場や、ユーザーの心理が想定できていないと、どのようなことが起きるのでしょうか?みなさんも経験したことがあるかもしれません。
・見た目だけが美しい、もしくは情報が伝わらないクリエイティブになり、ユーザーにクリックされない=CTRが上がらない
・一番伝えたかったことが伝わらず、態度変容に繋がらない=CVが悪い
・伝えるべきポイントを誤り、広告想起やサーチリフトに繋がらない

例えば、エンターテインメント系(映画)の案件であれば、出来る限り宣伝プロデューサーになりきります。過去作品含めて全て把握し、作品のことを愛します。海外でのインタビューなども含めて、クリエイターの想いをとことん拾い上げます。担当者の記事を探し出し、どんな人なのか、やり取りの好みや、判断に至るまでのプロセスも営業担当に確認します。

同時に、作品のファンになりきり、公開前の盛り上がりの気持ちを再現したり、逆に興味がないユーザーになった時は、作品についての情報を目にしたときの感情を思い描いてみます。どうしたら「ターゲットである自分は行動に移すだろうか」ということを考え抜きます。

これらの情報をチームに共有することで、提案資料の見せ方、クリエイティブの質が大きく変わってきます。
マーケティングの際にペルソナを設定することが大事という説がありますが、提案の先にいる担当者やユーザーを知り、より具体的な1人になり切ることで、ドンピシャの提案、そして結果を残せることが増えていきます。

広告枠の“外”を熟知する

TPCは、Yahoo! JAPANトップページに掲載される広告です。
掲載面には、ニュース、サービス一覧、インフィード広告など数多くの情報が同時に掲載されています。

どの掲載面であっても、基本的に広告枠の外は、コントロールすることは難しいです。表示されるニュースも、同時に他の枠に表示される広告も広告主側で操作できることはほぼ無いと思います。しかし、広告主によっては、同時掲載される面の文言量や情報、パソコン版であれば、トップページの青い枠との干渉を気にされる方もいらっしゃいます。
広告クリエイティブを作る私たちにできることは、安心してご出稿いただけるように、クリエイティブに載せる要素を調整します。

例えば、以下のような工夫をすることで、デザインやUI上でバッティングが発生しそうな掲載面でも、クリエイティブではカバーできます。
・広告以外の文言量が多い面には、敢えてシンプルでスッキリとしたデザインのバナーを作成する
・掲載面のメインカラーを避けつつ、反発しすぎる色を使わない
・あえて掲載面の名前を出す 例)TPCであれば「ヤフーをタップすると!?」

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懸念の解消だけでなく、掲載面を活用し、バナーの特性を活かした広告クリエイティブにすることも可能です。パソコン版であれば、「トップインパクト」と呼ばれる、左右に縦長表示される大きなバナーを活用した、連動したデザインのバナーにしたり、演出動画では、トップページの各モジュールが分解したり、TPCだからこそできる表現を最大限に活用します。

Yahoo! JAPANの広告に限らず、広告が掲載される面を理解し、特性に応じたクリエイティブにすることは、広告がユーザーに与える印象を左右します。リスクをできる限り排除し、良い数値結果に導くためにも、「引き算」の考えを持つことも大事にしています。

まとめ

日頃の意識付けが、クリエイティブ提案の土台になると思います。良い土台を作り、そこに知識と技術を結集した制作物が重なることが、良い結果を残すクリエイティブ制作の基本的で、大事なことだと考えます。
いつものクリエイティブそのもののお話ではありませんでしたが、クリエイティブを考える際の一助となりましたら幸いです。次回はより具体的にクリエイティブ分析した結果などをご共有予定です。

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