スマホ動画広告に最適化するカット編集テクニック
こんにちは。クリエイティブ企画の下田です。
今日のテーマは「カット編集」です。
動画広告を作る上で気をつけている「カット編集方法」についてご紹介します。
After EffectsでテレビCMを編集する案件が多いのですが、その際に使っているテクニックです。
今回は架空の案件として、「セダンタイプの自動車」の動画広告を作るケースを設定します。
テレビCMを、スマートフォン内のアウトストリーム広告用に実際にカット編集していきます。
なお、この架空の広告動画はテレビCMでよく見られるパターンを踏襲しています。
・商材のウリやキャッチコピーを見せた後に、最後に商品名が出てくる
・トータルの長さが15秒
テレビCMとスマホのアウトストリーム広告では、再生時間・音声・画面サイズなどの仕様や再生状況の違いから、ユーザーの視聴態度も異なります。
テレビCM素材をそのまま流すだけでは十分な効果が得られないため、スマホ広告に最適化する必要があります。
編集指針
基本的には、以前書いた動画広告の4原則に則って編集をします。
編集方法をお伝えするその前に、原則に則るとどのような効果があるのか?
以下の図をご覧ください。
(※Yahoo! JAPAN 調べ、2018年6月~2019年8月)
「冒頭の1秒以内にブランドが出ていた」 「最初の3〜5秒で興味を引けていた」動画は、それぞれ視聴時間が平均約10%程度向上する傾向があります。
これらを意識して、次の3つのポイントを中心にAfter Effectsで編集していきます。
1. 冒頭にブランド名を出す
まずシーンごとに分割していきます。
この際、分かりやすくするため、レイヤーの名前を変更しておくとよいでしょう。
冒頭3秒のヘッドライトのシーンはティザー感がありカッコイイですが、
一方で、アウトストリーム広告上では、ユーザーには何の広告か伝わらず、離脱してしまう可能性があります。
早期離脱するユーザーにも商品を訴求できるように、
このシーンは思い切って丸々カットし、代わりに商品名と商品画像が入っているラストカットを持ってきましょう!
2. 拡大処理
次にこの冒頭シーンの画面サイズも考慮しましょう。
スマートフォンは画面自体が小さいので、余白や背景も必要なければ削って、商品が大きく見えるようにしましょう。
四隅をドラッグすると拡大できます。
3. 時間伸縮
最後に、この車の訴求ポイントである「販売台数No.1」の時間伸縮を調整します。
一般的に、人は1秒あたり4文字分まで把握できると言われています。
これは映画の字幕などでも考慮されるスピードになっています。調整の際は、テキストが読めるよう、この速度を目安にするとよいでしょう。
なお、このようにフレームを伸ばす場合、伸ばした後のフレームが足りず、カクカクすることがあります。
その場合は右クリック > フレームブレンドでフレームの補完を行い、タイムラインパネル内の「フレームブレンドが設定されたすべてのレイヤーにフレームブレンドを適用」を押してください。
訴求内容を長めに見せたい場合には、このような編集もありますが、
無理な時間伸縮は違和感を生む可能性があるため注意が必要です。
まとめ
そしてこちらが編集後の動画です。
トータルの秒数を編集前の15秒から11秒に短縮、適度な長さになりました。
前述した通り、アウトストリーム広告では、ユーザーが早期離脱しないよう「最適化」することがとても大切です。
編集前に比べ、よりアウトストリーム広告に適した動画に変化したと思います。
今回は動画広告におけるカット編集の一例をご紹介しました。
音声がなくても伝わる動画にするためのテキスト追加や、ユーザーアクションを促す表現の追加など、本来はまだまだ改善ポイントがあります。
今後も詳しく紹介していきますので、ぜひご期待ください!
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