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広告クリエイティブもABテストをしよう! Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)のクリエイティブのPDCA手法とは

こんにちは。デザイナーの高田です。

訴求したい商品やランディングページ(LP)などの要因によって、効果のよいクリエイティブが異なる──
Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)に限らず、運用型広告を活用されている方にとってはよくある経験かもしれません。

効果の良いクリエイティブを一回の制作で見つけることができれば良いのですが、商品の特性や出稿面など、さまざまな変数を考慮した上で、常に“最善のクリエイティブを作る方法”を提示することは、現状では非常に困難です。

ただ、“効果の良いクリエイティブを見つけるメソッド”は定義できると考えています。

この記事では、広告クリエイティブの制作と出稿を効率よく複数回行うことにより、効果の良いクリエイティブを見つけてゆくためのABテストの手法をお伝えいたします。

2つの“フェーズ”

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まず、広告クリエイティブのPDCAを回す上で、大きく2つのフェーズが存在することを意識してください。

※PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって継続に改善する方法

検証フェーズ

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いくつかの訴求軸から勝ちパターンを見つけるフェーズです。価格訴求やキャンペーン、訴求する商品そのものの良さを見せるなど、商品の訴求を多角的に行って、ユーザーに刺さる訴求を見つけます。

拡大フェーズ

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同じ訴求をいろいろな表現で行い、より伝わりやすい表現を見つけるフェーズです。たとえば、使用感訴求の中でも、実写素材が良いのか、イラストが良いのか、成分を併記したら良いのか、はたまたより感情に訴えた方が良いのかなど、使用素材やキャッチコピーなどを変更し、より瞬時に魅力が伝わりやすい表現を見つけます。

検証フェーズ

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検証フェーズでは、主に以下のような出稿と判断を繰り返します。

1. 訴求軸を分けて制作したクリエイティブを、同一フォーマットで3〜5本用意
2. 用意したクリエイティブを、配信面やターゲティング、入札条件などをそろえ、同時に配信を開始
3. KPI(CTVRやCPAなど)の目標値を定める
4. 目標値を達成したクリエイティブは拡大フェーズへ移行。それ以外は、獲得できているコンバージョン数次第で配信継続、もしくは停止の判断を行う

※KPI:達成目標(売上高など)に対して、目標達成度合いを評価する評価指標
CTVR:インプレッションに対して、成果につながった割合
CPA:1件の成果や顧客を獲得するために、かかった広告費用

拡大フェーズへの移行や配信の継続・停止の判断に関しては、次のように行います。

拡大フェーズへの移行や配信の継続・停止の判断について

拡大フェーズへ移行を行う条件については、KPIの目標値を達成していることが重要ですが、一定のインプレッションが出ていることにも注意して判定を行いましょう。

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拡大フェーズへの移行や配信の継続・停止を行う判断を行うタイミングは、10万以上のインプレッションを目安にすることをおすすめします。一定品質を満たしたクリエイティブであれば、ある程度のクリックやコンバージョンが発生していることが多く、広告効果を評価するタイミングとしてよいためです。もし、商材や配信面が極端にコンバージョンしにくいものであれば、もう少しインプレッションが出てから判断を行っても良いでしょう。

また、KPIの目標値を達成していないクリエイティブは、継続配信するものと、配信停止を行うものに判断が分かれます。

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この時、判断材料にするのがコンバージョン数です。コンバージョン数が一定数存在するクリエイティブは配信を停止せず、継続配信することをおすすめします。

理由としては、上記画像の「訴求軸B」を配信停止したことで、このクリエイティブに紐づいている50件分のコンバージョンが別のクリエイティブで取れるとは限らず、全体のコンバージョン数が目減りしてしまうことが考えられるためです。

訴求軸Bでしか獲得できないユーザーは一定数いるものと考え、配信停止するクリエイティブは、全体のコンバージョン数を考えたときに、影響範囲の少ないものを選択するようにしましょう。

拡大フェーズ

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拡大フェーズでは、主に以下のような出稿と判断を繰り返します。

1. デザインのディティールを分けて制作したクリエイティブを、1訴求軸あたり3〜5本用意
2. 検証フェーズと同様、配信面、ターゲティング、入札条件をそろえ、同時に配信を開始
3. KPIの目標値とコンバージョン数の条件を設定
4. 上記の条件をおおむね満たす場合、配信を継続。両方満たさない、もしくは片方が極端に悪い場合は配信を停止

また、拡大フェーズの開始タイミングには注意が必要です。

拡大フェーズは、検証フェーズで効果の良い訴求軸を2軸以上見つけてから開始

検証フェーズと比較すると、拡大フェーズは同じようなクリエイティブを一定回数出稿することになるため、ユーザーは同じようなクリエイティブに連続して接触することになります。この状態を続けると、訴求している商品そのものへのユーザーの関心が失われていくと考えられます。

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これを防ぐために、上記の図の右のように訴求軸を2つ以上用意し、ローテーションを組んで検証していくことを推奨します。

拡大フェーズにおける配信の継続・停止の判断について

KPIの目標値を達成している、もしくは一定のコンバージョン数を獲得しているクリエイティブに関しては、背景画像やキャッチコピー、コールトゥアクション(CTA)のボタンや文言などのみを変更したクリエイティブを追加入稿し、さらなる指標の改善を狙いましょう。

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配信停止を行う基準については、検証フェーズと同様、全体のコンバージョン数を考えたときに、影響範囲の少ない獲得数のクリエイティブを選択するようにしましょう。

まとめ

運用型広告は、成果がコストに見合うように、配信面やターゲティング、広告グループなどのアカウント内部の設計を最適化することが重要です。また運用型広告という名前が示す通り、クリエイティブを適宜変更して、商品を訴求するための効果的な訴求軸や表現を探す、つまり“運用していく動き”も重要です。

この記事ではYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)における改善メソッドをご紹介しましたが、ぜひ運用型広告全般でこのようなノウハウを収集し、効果的なプロモーションにご活用ください。

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