見出し画像

旅と自由

長かった海外出張を終えて、いまはバンコクで休暇をとっている。帰りのトランジットを3日に伸ばして、有給を使って休むことにしたのだ。特に旅費いらずで海外旅行が楽しめるのは、率直にありがたい。
 
いまはバンコクのホテルでこれを書いている。料金は二日で1500バーツ(約5000円)ぐらい、驚きの安さだ。安さを追求すればもっと激しいところはたくさんあるのだろうが、電車の駅から徒歩五分で、かつ空港へのアクセスもいいところなので、破格の安さだと思う。建物も綺麗で、部屋も広いし。言うことないですね。

思えば海外旅行なんてほとんどやったことがなくて、いつも海外に行くときは仕事にからめた旅になる。観光地に行くのがどうも好きではない……とか思っていたのだが、別に観光地に行くだけが旅行ではない。昨日は、一人なのをいいことに、過ごしたいように過ごした。カオサン通りという、原宿みたいなところで、マンゴーを食べたり、おみやげを物色したり。はたまた、レストランでトムヤンクンを食べて、コーヒーを飲みながら、一時間ほど読書したり。自由。やりたい放題。
 
極め付けは、バンコクの街を歩いてみたくて、一時間かけて5キロほど歩いた。僕は普段から散歩が趣味で、二時間かけて10キロ歩くということをやっているので、5キロぐらいならこれぐらいかな……という感覚がある。さすがに旅先で10キロ歩くと疲れるので、5キロぐらいならちょうどいいかなと思った。実際に、ちょうどよかった。それにしても、市街のコンビニだけじゃなくて、駄菓子屋みたいなお店があって、ラジオを聴きながらうたたねしているおじさんから水とアイスを買ったりして、なんかローカル色の濃いところをエンジョイしたりした。

旅はノープランで、自由に遊ぶのが好きだ。最初からプランを立てていくと、どうしても無理な旅程になりがち。それよりも、自由にぶらぶら歩いて、見たいものを見て、行きたいところに行くようにしたほうが、「休暇」という感じがする。旅程をギチギチに詰める人からしたら、旅先で一時間も読書するなんていう選択はありえないと思うかもしれないけれど、僕はそのあとにムエタイの試合を見に行ったので、体力を温存できてちょうどよかった。そういう具合に、自分のコンディションを見つつ、やりたいことを探すのも旅の良さだ。
 
現地のおいしいものを食べてもいいし、逆にマックに行ってもいい。それぐらいの「自由さ」があったほうが、結果的に楽しめるんじゃないか、と。
 
うちの親父も、学生時代はよく旅行に行って、旅先がつまらなかったら映画館に行ったりしていたというけれど、やはり親子って似るものなんだな。いまのところ、バンコクを味わうことができているけれど、なければなかったで、楽しいものを見つけるんじゃないか、と思う。

サポート費用は、小説 エッセイの資料代に充てます。