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シムシティを基本に

抽象的な話になるけれど、「考え続ける人」って最強だな、と昔から思っている。問題解決方法を「考え続ける」ということは、これでもない、あれでもないと無限にアイデアを出し続け、行動し続ける、ということだ。
 
今日思いつかなくても明日思いつくかもしれない。明日がダメならその次。とにかく考え続けてさえいれば、いつかは正解にたどり着く。これは真理であり、一種の救いでもある。
 
最近、会社に新人が一気に何人も入ってきたので、立場上、指導することが増えた。この「考え続ける」ということができない人が多いので、教えるべきはこの一点かな、ということを考えている。
 
若い子の傾向として、仕事を与えても、何かひとつの壁に当たると、そこで立ち止まってしまう。何日も手を止めているので、「どうしたの?」というと、「こういう事情があって、これはできないんです」と説明する。それで終わり。
 
そこで、僕がちょっと考えて、「こういうアプローチはどう? やってみた?」と提案してみると、「やってませんでした」ということになり、「じゃあ試してみようか」となる。これを何回か繰り返す。新人にもよるが、だいたいこのパターンになることが多い。
 
これは、僕が天才で、新人の頭が悪いから、ではもちろんない。僕のほうが経験があるので、壁に当たった時にどう対処したらいいかを知っているだけだ。しかし、その「経験」というのは、つまり「考えて行動した記憶」にほかならない。問題にぶち当たり、考えて、試して、また考えての繰り返しを過去にやったことがあるので、新しい問題が出ても対処できるのだ。新人だって、もうちょっと時間をかけて考えれば思いついたかもしれない。

考えて試すというのは苦しい作業なので、できればやりたくない。走ったり、重いものを持ち上げるなどの負荷に近い。まして、「考え続ける」などというのは一種の拷問だ。考えた先に答えがあるかどうかもよくわからないのだから。
 
僕はあまりゲームはしないほうだが、昔、シムシティというゲームをやったことがある。簡単に言うとまちづくりのゲームで、家や工場、商業施設などを決められた予算の中で配置して、街を発展させていくのが目的だ。街をつくっていくと、騒音がうるさいとか、下水が漏れたとか、治安が悪化したなどの問題が発生するので、それらに対処しながらゲームを進めていく。
 
すでにできている街の問題を解決するみたいな趣旨のモードがあったように記憶している。ある程度進行している街をホイと渡されて、「ここから立て直してください」みたいな状況に放り込まれる。現実世界の仕事とは、だいたいこれに近い。前提条件は決まっていて(たいてい、ひどい状況からはじまる)、限られた予算や人員、設備のなかでなんとか状況を良い方向に持っていけ、というものだ。

つまり、シムシティの本質は問題解決にある。これは仕事も同じだ。働くのは問題解決をするためであり、前提条件を呪ったり、言い訳をすることではない。予算や人員が足りないのはどんな仕事も同じ。その中で、状況をどうすればよくできるか? を考えていくゲームに他ならない。
 
そのために使える武器としては、「思考」と「行動」がある。考え続け、行動し続ける。それを繰り返す。以上。
 
これがわかると、やっぱり良い方向に進んでいく。僕は、あらゆる人に「考え続ける人」になって、「最強の道」を歩んでほしいと思う。(執筆時間14分21秒)

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