見出し画像

誰かにインタビューしたい、ということ

いまの時代、プロのクリエイターとアマチュアのクリエイターの違いがだんだんなくなってきて、アマチュアでやっていた延長線上に、シームレスにプロの世界があったりする。とあるウェブ漫画家で「サラリーマンの年収を超えた瞬間に、プロになろうと判断した」と言った人がいたのだけれど、それぐらい、「ここからがプロ」という線引きは曖昧になったんじゃないか、と思う。
 
しかし、それでも、プロは頻繁にしているのに対し、アマチュアはやらないことがある、とあるとき気がついた。それは、「インタビュー」だ。

プロとして華々しくデビューすると、あらゆるところでインタビューを受ける。しかし、アマチュアで人気を獲得して、じわじわプロになっていくような場合だと、なかなかインタビューを受ける機会がない。それもそのはずで、インタビューとはプロモーションの一環としてやるもので、インタビューを受ける側がお金を払っておこなったりする。映画が封切られる前なんかに、映画監督がやたらとインタビューを受けているのは、プロモーションのためだ。
 
そうではなくて、純粋に、創作物のファンとしてインタビューをして、それをインターネットのメディアで公開するというのは面白いんじゃないかと思った。何よりも、それは僕自身が読んでみたい。それぐらいの意気込みでやれば、いいインタビューになるのでは、とも思った。
 
僕は三年前に東京に来て、いろんな人と会った。もともとインターネットで活動していたのだけれど、関東に住んでいる人の割合が多かったので、せっかく来たんだから会おうと思って、いろんな人に会った。なかには、十年ぐらいお互いのことを知っていて、創作活動をフォローし合っていたけれど、はじめて会うという人もいた。
 
で、はじめて会うと、当然いろんな話をした。自分の創作のスタンスを伝えることも多かったし、相手がなぜ創作をしているのか、その動機を深掘りしていったりもした。
 
みんな、それぞれ考えていることは違うし、目指しているものも違う。しかし、それは普段の会話ではなかなか見えないものだし、自分から積極的に話してくれるものでもない。こちらから主体的に関心をもって、質問しなければ、出てこない性質のものだ。しかし、たとえ相手がどんな人であっても、そういった質問を用意して、投げかけて話すと、必ず面白い答えがかえってくるものだし、その人生哲学が面白いと思った。はじめて会った人なのに、面白くて、五時間も六時間も話し込んでしまったことがある。

なので、僕の身の回りにいるクリエイターさんたちに、僕がインタビューをして、記事を掲載する、という試みをはじめたいと思う。僕もはじめてインタビューをするのでうまくいくかはわからないけれど、面白い企画になるんじゃないかと。
 
売れっ子で、一斉を風靡している人だけがクリエイターじゃない。ちゃんと、普通に市民として生きていて、かつすごい作品を作る人なんてたくさんいる。そういった敬意を込めて、「インタビュー企画 街場のクリエイターたち。」というコンテンツでやっていきたいと思う。
 
面白い企画になるといいのだけれど。(執筆時間10分51秒)

サポート費用は、小説 エッセイの資料代に充てます。