書道の素晴らしさ
むかし書道の展覧会へお伺いしたときに、
ほとんどの人が、
さっ、さっ、さっと作品を見てしまい、
終わったら展覧会を開いた人へ、
おしゃべりをするのが、
好きみたいなんだけれど、
僕の場合は純粋に書道が好きで、
まず、全体的な雰囲気から拝見して、
力強い書なのか、やさしい書なのか、
繊細な書なのか、固い書なのかを見て、
それから、筆の、はねや、とめ、
墨の濃淡や、字の太さ加減を見て、
字は、ただ書くのではなくて、
朝日なら、きらきらした書き方で書いたり、
曇り空なら、
どんよりした書き方で書いてあるので、
その、作者の書に込められた想いを眺めて、
じっと作品を拝見している時間が、
好きなんです。
書の作品を眺めていると、
癒されるといいますか、
呼吸が楽になれるといいますか、
味わうように見ています。
書道は、ただの字ではないんですね。
ただ書くんじゃなくて、
そこに込められた想いが素敵だと思います。
僕も学生時代に授業で、
書道の時間がありまして、
そのときは、
とにかく綺麗に書かなくてはいけないと思い、
からだが、がちがちになりながら、
筆を握っていた記憶があります。
でも、そうじゃないんだということ。
肩のちからを抜いて、
もっと自由に、もっとリラックスして、
書いていいんだと知りました。
よくお伺いしていた書道の先生の作品は、
書の作品が、
どれもこれもきらきらしていました。
みずみずしいといいますか、
書が躍っているといいますか、
拝見して楽しいですし、癒されました。
やはり、
長いあいだ書道をおこなっているから、
書道に向き合う姿勢もしっかりしているし、
先生のお話を聞けたのもうれしかった。
学校の授業で書道をやっていたから、
書道がどんなにか大変で、
どんなにか面白いということを、
多少知っていたので、
書道の作品を、ゆっくり眺めています。
おしゃべりをするのは、
嫌いじゃないですが、
あまりお話は得意ではないので、
聞き役が多いのですが、
書道の展覧会へ行って、
あまり作品を見ないで、
作品のことを、
わからない、わからないと言い、
ずっとおしゃべりをするのは、
見ていてあまりいい眺めではありません。
わからなくてもいいから、
書道の先生に、
これはどんな作品なんですか?と、
聞いてあげてほしかった。
コミュニケーションは大切ですが、
書道展へ足を運んだので、
ひとつずつの作品を、ゆっくりゆっくり、
味わうように眺めてほしいです。
もっと文化が、
身近にあるような環境だといいと思いました。
この記事が参加している募集
機会がありましたらサポートお願いします!。みなさんからいただいたお気持ちは、大切に、活動資金として使わせていただきます。