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世界が彩られたのなら

お笑い芸人の、かが屋の加賀翔さんが執筆された小説、
おおあんごうを読みました。
かが屋がテレビでネタをやったり、
トークをしているときは、とてもうれしくなります。
かが屋の笑いがおもしろくて、
元気になれた自分がいました。
かが屋の動画配信も楽しみにしています。
それくらい、かが屋の存在を興味深く拝見しています。
きょうは、かが屋の加賀翔さんの本、おおあんごうをご紹介いたします。

おおあんごうは、小学生のぼく、草野くんを中心に、
元気なお父さんと、やさしいお母さん、
友達の伊勢くんから構成された、
あたたかみのある岡山弁から放たれた、
せつない、けれど、
笑いが救いなのではないかと思わせられる、
素敵な一冊の小説となっています。

加賀さんが描かれた小説は文学的で、
特に背景の描写がきれいで、とてもていねいに書かれています。
主人公の草野くんが思ったり、考えたりしたことが、
繊細かつ大胆に伝えられているところが印象的でした。
草野くんが小学生ながら誰かを思ったり、
笑ったり、泣いたり、怒ったり、うれしかったり、
元気なお父さんに振り回されてしまうのだけれど、
草野くんから語られる思いを読むたびに、
自然と穏やかになれたり、
思わずくすっと微笑んだりできて、うれしかった。

小学生の目線になり、こまやかに彩られた世界が、
子どもの気持ちや行動を、
観察しているというか、研究しているというか、
学校の様子や家庭の模様など、
本当に子供らしいと思うように描かれているところは、
素晴らしいと思いました。
作者の感受性の豊かさが、
ときおり垣間見れた瞬間かもしれません。

草野くんのやさしさだったり、思いやりだったり、
悲しいことやつらいこともあるように見えるのだけれど、
ぼくは目の前の人が笑ってくれたのなら、うれしいんだと、
小説のなかで、語りかけてくれているようでした。
草野くんにとって笑いが、やらされていることではなくて、
自分がしたいことなんだと思いました。

加賀さんがテレビの対談番組で、
この小説のことについて少し語ってくれたときがありまして、
すごいお父さんがいるんだけれど、面白かったんだよと、
楽しそうに笑いに変えて話しているときは、
テレビを通して僕も面白く聞けて、元気がでた瞬間でした。

かが屋さんのネタは、
舞台演劇のなかで、コメディを作って笑わせているような感覚で、
すごい面白いと思いながら見ていました。
かが屋さんの笑いで笑ったあと、
明日も頑張ろうと思えた自分がいました。
おおあんごうの小説のなかでも、
かが屋さんの、笑いの質のいい表現がいっぱい詰め込まれた小説を、
読んでいてとても楽しかったです。
期待しています。

#読書の秋2022
#おおあんごう

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