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指先に宇宙を飼っているのだ

受験が終わって、私のオシャレ欲というものが爆発している。溜まっていた分、大大大爆発だ。
そんな私が最近ハマっているものといえば、なんといってもネイルである。ネイル、奥が深い。そしてときめきをくれる。

なんといっても、ネイルをすると途端に自分がオシャレな女性になったような気がする。なんだか香水の匂いが漂ってきそうな大人の女性。そこに指輪をはめれば完璧だ。途端に強くなった気がして、背筋がピンと伸びて所作も丁寧になる。

特に、私はネイルを塗っている時間が好きだ。
ラジオを流しながら指先を染めていると、自分がオシャレなドラマや映画の主人公になったような気分になれる。はみ出さないようにはみ出さないようにと集中するとき、私のこころはまっさらになる。そして塗り立ての爪を何度も眺めては、その輝きにうっとりすると共にちいさな達成感を抱きしめる。

いつだったか「宝石には川や海に反射した光が閉じ込められている。その輝きをいつでも眺められるように、宝石を買う。」と言っている人がいた。私は宝石を身につけられるほど大人じゃないけど、私の爪にもたしかに光が閉じ込められている。
今私の爪は細かいラメの入ったアイスブルー色だ。小説のページを捲ったり、マグカップを持ち上げたり、今これを打っている瞬間にもキラキラと輝いている。角度を少し変えるたびに小さく光る指先には、銀河が宿っているのだと感じる。星の煌めきを感じる。ネイルをする、というのは、自分の世界のかけらを指先に宿すことなのかもしれない。人によってはそれが、海の輝きだったり、とろけそうな大理石だったり、思い出だったり。何かをする度にちらちらと目に入る指先に、自分の好きな世界を閉じ込めておけるのがネイルなんだと思う。

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