まちづくりには2種類ある
2019年5月、一橋の1年生だったぼくはPro-Kに入りました。上京してからの1ヶ月間は、地元福井への愛着を確認するのには十分な時間。「将来は福井に貢献しよう」と誓っていた当時のぼくにとって、”ビジネス×まちづくり”を理念に掲げるPro-Kは恐ろしく魅力的でした。
あれから約2年が経ちました。Pro-Kで様々な活動を経験し、ぼくは今、Pro-Kの”まちづくり”の部分を主に担う商店街協同チームのリーダーとして日々を過ごしています。
そんな中で、2年前はとてもあやふやな存在だった”まちづくり”について、自分なりの観点ができてきました。今回はそのことについて、2年前の自分に教えてあげるつもりで書いていこうと思います。
ハレの日のまちづくり
タイトルにもある通り、まちづくりには2種類あると思っています。ひとつはハレの日、つまり特別な日のまちづくりです。
1年生の間は主にこちらのまちづくりを経験してきました。お祭りの準備を手伝ったり、お神輿を担いだり、屋台で焼きそばを作ったりしながら地域の方との親交を深めていく。まさに入部当初のぼくがPro-Kに期待していたまちづくりです。
お祭りに参加する様子。地元を離れたぼくにとって、故郷以外で地域への所属感を一身に感じることができたことは紛れもなく幸せでした。
天下市という国立市で最大規模のお祭りでは、Pro-Kでタピオカの屋台を出し、みんなで学生らしく、他のどの屋台よりも客寄せの声出しをしていました。ちょっと迷惑そうな顔をするお客さんもいるほどでしたが、それでも「まちの一部として受け入れられているんだ」という楽しさを感じていました。
Pro−Kが運営するローカルヒーロー、やほレンジャーです。ブルーだけでもこの人気!3色集まったら大変なことになっちゃいます。
Pro-Kの活動にも慣れてきた10月には、商店街の力を借りて学生中心でハロウィンイベントを行いました。親子連れを中心に800人規模の人が集まるイベントになりました。自分たちの力でまちにハレの日を届けられたことをとてもうれしく思いました。
1年生の集合写真。みんなのお気に入りです。
ケの日のまちづくり
しかしコロナ禍の2020年、上で挙げた全てのイベントが中止になりました。まちからハレの日が消え去ってしまったのです。
「じゃあまちづくりもできなくなったのか」というと、そうではありません。特別な日じゃなくてもまちづくりはできます。ぼくはそれをケの日のまちづくりと呼んでいます。
ケの日という言い方はあまりしませんが、すでにお分かりの通り「ハレとケ」から取っています。
例えば商店街では、勉強や学校が苦手な子・新しい居場所がほしい子などを対象に大学生が無償で勉強を教えてくれる「学習支援」という活動を行っています。
学習支援教室は毎週あります。びっくりどっきりサプライズを提供しているのではありません。「自分のペースで勉強できる」「居心地のいい場所がある」といった、普通の幸せを提供しているのです。より良いまちにするためのとても大切な活動です。
またぼくは、Pro-Kの代表として国立市のまちづくり協議会に参加しています。まちの未来に必要なものを真剣に協議する場です。市の職員の方たちは日々、市民の意見を反映したまちづくりプロジェクトの構想を練っておられます。ぼくもその一部として、若者の意見を提供しています。
まちづくりプロジェクトの資料の一部。圧倒されてしまうほどの密度ですが、こんなのが何枚も!市役所の方の熱量が伝わります。
さらにPro-Kでは、コロナで苦しむまちの飲食店を救うためのクラウドファンディングを行いました。まちの支援をたくさん集めることができました。まちのケの日を守る立派な活動だったと思います。
現在もまちの桜をライトアップするためのクラウドファンディングを商協の1年生中心に行っています。
あなたもまちの一部だ
長くなりましたが結論です。ぼくは、突き詰めていけば、「より良い一日を紡いでいこう」という姿勢そのものが”まちづくり”なのではないか、と思うのです。
ハレの日もケの日も同じです。別に何かの施設を建てる必要もないし、ボランティアに勤しむ必要もない。すでにあなたはまちの一部だし、あなたのがんばりは全部まちづくりに含まれるのです。
ぼくはこの1年、Pro-Kの活動をより良くしていくことが自分にできるまちづくりだと考え、Pro-K内で教育機関を立ち上げたり、情報共有のツールを整備したり、新歓で使えるツールを開発したりしてきました。お祭りがなくなってしまったことはショックでしたが、いいまちづくりができたのではないかと思っています。
最後に、新入生の方へ。ぼくや、ぼくの仲間がそうであるように、ここに来れば自分のやりたいことがきっと見つかります。あなただけの”まちづくり”を見つけに、ぜひPro-Kを訪ねてみてください。
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