産毛の話

逆だった産毛がタワシを通り越して剣山みたいになるところも含めて、すごく好きです。最愛という言葉を、本当に使う日がくるとは思いませんでした。あなたと歩くいつもの散歩道はアスファルトで埋め尽くされているわけですが、さすがは都会っ子、この先の道も永遠に同じ材質で続いているみたいな世間知らずの顔をしていますね。土だってレンガだってあるはずなのにね。
歩いても歩いても終わりがこないことに慌ててしまうこともあるけれど、もしあなたが手を握ることで私を傷つけてしまうと恐れているのなら、どうか怖がらないでほしい。傲慢でない命に価値はないのだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?