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超短編小説

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#1minノベル

超短編|二人のニーズ

超短編|二人のニーズ

 付き合い始めたばかりの彼とのデートは、まだまだ緊張する。沢山食べる女性が好きだと言われても、普通盛りの彼のラーメンの横で、大盛りラーメンを食べるのは勇気が要るもの。

 でも、ここのラーメン屋さんならメニューにミニラーメンがあるから、二人のニーズにとても合う。

 「さてお客さん、何にするか決まった?」
 「はい、えっと…ミニを五杯お願いします。」

超短編|体型維持

超短編|体型維持

 「心がけていること…ですか?そうですね、若い頃の体型を維持しているということでしょうか?調子に乗って今も、当時の服を着たりするんですよ。もちろん、色は控えめですけどね。
 あ、そのケーキ残します?だったら、いただいていいですか?なんだかんだと…お腹がすいちゃって…。」

 『体型維持』ー それは、スレンダーとは限らない。

超短編|訳

超短編|訳

 『アイ・ラブ・ユー』を『月が綺麗ですね』と訳した人がいるんだってね。
 だったら…『マリー・ミー』を『綺麗な夕焼けですね』と訳すのはどうだろう?

 きっと緊張している僕の顔も、真っ赤に染まっていると思うからさ。

超短編|晴れ

超短編|晴れ

 雨が降らない。もう何日も。いや、何ヶ月も。
 大人は農作物の心配をし、テレビでは節水の協力を呼びかけている。このまま晴れの日が続くと大変なことになるらしい。

 そんなニュースを横目に見ながら、僕は今日こそ学校の裏山に登って、しっかり探さないといけないと考えていた。事態は思っていた以上に深刻になってきた。この国の運命は、僕にかかっているのだ。

 急げ。たぶんあの裏山にまだあるはずだ。三ヶ月前に

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