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200917【ラーメン屋にリンクする女子の話】

横浜は神奈川区に店舗を構えていた横浜家系ラーメン「六角家」本店が破産したというニュースを見た。ニュースの続きを見ると、近年はラーメン業界の競争激化、また、代表の体調不良が重なり、2017年の10月には閉店していたと知った。

六角家かぁ。

大学時代、大変お世話になったことが懐かしい。大学時代に住んでいたアパートからは20分近く歩くけど、時期によっては週2、3回食べに行ったこともあった。後輩と行ったし、そうそう、当時付き合っていた彼女とも行ったなぁ。ラーメン屋特有のベタベタになった床も印象的。自分は、トッピングだけで健康的になるなんて考えていなかったけど、ほうれん草やネギをトッピングしていたなぁ。あと、ライスは避けていた。

確かにウマいよ、ライスとあのこってりスープ、また、ひたひたにスープに浸かった海苔を巻いてライスを食べるのは。白米がウマい百選の1つになるね、これ。科学的な緑色のキュウリの漬物もあると嬉しい。ただ、太りやすい体質でもあるので、ライスは避けていた。うーん、テスト終わり等のご褒美の日は頼んでいたけど。

ここのラーメン屋のエピソードというと、大学時代所属していたサークルの後輩の女の子がバイトをしていたと聞いた。その子は可愛いルックスをしていたが、少し神秘的なところもあって、それがまた魅力に繋がっていた。その子目的での来店があったか分かりかねるが、ラーメン屋で働く彼女もまた、寝かせたスープのように魅力が上がっているのだろう。

その彼女のことを狙う男子学生もよく見てきた。

同サークルの一人の後輩が、彼女のことを好きになり、どうやったらデートできるか、大学の部室で考え込んだことがあるらしい。そこは先輩ということで、自分をはじめ、周りの戦友たち悪巧み成分多めで宅飲み、鍋パーティを開催し、彼と彼女を引き合わせた。

宴は深夜まで行なわれ、べろんべろんで自分は横になり、卓上には、太ったマロニーや、ぬるくなったチューハイ、なぜか遠方のスーパーマーケットで買ってきた電氣ブラン等が散乱してあった。その画がいかにも大学生らしくて、また冷蔵庫にある缶チューハイに手が伸びそうだった。

彼女は、酒に呑まれず、女の子座りでひたすらチビチビ缶チューハイを飲んでいた。彼の方は、我々が飲め飲めと煽ったせいか、顔が真っ赤だった。

「オレはだめっすよぉ。」と弱音を吐いている。

何がダメなのか分からないが、とりあえず、人間がダメなのである。

集まったメンバーのほとんどが地方から出てきており、キャンパス周辺で下宿、一人暮らしをしているため、終電を恐れない。終電でいつの間にか帰った奴がいたのか、それとも鍋のシメに殺めたのか記憶がないくらい酒を飲んだ中、宴もたけなわ感の中で、自分が仕切った。

「言いたいことがあるってさ。ほれ、言ってみなよ。」

自分は人が悪い。悪すぎて、鍋パーティ中に服を脱がされ、パンツ一丁で鍋と対戦したことがあった。鍋を食べ進む中で、唯一のトランクスパンツさえもビリビリに破れてしまったことがあった。もう、その続きはヨシとしよう。

「今度、デートしてください。」

彼は200%緊張ではなく、酔っぱらいとしての赤い顔をして、呂律が回ってない中、彼女に伝えた。

彼女は、クッションで顔を隠していた。

恥ずかしいのではなく、彼の顔を見たくないと直ぐに分かった。

彼は、想いを伝えたことで胸いっぱいになり下を向いている。

彼女は答えない。たぶん、彼に興味がないからだ。卓上にふんぞり返っているマロニーの方に興味があるのかもしれない。そのマロニーの神秘は彼女の魅力とリンクするものがある。

答えが出ないまま、時間が過ぎてしまうので、自分が「じゃあ、今度みんなでご飯行こうか。」でその場は終了となった。

後片付けを済ませ、戦友の部屋を出た時は、27時位だったと思う。

彼女は先に別の友人と帰り、自分は、深夜の暗闇でも赤色と分かるくらいの顔色の彼と帰ることにした。この深夜に彼と歩けば、変な奴は襲ってこないと安心する。それくらい味方にしておけば金棒だが、異性から見たとして、魅力はゼロだろう。

あぁあ、何故か歩いていて腹が減ってきた。この時間に六角家のラーメンはやっていない。

仕方ない、自宅を目指そう。牛丼屋も逆方向だし。

トボトボ歩きながら、彼の一方的な反省が始まる。大学キャンパスを横断するのが自宅アパートへの最短ルートなので、深夜の誰もいないキャンパスを横断する。守衛さんと、熱心な研究生以外人がいないキャンパスに、彼の嘆きが響き渡る。

星が見えない、これは隣にいる半分化け物のせいか。

そんなことを思いながら、大学生協のところで立ち止まり、自販機で缶コーヒーを奢った。この時間に飲む缶コーヒーは甘いのか苦いのかも分からない。「それが青春だ。」といえば丸く収まるのかもしれないが、缶コーヒーメーカー側はそんな気持ちを込めて製造していることはないと思う、ろくでもない世界だ。

缶コーヒーを飲んだあと、自分と彼は別れた。

その後、彼と彼女、また周りを含めてご飯に行ったのか、サークルの会合の後、飲みに行ったのか、詳しくは書かないでおこう。ラーメンが伸びるくらい時間がかかるし、その事を書いても人生のプラスになりゃしない。人生は有限だ、大した人生を歩んでいない自分が言うんだから、もはやよく分からないけど。

さて、彼をフッた彼女は大学卒業後、地元に戻り、ローカルタレントとまでは言わないが、地元の観光の活性化のために活動していたと聞いた。ユニットを組んで、歌を作って歌ったり、地元のお店のPRをしたり。実に彼女らしかった。

彼女には、一般のOLは向いてないと思う。自分が採用試験の人事担当だったら、その場で「キミはここに来なくていい、大空に羽ばたけ!」とチャリティーマラソンの沿道並に声をかけたい。彼女は今、元気にしているだろうか。一応書いておくが、酒を飲むと赤い顔になる彼も。

六角家ベースに書いてみたら、神秘的な魅力を持った彼女が出てきた。

もう1つ、軽くこのことも書いておこう。

大学時代、川崎のエンタメ居酒屋にて、2対2で飲んだ帰りに食べた六角家。これは何故か忘れられない。

当時は大学2年生だった。飲み会のシメとして、六角家でラーメンを食べていて、ずうっと隣で彼女の魅力を語る戦友。その彼女と少人数で飲んだのは初めてで、彼女を狙っていた。

そして、その後ちゃんと付き合った。ただ、あんまり長続きしなかったっけ。

なぜ、数十回通っていた六角家の中で、あの飲み会の後の六角家が忘れないのか、ちょっと分析してみると、その回の六角家は、自分と戦友、そして飲み会をコーディネートしてくれた同サークルの女子の計3人で行ったんだけど、その3ショットがシメにラーメンを食べる。という構図が唯一回だったいうのがあるのかな。

彼女、Fカップだし。

そのシメのラーメンまで付き合ってくれた彼女と、恋が発展したのではないのだけど。周りからは「番長」扱いされていた彼女、彼女もまた、今は元気にやっているかな、もちろん、戦友と長続きしなかった両胸の位置にハートマークの服をサークルの会合でよく着てくる彼女も。

そんな、個性的だったメンバーに、久しぶりに会ってみたい。いつも会っている大学時代の戦友、後輩たちとずうっとバカな事をしているけど、そこにゲスト的なノリで呼びたいな、いつか。

できれば、ラーメン屋はなくなり、街の色が変わりつつあるけど、あの街で会いたい。

あぁあ、久しぶりに横浜家系ラーメンが食べたくなってきた。もし、将来、東白楽の六角家、復活するなら直ぐに食べに行きたい。

六角家に限らず、ラーメンってスゴいよね。1000円掛からず、一級品の味を提供してくれるから。

とりあえず、今となっては、夜にラーメンを食べるとしたら、その前にしっかりビールと塩辛いものを身体に入れたい。その後のラーメンが最高なのよ。ただ、30歳を過ぎたら、すべて栄養になっちゃうけど。

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