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自己紹介が難しい。

先日、ホリスティック・ヘルス実践講座5期を卒業しました。
「終わったぁーっ!」と腕を大きく伸ばして達成感に浸るのか、はたまた感極まって涙を流すのか、自分自身がどのような形で卒業を迎えるのか楽しみでした。

静かなり。

卒業のその時、私の心は落ち着いていました。
思っていたよりも心の中に静けさを感じました。意外であったような、予想がついていた様な、どちらとも当てはまる状態でした。

フィンランド・ガラスアート展を訪れた時の写真より


講座の卒業が迫って来た7月中旬から、私は自身の願望を探るワークに取り組んでいました。深掘りというワークに取り組んでいると、今まで毎日頭の角にあり続けていた、「これから将来どうしたいか判らない」とか「何をしたら良いのかも見つからず、ただただ焦る」という気持ちが鎮まっていくのを、じんわりと感じました。

自分の願望を深掘りする目的は、今の私の心の中を明らかにすることでしたが、実際に明らかになったのは、今の私が見ないようにしていた過去の感性・素の感情でした。過去の出来事がポツポツと思い出され、その時々に私がどう感じていたのか、そしてその時の気持ちによってどの様な行動を起こしていたのかを思い出していきました。

誰が決めたわけでもないですが、「普通の感じ方」「普通のリアクションをすること」を良いコミュニケーションの取り方だと信じていたので、どんな場面でも最初に発言する人・最初に行動を起こす人の様子を観察する癖がついていました。

そのことが悪いことは無かったのです。
周りを見て、感じて、発言したい人・行動を起こしたい人が楽しそうに活躍していて、私は空気を壊さないように共感や提案の意見を伝えます。場にとってそれは、悪くはなく、私は処世術実践のような過ごし方が出来ていたと思います。

しかし、過去の感性を思い出した時に、私は今まで自分が「普通であることに拘っていた」ことを自覚し、その一方では「私の感性を誰かと共有したい」という想いを抱えている矛盾に気がつきました。そして、「普通で居なければいけない」「普通で在りたい」という気持ちについても、「普通」がいかに曖昧で幻のような基準かということにも気づきました。

パンパンに空気で膨らんだ風船の結び目をそっと破らないように丁寧に解き、空気がススス〜・・・と少しずつ抜けていき、空気の出ていく量を指先で調整している微妙な加減をイメージ出来ますか?
あの指先の緊張感と、あの空気の量。

それが、私の素の感情・感性が過去から今に向かって甦って来たときの感覚でした。

何か心の中に変化が起こる時、「雷に撃たれたような」、という表現をよく耳にしませんか?或いは「ビビビッと来た!」という表現も良く聞きます。

私の場合は、風船の空気が指で押さえている結び口から外にプスプスと出てくる時のような感じ、でした。

今なら、ホリスティック・ヘルス実践講座でつまづいてしまい途中やりになっていた、「自己紹介」作成に取り組めそうな気持ちになって来ました。

私にとって自己紹介というと、初対面の挨拶に添えて事務的に伝える程度のものでしたが、この講座の中では、自己紹介というのは文字通りなのですが、自己を紹介するスピーチなのでした。
略歴や資格などを連ねて発表するのではなく、私という個人のことを人にプレゼンするようなイメージです。何も考えずに出来てしまう人にとっては簡単なことかもしれませんが、私の場合には略歴を除いた自分自身のことが何もわからず、筆を持つ手が動かないところからのスタートでした。

過去にあった出来事は話せますが、それだけでは「紹介」ではなく昔の日誌を読み上げているだけになってしまいます。心で感じたことから、自分がどんな行動に移したのか、その行動にはどんな想いがあったのか、、、という背景が無いと、私という個人の特徴を人に紹介出来ないのです。

背景は必ずあります。忘れてしまっているか、自ら蓋をしてしまっているか、もっと複雑な閉じ込め方をしているか、人によってそれぞれの状態があると思いますが、生きていれば必ずその生物には背景があります。自分の背景をカラフルに鮮明に捉えて生きている人が、私には「個性」と「芯」のある人に見えているのだと気づき始めました。これは私にとって、自己紹介を作るための大ヒントです。

今なら自分を理解するための物想いに取り組める気がします。

自己紹介。

私にとっては、とても難しいのですが進めていきます。
まだ自己紹介しない理由は、まだ難しくて出来上がっていないからです。タイトルで思わせぶりになってしまいましたが、タイトル通りなのです。「するする詐欺」ではありません。
自己紹介はまた今度にいたします。

まだ大ヒントを得たばかりですので。
「楽しむ」とも、「じっくり」とも違うのですが、私を誰かに紹介できるように静かに取り組んでみます。


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