見出し画像

腕のおはなし

先日インスタグラムに"訳あって捨ててしまった腕を再作製"と投稿したので、そのお話をまとめてみます。

20代、アパレルブランドに正社員で働いていました。
毎日パターンを引き、トワルを作り、サンプルを縫製する日々。
コレクション直前は3週間連続勤務だってあった。住まいも通勤苦を軽減するため引っ越しもした。
荷造りにミシンや洋裁ボディも必ず入っていたが数年使わなかった。

たまの休日には自分の服を作ろうなんて思う余裕も無くなってしまったのです。
好きよりも得意なことを仕事にしたので趣味でも洋裁はできると思っていたんですけどそうもいかなかった現実。

引っ越し荷造りで、服飾専門学校の授業で作った腕は曲げて収納していたので形が崩れ、ある時捨ててしまった。

転職しても洋服を作る仕事には変わりなかったのですが、自宅のボディに腕がないことが不便に思うこともありませんでした。バックやストール掛けとしてなら機能していましたけどね。

その間本当に使わなかったわけではなく、姉の結婚式のお色直しのドレスは製作しました。バストパットやシーチングの残布を留めて即席腕を作ってオフショルダーの立体裁断をしていました。

そう、最近まで即席腕でまかなえていたんです。
今年はやたらとインスタグラムでトルソーについての投稿が目に留まり、そろそろ腕を作り直してみるかと。作るなら両腕だと。ようやっと着手しました。

調べると売っているんです、腕。しかしキイヤのボディであっても古いし、当時の学校指定旧JISサイズで合うか分からない…当時の教科書であればサイズも一致するだろうと思い小池千枝先生の新・立体裁断の教則本を元に製作しました。

作り方、かなりざっくりしていました… 授業での作り方と違うような… 少ない説明を自分なりに考えてなんとか形にしてみました。
授業で作ったものは肩付近の綿が下へ落ちて早々にヘタってしまったので少し綿は多めに、テープの仕上げ方は自己流になりました。

完成してすぐご依頼品を着せ付けてみました。腕のパフスリーブがとても見やすい!(当たり前すぎ!)カフスを見頃にピン打ちしながらパフり分見なくて済む!ドロップショルダーの全身バランスがみやすい!その後勢いで饅頭型も撮りながら作りました。

予想通りYouTube向きではない動画になりましたけど。ほんの一部の人にでも響けば良いかなと思っています。

本当は頭部や腕、股下のあるトルソーも欲しいです。しかし部屋の広さ問題とこれからのお客様層の体型考慮もあるので、今は”材料があるなら作る・作り足す”を優先しました。

あともう少しだけ洋服に向き合おうと思った行動のひとつです。

読んでいただきありがとうございました。

ご覧頂きありがとうございます。心温かいサポートは洋裁辞書のようにしたいYouTubeチャンネル運営の活動費に充てさせていただきます。