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一級建築士試験に格安で合格する方法

はじめまして。やぎ座の人と申します。
令和4年度の一級建築士学科試験、製図試験にストレート合格し、晴れて試験勉強の日々から卒業することができました。学科は独学、製図は通学(T社)を選択することで、受験費用を30万程度で済ませることができ、一級建築士受験の相場より、かなり格安に抑えることができました。

建築系の道に進まれた方なら、一級建築士の受験を考える方も多いと思います。しかし、いざ勉強しようとなると、勉強時間の確保も大変ですが、資格取得に係る費用の確保も大変だ…ということに気づかれると思います。

自分自身も費用が確保できず、少ない費用で合格するために、勉強方法をたくさん模索しました。同じような状況の方の少しでも役に立てればと思い、自分の経験をシェアするために、noteに残そうと思います。

やはり最適解は大手資格学校に通うこと。だが高い…。

一級建築士を取得したい!と周りに相談すると、多くの場合は資格学校に通うことを勧められると思います。私の周りも、一級建築士を取得されている方は、全員が資格学校に通っており、独学で勉強したという話は聞いたことがありませんでした。

一級建築士を取得するための資格学校は何社かありますが、S社とN社が建築士の受験業界では幅を利かせており、概ねこの2社のどちらかに通われる方が多いです。

現に一級建築士合格率No.1を謳うS社のHPによると、令和4年度1級建築士ストレート合格者に占めるS社受講生の割合は、57.9%とのことで、N社の受講生が占める割合は公表されていないものも、ストレート合格者の大多数は大手2社のどちらかに通っていることが予想されます。

受験経験者の話からも、データからも、大手2社の資格学校に通うことが最適解だとは思われますが、ここで問題になってくるのが資格学校の受講費用です。

まずはS社。
定番かと思われる学科試験対策と製図試験対策がセットになったコースだと、税込130万近くします。

S社に通う知り合いの話によると、さらに直前講座など、オプションの講座も開講されるようで、これに追加で費用がかかってくるとのことです。

次にN社。
こちらも定番の学科試験対策と製図試験対策がセットになったコースは、税込約87万と、S社よりかは良心的な価格ではありますが、なかなかの額かと思います。

さらに上記の額は1年でストレート合格できた場合の金額で、もしストレート合格できなければ、翌年度もまたいくらか費用がかかります。何年か通い続けて、結局数百万円もかかってしまった…などという話もちらほら聞きますし、大金を出して資格学校に通ったものも、結局合格できずに諦めてしまったなんていう話も結構聞きます。

近年、一級建築士の受験資格が拡大され、実務経験を積まずとも、大学卒業後すぐに受験できるようになりましたが、会社や実家からの補助がなければ、資格学校に通う費用を捻出するのは、なかなか難しいようにも思います。私自身も、職場から何の補助も出ず、資格取得後の給料アップも見込まれなかったため、大金を叩いて勉強する気にはなりませんでした。

しかし、大手の資格学校に通わないことが、一級建築士受験にあたっては不利だとしても、絶対に通わなければ合格できないわけではありません。

学科試験は独学で充分でした

ネット上で色々調べていると、学科試験は独学で合格した例を何件も見つけることができました。しかし一口に独学とはいえ、勉強方法は様々です。

私は学科試験は、令和3年度、令和4年度の2回、両方とも独学で挑戦し、一度は失敗しています。思い返せば、1回目の独学受験は勉強方法が非常にまずかったなぁと思います。

独学失敗談と、科目ごとの細かい勉強方法、スケジュール管理などについては別記事で記載するとして、本記事では1番効果があった勉強方法と、それに係る費用についてのみ、触れようと思います。

1番効果があった勉強法ですが、結局資格勉強の基礎中の基礎、過去問演習を繰り返し行うことです。

ちなみに過去問については、建築技術教育普及センターのHPに10年分公開されているので、これをダウンロードすれば無料で手に入ります。

しかし過去問を見ただけでは、さすがに体系的な内容は理解できないと思うので、過去問に加えて、体系的な内容を理解できるものが必要になってくるかと思います。

1番いいのは、やはり各資格学校が作成している科目ごとのテキストかと思います。私は、フリマサイトで3年くらい前の某資格学校のテキストを、計画・環境設備・構造・施工の4教科分購入しました。ちょっと古いものでしたので、格安で4教科セットで5000円くらいで購入しました。

よくテキストは最新版のものでないと意味ないと言われますが、最新の問題傾向は過去問で確認し、微妙な改正箇所は放棄してもたかが知れていますので、数年前のものくらいであれば、問題ない程度かと思ってます。

法規については、さすがに改正が怖かったこともあり、古いテキストは使用しませんでした。法規は過去問を解きながら、法令集と照らし合わせて理解し、わからない部分については、youtubeに解説動画を上げている方がいたため、こちらを参考にさせてもらい勉強しました。

ベースはフリマサイトで手に入れた5000円のテキストと、無料ダウンロードできる過去問、youtubeで勉強しましたが、構造力学など、どうしても苦手と感じる部分だけ、苦手部分に特化した市販の参考書を購入しました。それらを合わせても、だいたい2万円程度しか学科試験には費やしていないと思います。

資格学校に通って、お金も時間も犠牲にしないと無理!と言われますが、基本に忠実に、過去問を繰り返し解き、テキストを読み込んでいれば普通に高得点が取れる試験です。上記のやり方で、令和4年度の試験は、101/125と、合格ライン91点を余裕で越えることができました。

製図試験の独学はハードルが高すぎる

学科試験の独学はあまり問題を感じませんでしたが、製図試験の独学はネットで調べても聞いた試しがなく、製図試験は相対試験ということもあり、さすがに難しいのかと感じていました。結果、製図は学校に通い20数万飛んで行きましたが、これは必要経費だったように思います。

製図試験の独学が難しい理由として、まず一つ挙げられるのは、演習課題が独学では手に入れるのが難しいということです。

製図試験は学科試験と違い、毎年課題が異なります。建物の種類によって、プランニングで大事になってくる要素も異なるため、オフィスビルが課題の年に、過去問の集合住宅や美術館を解いても、あまり効果的ではないように思います。

大体その年の課題が発表されるのが7月で、資格学校はすぐにその年の課題をテーマにした演習課題を作成し、毎週の授業で1課題ずつ提供してくれます。しかし、市販のその年の課題の演習課題を購入しようとなると、だいたい出回るのが9月くらいになってしまい、そこから演習を始めるようでは、とてもではないですが試験に間に合いません。

また、製図試験が相対試験であることも、独学が難しい理由として挙げられます。製図試験においては、自分の図面や模範解答より、他人の図面から学ぶことが多いです。他人の図面のいいところや悪いところを参考にして、自分の図面に反映していく勉強が大切かと思います。

さらに、自分の図面を自分で添削するのは非常に難しく、信頼できる人からのアドバイスも必要になります。SNS上でアドバイスを求めるという手もあるかと思いますが、SNS上の意見は正しいものもあれば、間違っているものもあるため、変な固定概念が定着するリスクもあろうかと思います。製図試験はいかに要求をシンプルに卒なく答えるかというのが非常に重要になってきますので、間違った固定概念はとても厄介になると思います。

以上より、多少出資しても、資格学校に通うことをお勧めします。

そこで、次に問題になるのが資格学校の選び方です。もちろん実績的には大手2社が良いかと思います。しかし、例え製図だけの受講であっても、まあまあな金額はかかってしまいます。

製図試験の資格学校の選び方は、また別記事に書こうかと思いますが、結果として私は、大手2社ではなく、大手2社より受講料も安く実績も少ないけど確かにある、T社を選びました。

T社はS社に比べると、受講料は半額程度だったので、最初は大丈夫だろうかと思いましたが、個人的には非常に良い講座だと思いました。

製図試験にしても学科試験にしても、結局は基本を抑えることが大切です。よくT社の講師が、他2社に比べたら課題が簡単と言っていましたが、逆に基礎を徹底してできたのが良かったかと思います。

製図試験は、当年度の基礎的な課題が手に入り、信頼できる添削者がいる環境さえ整えば、問題なく挑戦できるかと思います。逆にこの2つさえ整えば、無駄に高い費用を叩く必要はない気がします。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
私のように、資格学校に大金を投資しなくても、うまく色々なものを活用すれば、合格ラインには立つことは十分可能です。

今後も引き続き一級建築士の勉強に関する体験談を掲載していこうと思いますので、興味のある方はご覧いただければと思います。

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