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【一級建築士試験・独学】法規で8割取る勉強方法

こんにちは。やぎ座の人です。
私は令和4年度の一級建築士学科試験に、2度目の挑戦で独学で合格しました。
1度目の挑戦で不合格となってしまった原因の一つは、法規の得点不足でした。

(1度目の学科試験の結果)
○計画 14/20
○環境 16/20
○法規 17/30(得点率 約56%)
○構造 17/30
○施工 15/25
○合計 79/125(合格ライン:87点)

一級建築士学科試験では、大体70~75%の得点率が必要と言われています。1度目の学科試験では、法規の得点率が約56%と、明らかに実力が不足していることが分かります。

法規については、他の科目と違って、年による難易度のばらつきが小さく、勉強すれば確実に得点できる科目と言われています。私も法規が得点しやすい科目ということは知っていたのですが、1回目の学科試験の際は、勉強方法がよく分からず、法規を得点源にはできていませんでした。

しかし、2回目の学科試験では、試行錯誤の末、安定して法規で点数を稼げるような力を身につけることができました。

(2度目の学科試験の結果)
○計画 16/20 
○環境 17/20 
○法規 25/30 (得点率 約83%)
○構造 26/30 
○施工 17/25 
○合計 101/125(合格ライン:91点)

今回の記事では、私が法規で8割を取れるようになった勉強方法について紹介しようと思います。

まずは問題の趣旨を理解できるようになろう

一級建築士の法規の試験では、法令集の持ち込みが許可されています。つまり法規で得点力を伸ばすには、分厚い法令集の中から、選択肢の正誤を判定するために必要な情報を探す作業をいかに早くできるか、という能力を身につけることが大切です。

1000ページ強ある法令集の中から、必要な情報を早く見つけるには、自分がどんな情報が欲しいのか、法令集をめくる目的を明確にすることが重要です。

例えば以下のような問題があったとします。

 避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1 .延べ面積 2,000 ㎡、地上 2 階建てのボーリング場の 2 階の居室から地上に通ずる屋内の廊下及び階段の部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。
2 .延べ面積 2,000 ㎡の病院において、床面積 100 ㎡以内ごとに防火区画した部分については、排煙設備を設けなくてもよい。
3 .地下街の各構えが接する地下道の幅員は、5 m以上でなければならない。
4 .建築物の高さ 31 m以下の部分にある 3 階以上の各階において、道に面する外壁面に直径 1 m以上の円が内接できる窓で、格子その他の屋外からの進入を妨げる構造を有しないものを、当該壁面の長さ 10 m以内ごとに設けている場合には、非常用の進入口を設けなくてもよい。

「令和4年度一級建築士学科試験法規No.9」より

選択肢2について、正誤を判定するには、法令集のどこを引けば良いのでしょうか。全くの初学者だと「病院」に関する部分を引けば良いのか、「防火区画」に関する部分を引けば良いのか、「排煙設備」に関する部分を引けば良いのか、何を引けばいいのか判断がつかないかと思います。

結論から言うと、この問題は「排煙設備」に関する部分を見れば正誤がわかるのですが、まずはこの法令集のどこを引くべきか判断できるようになることが大切です。私もはじめは、この判断が全くできず、無駄に法令集をめくっている時間が多かったです。

法規の問題構成は毎年ほぼ同じ

法規は毎年大体同じ構成で問題が出ます。この構成を知っておくと、選択肢を見たときに、その選択肢が何を聞きたいか読み取りやすくなり、法令集のどこを引けばいいか分かるようになります。

以下はあくまでも自己分析ですが、法規の問題構成は大体以下のような感じになることが多いように思います。

自己流の法規の問題構成の分析。大体こんな感じの30テーマ。

そして問題のテーマごとに、聞かれることは毎年ほぼ同じです。
例えば避難設備関係だと「〇〇という条件の施設に〇〇という設備は必要か」という問題が多い、内装関係だと「〇〇という条件の場合、不燃材料/難燃材料etc…としてよいか」という問題が多い、といった感じです。

問題をぱっと見たときに、「あーこれはこのタイプの問題か!」と分かれば、法令集の中から、必要な情報を探し出すまでの時間が短くなります。

テーマごとの問題のタイプを理解する

そして問題のタイプを知るには、同じテーマの過去問をグルーピングすることが有効かと思います。私は以下の「建築技術教育普及センター」で公開されている過去10年分の過去問をダウンロードして、出題テーマごとに問題を分けました。例えば10年分の過去問の中から、「用語の定義」関係の問題だけを集める、といった感じです。

そうすると、上述したような、各テーマごとの問題傾向がつかめてきます。びっくりするくらい、同じような形式で毎年問題が出題されていることがわかるかと思います。

法規の勉強を進める際は、テーマごとに攻略していくことをお勧めします。テーマごとに出題される問題形式を理解していく感じです。

私の体感だと、1テーマ2時間もあれば攻略できるかと思いますので、毎日コツコツ続ければ、1ヶ月もあれば一通り学習できるかと思います。

ちなみに勉強をするにあたって、流石に過去問と法令集だけでは理解できない部分が出てくるかと思います。そんな時は、YouTubeの解説動画がとても役に立ちました。「ミカオ建築館」のチャンネルは、説明が大変分かりやすかったです。

時間配分を考える

法規の科目の中でも大きなネックとなってくるのが、時間制限です。
テーマごとに攻略していく勉強法で進めていくと、このタイプの問題は解くのに時間がかかる、逆にこのタイプの問題は時間がかからない、などといったこともわかってくるかと思います。

例えば、建築士法などは特に問題のタイプが限られているので、下手したら法令集を引かなくても解けるレベル、逆に高さ制限などの計算問題や複合系の問題は時間がかかる、といった感じです。

建築士試験は、どの問題も配点は同じなので、当然簡単に解ける問題からやっていったほうが良いかと思います。

私は、とりあえず全体に目を通して問題構成を理解、複合系の問題だけ先に目を通して頭の片隅に入れる、そして一番簡単な建築士法を解いてから基準法に行く、といった感じで問題を解いていました。

ここは個人差があるかと思いますが、試行錯誤をして、制限時間内で収まるように問題を解けるトレーニングをしていくべきかと思います。テーマごとの問題演習が終わったら、絶対に30問ぶっ通しで問題を解く訓練をしていくことが大切です。

終わりに

法規という科目は、暗記科目でも計算系の科目でもなく、今まで勉強してきたことのないような科目であり、勉強方法に悩まれる方も多いかと思います。私も上記の勉強方法を生み出すまでは、なかなか得点も伸びず非常に苦労しました。ですが、勉強方法さえ掴めれば、決して難しい科目ではないと思うので、同じように悩んでいる方は、ぜひ私の勉強方法も参考にしていただければなと思います。

また次回の記事では「法規で8割取れる法令集の作り方」について紹介しようと思いますので、ぜひご覧いただければと思います。

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