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睡眠を見直すきっかけになった「睡眠こそ最強の解決策である」

本note執筆時点で20代終盤なのですが、今まで日5-6時間睡眠でも問題なかったのが2023年前半あたりから急に不眠感をおぼえるようになり、どうしたもんかなーと思って本書を手に取りました。

たくさん寝た方が健康に良いことはもちろん理解していたつもりだったのですが、本書では様々な研究結果や科学的エビデンスをもって睡眠とそれを妨げる習慣についてわかりやすく解説してくれているので、読後には「あ、本当にちゃんと寝た方が良いんだ」と強く説得された気持ちになりました。笑

実際、本書を読んでから色々と睡眠の習慣を見直していて、徐々にではありますが良い感じになってきた感覚はあります。

色々と学びが多かったので、以下に印象に残ったところを抜粋・コメントしていきます。

健康的な食生活と定期的な運動も大切だ。しかし最新の研究によって、どうやら、 食事、運動、睡眠のうち、健康のためにもっとも大切なのは、睡眠である ことがわかってきた。きちんと眠れなかった1日と、不健康な食事をした1日、運動不足の1日を比べると、もっとも悪影響が大きいのはきちんと眠れなかった1日だ。心身の健康をここまで力強く回復してくれるものは眠りだけだ。自然な機能であっても、医学的な処置であっても、眠りほどの力をもつものは存在しない。

睡眠 > 食生活、運動。

たとえば、いわゆる「朝型人間」と呼ばれる人は、覚醒のピークが午前中に来て、夜の早い時間に眠くなる。彼らは人口のおよそ 40%を占めている。反対に「夜型人間」と呼ばれる人は、人口のおよそ 30%だ。寝るのが遅く、そして起きるのも遅い。残りの 30%は、朝型と夜型の中間であり、私自身もそうであるようにやや夜型に傾いている。

たぶん自分は中間くらい。

とくに大きな問題は2つある。1つは、「怠け者」のレッテルを貼られてしまうこと。その理由は、夜更かしで朝寝坊だからだ。まわりの人たち(主に朝型人間) はそんな夜型人間を厳しく非難する。そういう生活になるのはだらしないからであり、努力すれば改善できるはずだと勘違いしているからだ。しかし悲しいかな、夜型たちは好きこのんで夜型になったわけではない。この生活パターンがDNAに組み込まれてしまっているのだ。そしてもう1つの問題は、社会のスケジュールが朝型に合わせてつくられていること。以前に比べれば状況は改善されてきているが、それでもたいていの会社は、まだ夜型人間にとっては厳しいスケジュールで動いている。その結果、夜型の人は午前中に生産性を上げることができず、せっかく生産性がピークを迎えても、もう仕事が終わる時間だ。

朝型人間むけに最適化された今の社会システムは、夜型人間にとって苦痛すぎる。人口の30%もいるとなると結構な人が朝型人間向けシステムで損してそう。

ある種の化学物質を使えば、アデノシンから出る睡眠信号を消し、眠気を覚ますことができる。その物質が、「 カフェイン」 だ。カフェインはサプリメントではない。もっとも広く使われている(または、濫用されている) 向精神性の物質だ。世界でもっとも取引量が多い商品は原油だが、カフェインは原油に次ぐ2位につけている。

カフェインの半減期は、平均して5時間から7時間になる。たとえば 午後7時 30 分ごろに夕食後のコーヒーを1杯飲んだとすると、午前1時 30 分になってもまだ半分のカフェインが体内に残っている ことになる。脳は夜通しカフェインの影響と戦うことになるので、その状態でぐっすり眠れるわけがない。ほとんどの人は、コーヒー1杯ぐらいなら影響はないと勘違いしている。そのため、よく眠れないまま朝を迎えたときに、まさか 10 時間前に飲んだ夕食後のコーヒーのせいだとは思いもよらないのである。

肝臓がカフェインを完全に分解したときに起こる「カフェイン・クラッシュ」 だ。おもちゃの電池が切れた瞬間と同じで、カフェインがなくなったことでエネルギーのレベルがガクッと低下する。集中力が切れ、頭がうまく働かなくなり、強烈な眠気が襲ってくる。カフェインが体内にある間、眠気を誘う化学物質(アデノシン) はカフェインによってブロックされているが、それでも量は増え続けている。一方で脳は、アデノシンの増加に気づいていない。カフェインが壁になって、アデノシンと受容体を切り離しているからだ。しかしカフェインの分解が終わり、受容体のブロックが解除されると、アデノシンの影響が一気に襲ってくる。

カフェインは睡眠の敵。

現代人の眠りは自然ではない。睡眠の回数も、長さも、就寝時間も、すべて現代の生活によって歪められ、本来の形からは離れている。先進工業国に暮らす大人のほとんどは、単相睡眠をとっている。単相睡眠とは、1日に1回だけ眠ることだ。
しかし、電気のない世界では、事情はだいぶ異なるようだ。ケニア北部に暮らすガブラ族や、カラハリ砂漠のサン人といった狩猟採集民は、単相睡眠ではなく二相睡眠をとっている。これは1日に2回眠るという意味であり、夜に7時間ほど寝て、さらに午後に 30 分から 60 分の昼寝をとっている。

二相睡眠の起源は文化とは関係がない。これは生物学的な習慣だ。地域による文化の差に関係なく、すべての人類が、午後になると眠くなる遺伝的な性質を備えている。

人間は進化の過程で、昼食後に眠くなるという特徴を身につけた。だからあなたもミーティングの出席者も、遺伝子の命令に従っているだけだ。目を開けていられないほどの猛烈な眠気に襲われるのは、身体が睡眠を必要としている証拠である。 人間は本来、二相睡眠をする生き物 だ。

人間は元来、1日2回眠る生き物。昼食後の異常な眠気は自然。

学習における睡眠の役割は、学習する前だけではない。学習した後の睡眠も、大きな役割を果たしている。 学習してから眠ることで、新しい記憶が脳に定着する のだ。

つまりスキルの練習をやめてからも、脳は独自に練習を続けているということだ。そしてこの脳の練習は、寝ている間しか行われない。 練習が完璧をつくるのではなく、練習し、その後で一晩ぐっすり眠ることが完璧をつくるのである。

知的活動も運動も、練習してから良い睡眠をとることで定着する。

30 年にわたる詳細な研究の結果、今では睡眠にまつわる疑問の多くで答えが出ている。たとえば、人間のリサイクル率はおよそ 16 時間だ。16 時間起きていると、脳の機能が下がりはじめる。認知力を維持するには1日に7時間より長い睡眠が必要だ。7時間以下の睡眠が 10 日続くと、脳の働きは 24 時間起きていたときと同じレベルにまで低下する。

寝不足の状態が1週間続いた後で、回復のための長時間睡眠を3日続けても(つまり、週末の寝だめよりも長い)、脳の働きは通常のレベルまで回復しない。そして最後に、寝不足の状態にある人は、自分がどれほど寝不足かわかっていない。能力の低下を自覚できない。

・週末の寝溜めでは寝不足は挽回できない
・寝不足状態では能力低下を自覚できない

テレビや雑誌で何を言っているにしても、睡眠の代わりになれるものは存在しない。それが科学的な事実だ。

睡眠時間が少ないほど、食欲は増す。それに加えて、睡眠不足の身体は、食べすぎで摂取した余分なカロリーを効率よく管理することができない。そのため、血液中の糖分が増えることになる。7時間から8時間の十分な睡眠をとらずにいると、食欲増加と代謝の低下というダブルパンチで、あなたの体重はどんどん増えていく。

睡眠に勝る解決策はない。寝不足は肥満にもつながる。



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