【武器になる哲学】20 他者の顔ー「わかりあえない人」こそが、学びや気づきを与えてくれる

レヴィナスのいう「他者」とは、文字通りの「自分以外の人」という意味ではなく、どちらかというと「わかりあえない者、理解できない者」といった意味です。

20世紀後半になって「他者論」が大きな哲学上の問題として浮上してきたのには必然性があります。連綿と「提案」と「否定」が続く、永遠に「完全な合意」に至らないかのように思える、この哲学の営みが、「わかりあえない存在」としての「他者」の存在の浮上につながったのでしょう。

自分と世界の見方を異にする「他者」を、学びや気づきの契機にすることで、私たちは今までの自分とは異なる世界の見方を獲得できる可能性があります。

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