【武器になる哲学】10 自己実現的人間ー自己実現を成し遂げた人は、実は「人脈」が広くない
マズローは、欲求五段階説の最高位にある「自己実現」を果たしたと、マズロー自身がみなした多くの歴史上の人物と、当時存命中だったアインシュタインやその他の人物の事例研究を通じて、「自己実現を成し遂げた人に共通する15の特徴」を挙げているんですね。
現実をより有効に知覚し、それとより快適な関係を保つこと
受容(自己・他者・自然)
自発性・単純さ・自然さ
課題中心的
超越性ープライバシーの欲求
独りでいても、傷ついたり、不安になったりしない。孤独やプライバシーを好む。このような超越性は、一般的な人たちからは、冷たさ、愛情の欠落、友情のなさ、敵意などに解釈される場合もある。自律性ー文化と環境からの独立・意思・能動的人間
認識が絶えず新鮮であること
神秘的経験ー至高体験
共同社会感情
対人関係
心が広く深い対人関係を持っている。少数の人たちと、特別に深い結びつきをもっている。これは、自己実現的に非常に親密であるためには、かなりの時間を必要とするからである。民主的性格構造
手段と目的の区別、善悪の区別
哲学的で悪意のないユーモアのセンス
創造性
文化に組み込まれることへの抵抗
マズローの考察によれば、成功者中の成功者である「自己実現的人間」は、むしろ孤立ぎみで、ごく少数の人とだけ深い関係をつくっている。
小人の交わりは、お互いがお互いに依存している状況になっていて、心理学ではこの状況を「共依存」という概念で整理します。
そして、ここが重要なのですが、共依存の関係にあるアルコール依存症患者とそのパートナーは、アルコール依存症そのものが関係性を維持するための重要な契機になっていることを無意識のうちに理解しているため、依存症の治癒につながるような活動を妨害(=イネーブリング)したり、結果として患者が自立する機会を阻止したりする、という自己中心性を秘めていることが報告されています。
マズローによる「自己実現を成し遂げた人は、ごく少数の人と深い関係を築く」という指摘は、今あらためて、私たちの「人のネットワークの有り様」について考えるべき時が来ていることを示唆しているように思えます。
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