見出し画像

その日の湯気は、やけに白く見えた。

最高気温5度。
今年の冬初めてヒートテックを出した。
劈くような寒さ。耳がもぎれるかと思う。
寒さを忘れるために音楽で耳を満たす。
1〜2月の寒い時期、よくチャットモンチーの湯気を聴く。
短くしたスカート分の寒さ。教室についた時のストーブの匂い。受験に向かう氷のような緊張感。その緊張感を溶かすようなあったかい、でも、張り詰めた教室。
受験への不安を認めないのに、慰め合った私たちはもう、受験の色を忘れてる。
当時、絶望しきっていた私は未来の自分を全く想像できなくて、壊れてしまいそうだった。
あの頃の私を認めてあげるために、今日もこの曲を聴く。

今日は来月から始まる体制についての会議があった。
みんながよくわからなくて大丈夫かなと思ってるところに、リーダーが「大丈夫って言ってください。」と強要してて面白かった。
まぁいけるっしょのギャル精神が強いチームである。

帰り、マスクを外して冬の外を歩く。
コロナ禍になってから、マスクなんてほとんど外してないから、息が白くなってるのを久し振りにみた。
人間の湯気みたいだなと思った。その日の湯気は、やけに白く見えた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?