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【番外編10】2024第1四半期経過報告 Jazz Sax:アドリブ練習の目的別構造化

 退職して3ヶ月。4月とGWは勢いよくツアーなどしていたのだが、その後は尻すぼみな感じで停滞中。サックスの練習もそこそこやっているがなかなか成果は出ないなあ。というわけで、1Qが終わるタイミングで成果と反省を整理してみたい(サラリーマン風情)。一応、以前に立てた枠組み(下記リンクの重点練習項目)を使って評価してみる。


重点項目1:ロングトーン/オーバートーン

(1) 目的と目標(前回記載事項)

 長年(40年w)諦めていたフラジオをどうにかしたいというのが主な目的だ。よってオーバートーンが練習の中心になる。定量目標としては、練習できるときは、まずロングトーン/オーバートーンをメニューに入れるということ。時間で区切って、とにかく一回30分程度は足掻くのを半年ぐらい続けてどうなるかをモニターすることとした。

(2) 成果と反省

 とりあえず、練習のできる日はロングトーン、オーバートーンから始めている。目標に書いた通りだいたい30分ぐらいを目安。ロングトーンはちょっと惰性になっている感あり。
 例によって問題はオーバートーンだ。とりあえず、第二倍音は普通に出るがやはり第三倍音(最低音のBbの2オクターブ上)は一発では出ないww  ある方から、右手小指のCのキーを開けて音をひっくり返す技を教わって、それを使って出た第三倍音をロングトーンする、というのを続けている。裏声問題もありw、あまり未来への希望はないが、あと3ヶ月ぐらいは続けてみよう。

(3) 次のステップ

 というわけで、芸がないですが、基本的には愚直に続けてみる、ということですかね。多少なりとも改善することを薄っすらと期待しております。 

重点項目2:苦手なキーの克服
(理論からのアプローチ+音感の醸成)

(1) 目的と方法(前回記載事項)

 目的を、理論的なアプローチと「指で覚える」アプローチを絡めて「面倒くさいキーでも、それなりにジャズっぽいことを唄える(吹ける)ようになる」と定義した。で、具体的な方法としては一旦「(三カ月程度で)とにかくDonna Leeを12 Keyで吹けるようにする」としていた。いわゆる青春を捧げるというやつだw (下記8:50からご参照)

(2) 成果と反省

 Donna Leeは、BPM=120ぐらいで「譜面を見ない(そもそも作らない)」でつっかえないで吹ける、というのを各キーにおける合格のクライテリアとして一応すべてのキーをカバーするところまでたどり着いた(ちょっと怪しいけど)。実音Eから初めて、BとかF#とか(サックスにとって)ややこしいキーを順番にやってみて、初めのうちは相当苦労してたのだが、だんだんコツ?というか、音と音の関係が指と頭の双方で理解できてきたらしく、最後はあまり難しく考えずに吹けるようになってきた。
 ジャズサックスを志すものとして、本来であれば40年前にクリアしておくべき課題であり、今更感が著しいが、とはいえ、昨日できなかったことが今日できるようになるというのは何歳になっても嬉しいものです。

(3) 次のステップ

 一旦形式的には完遂といういうことで。とはいえ、ボーッとしているとすぐできなくなるので、一週間に一回ぐらいは復習をしてみることにする。
 さて、この練習の目的は「面倒くさいキーでも何かしら(アドリブを)吹けるようになる」ことであり、そのためにDonna Leeのテーマを題材として頭と指で「移調」を習慣づけるきっかけとする、であった。とすれば、次はテーマだけではなく、アドリブも12 Keyでできるようにならないと本来の目的を達成できないわけで、次のステップは、とくにややこしいキーにおいてアドリブの練習をしてみるということだろう。テーマの復習と合わせて取り組みたい。Cherokeeあたりも改めてやってみるかな。iRealさんよろしく。

重点項目3:インターバル(パターン)の移調練習

(1) 目的と方法(前回記載事項)

 これも「音感の醸成」が主な目的であった。Donna Leeでやろうとしていることとほぼ同じで、様々なパターンを移調して吹けるように、頭と指のトレーニングをする。方法としては3ー4音程度のパターンを決めてそれを何らかの決め事で転調させるというのをやってみる、とした。

(2) 成果と反省

 いきあたりばったりではあったが、コピーしたフレーズの断片とか、パターン集に載っている気になったパターンとか、ちょっと長め(二小節程度)含め、試しに12Keyで練習してみるという癖はついてきたと思う。3カ月で10個ぐらいはやったかな。方法論としては、Cycle of 4thでC → F → Bb → Eb、、、と4度上がり(5度下がり)で順番に移調していくというのが定着した。当然メトロノームは使っております。
 段々慣れてきたけど、やっぱりこの手の練習は時間が掛かりますな。譜面があれば書いていることを一心不乱にやっていけばよいのだが、敢えて譜面を作らないので、途中で頭が混乱して止まったり間違えたりが頻発する。
 前回書いた通り、楽譜は書かずに、頭の中で転調させて、ゆっくり吹くことを心掛けたのだが、それに加えて、インターバルや、音の並びの意味(例えば、4音がなんらかのアルペジオになっているとか)をフックとして、頭の動きと指の動きを合わせていくことが必要だなあと実感した次第。体より頭が疲れる練習ですな。 

(3) 次のステップ

 これは、引き続き1週間に1-2パターンを目標として続けていこうと思う。多少気を付けることとしては、何でもかんでもと言うより、ヴァリエーションや意味付けを考えながらパターンを選ぶことだな。例えば、最近ジャズギター関係のYou Tube動画を見て、オープントライアドフレーズなるものを知ったのだが、その手の考え方に基づいたフレーズとか、最近覚えたwペンタトニックスケールとか。

(4) 補論:パターン練習をどうアドリブにつなげるか

 いわゆるパターン練習、あるいはスケール練習については、とにかく愚直にやって体と脳に覚えさせるのが重要とは思っている。しかし、実際アドリブで何かしらのフレーズを吹く場合、どのように応用すればよいのか、がいまいちピンと来ていないのが正直なところだ。
 例えば、最近見つけたこの映像。アルトのVicent Herringが自分のソロをトランスクライブしてちょっと解説を付けている。ソロの冒頭、3小節目、B7(#11) のところで、C# Dominant Pentatonic なるスケールを用いたフレーズを吹いてみた、と言うことだと思うのだが、このフレーズがどこまで準備されたものなのか、は興味深い。

 ギターの人の教則動画などを見ていると「ここはXXペンタトニック一発でいけますね」とか言いながら、ポロポロいろんなフレーズを弾いていたりする(当然ペンタトニックスケールの音を使っているのだが、結構複雑なフレーズ)。ギターってそういうもんなのかな。一方、私なんぞはスケールを上がって下がってぐらいしかできない。
 ではこのVincent Herringの思考はどうなっているのだろう。「よし、ここはC# Dominant Pentatonicだ!」と考えて、吹きはじめの音ぐらいは決めるけどあとは自動的に出てきちゃうのか、それともフレーズ全体を練習してあってそれを披露しているということなのか。まあ、実態としてはその中間ぐらいなのだろうが、そこに至るまでにどんな練習(あるいは思考訓練)をすればよいか、というのは実に興味がありますな。だれかいいアイディアあったら教えてください。

次点1:ジャズ理論の学習と理解

(1) 目的と方法(前回記載事項)

 まあ、前に書いた通りほとんど分かってないwので、一通り理論書を読むぐらいのことはしておきたいのだった。その中から、上記のパターン練習に使えるようなネタを見つけ、実践に応用していくのが目的かな。Mark Levinの "Jazz Theory" を頑張って最後まで読んでみるのを一旦目標とした。

(2) 成果と反省

 すみません、手がついていませんw。っていうか、上の方で書いたパターンの練習のスケールとかアルペジオとかを考えるときにちょっと斜め読みするくらいか。もともと無精で勉強嫌いであり、どうも体が動かないんだよねえ。鍵盤のあるところで読まないと、あまり感覚がつかめないし(言い訳)。

(3) 次のステップ

 こうなったら、ノルマ制にしてとりあえず無理やり読むしかないw 7月から一日30分目標で頑張りますwww 

次点2:トランスクライブ

(1) 目的と方法(前回記載事項)

 ジャズ耳の養成が主な目的。さらに言えば、上で書いたパターン練習のネタをみつけることも目的の一つであった。方法論としては、適当なネタを見つけて2-3コーラスとか、なんなら特定のフレーズだけとかでもよいことにして、無理しない範囲でやろうということにしておいた。

(2) 成果と反省

 なんだかんだで4曲ぐらいやってみました。って少ないなw
 真面目にトランスクライブするのは久しぶりなんだけど、科学技術使っても結構面倒くさいんだよねえ。話は違うが、ソロじゃなくて、ある「曲」を譜面に落とすというのをやっています。これがまた難しくて、なかなか終わりません。世のミュージシャンたちは偉いよなあ。

(3) 次のステップ

 これは前回書いたのと同様だが、引き続きやりたくなったときにちょっとずつやる、くらいのスタンスを継続する。そのためにも、時間のある時にはいろんな音源を聴いて題材を特定することが必要。とにかく「これ面白いな」と思ったら1コーラスでも、なんなら1小節でも譜面にするという癖をつけることを引き続き目標とする。

全体総括

  • 一応、当初意図した通り、週に5日ぐらいは楽器に触る生活が定着してきた触っているから上手くなるかと言うとそんなことは無いわけだが、生活習慣の一つとなったのは成果と言えよう(まあ、他にやることが無いのだがww)。

  • といいつつ、やっぱりこの手の基礎練習と言うのは時間が掛かるし、上手くなるのが実感できないのはなかなか辛い。この前一か月半ぶりにライブやったけど、散々な出来だったし(セッティングの問題だと思うが、音が思うように出ず、そればかり気になってソロも不安定かつ雑なものになってしまった)。

  • で、改めて、上に書いたような基礎練習を実際のアドリブに結び付けることの難しさを感じるわけです。そもそも、今回の構造化のコンセプト、頭と耳を使って吹きたいことを思いつく、それを腹と指と舌を使って説得力のある演奏で実際に吹く、というのは良いのだが、両者を「繋げる」あるいは「瞬間的に遂行する」ことに関しての練習方法は、もう少し具体的かつプラクティカルなものを考えるべきなのかもしれぬ。やっぱり、曲を決めて自分でラインを考えてそれを練習する、みたいなことはやったほうがいいのかな。

  • とはいえ、今の世の中、こういう方法論を考えていると、You Tubeやらなにやらいろんなところにヒントが転がっているのは素晴らしい。学生時代にもう少しこの手の方法論が分かっていたら、もう少し上手くなって、、、ないかw 

  • さて、特にこの一か月半は実践(バンドでの演奏機会)が不足していたような気もする。とはいえ、以前書いた通り漫然とセッションに行くのはあまり意味がないので(呑み会だと思えばそれはそれでよいがww)、そろそろ都内でパーマネントなバンドでもやりたいところではある。場所とメンバーをどうするかが大問題ではあるが、自分でやるのも面倒なので誰か呼んでくれないかなw 

 というわけで、3カ月の経過報告でした。楽器演奏に限らず、この歳になって、なにかを上達するのはやはり厳しいのかな、とちょっとした絶望を感じたり、とはいいながら、昨日できなかったことが今日できるようになる喜びもあり、まあブツブツ言わずに続けてみたい。
 練習の様子や進捗は、また報告したいと思います。皆様も練習のアイディアやお勧めがあれば教えてください。

おまけ:生活習慣について

 会社辞めたことで、生活習慣が滅茶苦茶になってせっかく作った時間を無駄にしたり、さらには、金使いが荒くなったり、不健康な生活になったり、は避けたいと思っていたのだが、一応、それなりの決め事を作ってみた。

  • 朝は7時に起きて、7時半からBSで朝ドラを観るw

  • 週に4回程度、有酸素運動をする(ジョギングかウォーキング)

  • ちょっとダイエットする(3kg痩せたが、あと3kgぐらい痩せたい)

  • そのために、しばらく家で酒は飲まない (外では呑むw)

  • 無収入ジジイとしては無駄遣いは厳禁(無駄な外食等)。今更なにか値の張るハードウェア的なものを買おうとは思わないので大して金は使わないが。

  • といいつつ、インプットの金はケチらない(とはいえ、今や本や映画ぐらいですが)

 まるっきり退職老人だw。退職You Tuberになれるかもしれない(ならない)。

 会社を辞めて改めて感じたのだが、ストレスは大幅に減りますな。スーダラサラリーマンだったとはいえ、やはり仕事をしていた時は何かしらの責任や締切り、面倒な人間関係がそれなりのストレスになっていたのが分かる。
 一方で、他人とのエンゲージメントが極端に減っているというのも事実。呑み会もすっかり減ったしねw  よく言われるが、退職して肩書のなくなったジジイなんぞというのは、周りに知り合いがおらず、相手にもされずで孤独なもんだww。まあ、このひと月半ぐらいは敢えて外に行かずに引きこもっていたような面もあるのだが、そろそろ 人間関係を再構築するフェーズに入るべきなのだろうし、その中心はやっぱり音楽活動に出来たらよいなと漫然と思っているのだった。皆さん遊んでください。

 というわけで、日常生活についてのおまけでした。次回は「中期計画」についても書いてみようかなと思ってます。

 以前の文章はこちらから。



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